ファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:梅田一郎)は、2010年7月23日(金)、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌(RCC:renal cell carcinoma)の効能・効果で、抗悪性腫瘍剤/mTOR阻害剤「トーリセル 点滴静注液25mg」(一般名:テムシロリムス)の製造販売承認を取得しました。
トーリセルは、点滴静脈内投与によるmTOR(mammalian target of rapamycin)阻害作用による抗悪性腫瘍剤です。トーリセルは、細胞の生存・成長・増殖を調節するセリン・スレオニンキナーゼであるmTORの活性を阻害し、細胞周期の進行及び血管新生を抑制することにより、腫瘍細胞の増殖を抑制すると考えられています。
* mTOR(mammalian target of rapamycin)哺乳類ラパマイシン標的タンパク質
ファイザー社(旧ワイス社)では、mTORの特異的阻害剤として知られているシロリムス(別名:ラパマイシン)に着目し、高コンプライアンスの期待できる注射剤としてテムシロリムスを開発しました。テムシロリムスは、シロリムスと同様にmTOR活性阻害を示し、in vitro、in vivoの非臨床試験において腫瘍細胞増殖抑制効果を確認したことから、mTORを標的とする新規抗癌剤としてテムシロリムスの臨床試験を開始しました。
薬物による前治療を受けていないPoor risk(予後不良)の進行性腎細胞癌の患者さんを対象とした海外第Ⅲ相臨床試験において、全生存期間(OS:overall survival)中央値は、インターフェロンアルファ(IFN-α)単独投与群で7.3ヵ月であったのに対し、トーリセル25mg週1回単独投与群では10.9ヵ月であり、OS中央値の有意な延長が認められました(p=0.0083、log-rank test)。国内においては、2002年より第I相験を実施し、進行性固形癌患者に対する忍容性を確認しました。その後、日本、韓国及び中国で進行性腎細胞癌患者さんを対象として実施した国際共同(アジア)第Ⅱ相臨床試験において、トーリセル25mgを週1回投与した奏効率(CR+PR)は11.8%、臨床的利益率(CR+PR+24週以上のSD)は47.4%と日本人を含むアジア人の進行性腎細胞癌に対する有効性および安全性も確認されています。トーリセルは、米国において2007年5月に承認され、現在、欧州を含む世界52ヵ国以上で承認されています。また、米国のNCCN(National Comprehensive Cancer Network)のガイドラインにおいて腎細胞癌患者に対する薬物治療の一つとしてトーリセルの投与が推奨されています。
日本では承認条件として製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象とした使用成績調査を行い、本薬の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、適正使用に必要な措置を講じることとしています。
ファイザー株式会社は患者さんの安全性の確保とトーリセルの適正使用推進を図るため、上記の使用成績調査に加え、施設要件を設定することで販売先を特定し、本剤投与症例を全例登録する特定使用成績調査を実施することで、適正使用の推進を図ります。また、本剤を処方される医師からは、患者さんやそのご家族に有効性及び安全性等について十分説明をいただくと共に、同意を得た上で投与を開始していただくよう医薬情報活動を行ってまいります。
■ 腎細胞癌(RCC)とは:
腎臓に発生する悪性腫瘍のひとつで尿細管上皮細胞ががん化したものです。好発年齢は50歳以降で男女比は約2:1です。日本における腎細胞癌の患者数は10,000人以上と言われています。近年、CTや腹部超音波検査などの画像診断技術の進歩と検診の普及などにより早期に発見される症例が増えています。手術による病巣の切除が治療の基本ですが、根治切除不能または転移性の進行例の場合は、これまで有効な治療法はありませんでした。近年の分子標的治療の進歩により予後の改善が期待されています。
トーリセル の概要
| 製品名 |
トーリセル 点滴静注液25mg(TORISEL Injection 25mg) |
| 一般名 |
テムシロリムス(Temsirolimus) |
| 製造販売承認取得日 |
2010年7月23日
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| 製造販売 |
ファイザー株式会社
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| 効能・効果 |
根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
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| 用法・用量 |
通常、成人にはテムシロリムスとして25mgを1週間に1回、30~60分間かけて点滴静脈内投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。 |
以上 |