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≪「痛み治療」に対する医師と患者の意識比較調査≫
慢性疼痛*1患者の7割が「自身の痛みをどのように伝えたらよいかわからない」
一方で、医師が患者から聞き出しにくい情報 第1位は「治療目標」
痛みの軽減以外の治療目標の設定と診療の満足度について、医師と患者間で認識差

報道関係各位

2016年10月26日
ファイザー株式会社

ファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:梅田一郎)は、過去1年間に慢性的な痛みによる通院経験がある日本全国の20歳以上の男女5,150名および慢性疼痛の治療経験を有する医師169名を対象に、インターネット調査を実施しました。

慢性疼痛は、痛みの種類と違いによって治療法が異なります。そのため、問診時に患者が医師に対して痛みの出かたや感じ方を正確に伝えられることは、効果的な治療に繋げるためにも欠かせません。そこで今回は、医師と患者の認識の違いや問診におけるコミュニケーションについて検証を行いました。(調査期間:2016年9月23日~9月26日)

今回の調査によって、主に次のことが明らかになりました。

痛みの診療における医師と患者の意識差

■痛みの治療を受けている患者の約半数が、医師の診療に満足していない(48.4%)。一方で、医師の8割以上が「患者は診療に満足している」と回答(83.4%)。【患者Q8-2,医師Q10-2】

過去1年間に慢性的な痛みによる通院経験がある人5,150名に、「医師の診療に十分満足していますか」と尋ねたところ、「いいえ」13.7%(706人)、「どちらかと言えばいいえ」34.7%(1,788人)をあわせて48.4%(2,494人)と、約半数にのぼることが分かりました。一方で、慢性疼痛の治療経験を有する医師169名に「患者は診療に十分満足していると思いますか」と尋ねたところ、「はい」8.3%(14人)、「どちらかと言えばはい」75.1%(127人)をあわせて83.4%(141人)となり、患者と医師との間で診療による満足度の認識に大きな差があることが明らかになりました。

■ 医師が患者から聞き出しにくい痛みに関する情報は「治療目標」(39.6%)、「痛みの出かた・感じ方」(34.3%)、「痛みの辛さ」(34.3%)。一方で、患者が医師に伝えたいと感じていることは「痛みの強さ」(55.4%)、「痛みの部位」(53.6%)、「痛みの出かた・感じ方」(33.9%)。【医師Q13-5,Q13-8,Q13-9,患者Q19-2,Q19-3,Q19-5】

慢性疼痛の治療経験を有する医師169名に、初診時(診察前の問診票も含む)に患者さんに聞き出しにくいことについて尋ねたところ、「治療目標(痛みが和らいだらやりたいこと、できるようになりたいことなど)」が「はい」3.0%(5人)、「どちらかと言えばはい」36.7%(62人)をあわせて39.6%(67人)で最多。続いて、「痛みの出かた・感じ方」が「はい」4.7%(8人)、「どちらかと言えばはい」29.6%(50人)をあわせて34.3%(58人)、「痛みの辛さ」が「はい」2.4%(4人)、「どちらかと言えばはい」32.0%(54人)をあわせて34.3%(58人)となった。過去1年間に慢性的な痛みによる通院経験がある人5,150名に、問診の際に医師に伝えたいことを尋ねたところ、「痛みの強さ」55.4%(2,852人)、「痛みの部位」53.6%(2,760人)、「痛みの出かた・感じ方」33.9%(1,746人)となり、医師と患者が問診時に意識する項目が分かりました。

■慢性疼痛の患者の約7割が「自身の痛みをどのように伝えたらよいかわからない」と回答(70.0%)。【患者Q16】

過去1年間に慢性的な痛みによる通院経験がある人5,150名に、「医師に対して自身の痛みについて「どのように伝えればいいかがわからない」と感じることはありますか」と尋ねたところ、「感じる」15.6%(805人)、「やや感じる」54.3%(2,798人)をあわせて70.0%(3,603人)となり、多くの患者が自身の痛みを伝える際に戸惑いや課題を感じている実態が明らかになりました。

問診の際に痛みを上手に伝える・聞き出すための工夫

■約9割の医師が、問診でオノマトペを使用している(88.8%)。患者では、7割以上が使用している(74.3%)。【医師Q17、患者Q20】

慢性疼痛の治療経験を有する医師169名に、問診時にオノマトペを使用しているか尋ねたところ、「よくある」が32.0%(54人)、「ときどきある」56.8%(96人)をあわせて88.8%(150人)となりました。また、過去1年間に慢性的な痛みによる通院経験がある人5,150名では、「よくある」が30.3%(1,559人)、「ときどきある」44.0%(2,265人)をあわせて74.3%(3,824人)となり、医師の方がオノマトペを使用している割合が高いことが分かりました。

■9割以上の医師が、問診でオノマトペを使う理由として「患者から痛みの情報を聞き出しやすくなるから」(93.3%)、「患者の痛みの表現から痛みの種類が推測できるから」(91.3%)と回答。また、9割以上の患者が、身体の痛みの表現にオノマトペを使用する理由として「自身の痛みを説明しやすいため」(94.4%)、「痛みを感覚的・直感的に表現できるため」(93.4%)と回答。【医師Q18、患者Q21】

慢性疼痛の治療経験を有する医師のうち、問診の際にオノマトペを使用している医師150名に、オノマトペを使用する理由を尋ねたところ、「患者から痛みの情報を聞き出しやすくなるから」が、「とてもそう思う」24.0%(36人)、「そう思う」69.3%(104人)をあわせて93.3%(140人)となり最多。続いて、「患者の痛みの表現から痛みの種類が推測できるから」が、「とてもそう思う」25.3%(38人)、「そう思う」66.0%(99人)をあわせて91.3%(137人)となった。また、過去1年間に慢性的な痛みによる通院経験がある人のうち、身体の痛みの表現にオノマトペを使用している人(3,824名)に、オノマトペを使用する理由を尋ねたところ、「自身の痛みを説明しやすいため」が、「とてもそう思う」35.3%(1,351人)、「そう思う」59.1%(2,259人)をあわせて94.4%(3,610人)となり最多。続いて、「痛みを感覚的・直感的に表現できるため」が、「とてもそう思う」35.9%(1,374人)、「そう思う」57.4%(2,196人)をあわせて93.4%(3,570人)となり、双方にとってオノマトペの活用が痛みの伝達や理解の促進に繋がることが明らかになりました。

■問診でオノマトペを使用している患者の61.0%が「医師に痛みを上手に伝えられている」と回答しており、使用していない患者の54.8%と比較して6.2ポイント高い。【患者Q8-8,Q20】

過去1年間に慢性的な痛みによる通院経験がある人に、「医師に自分自身の痛みについて上手く伝えられていると思いますか」と尋ねたところ、問診でオノマトペを使用している人(3,824名)では、「はい」13.8%(526人)、「どちらかと言えばはい」47.2%(1,806人)をあわせて61.0%(2,332人)、使用していない人(1,326人)では、「はい」13.3%(176人)、「どちらかと言えばはい」41.5%(550人)をあわせて54.8%(726人)となり、比較して6.2ポイント高く、オノマトペを使用している人の方が医師に痛みを上手く伝えられていると感じる傾向があることが明らかになりました。

■医師が患者に説明する際にしている工夫は、「分りやすい言葉で説明するようにしている」(95.3%)、「専門用語を使わないようにする」(94.7%)、「話しやすい雰囲気や態度を心がける」(89.3%)、「患者の話を最後まで聞くようにしている」(89.3%)。【医師Q20-1,Q20-2,Q20-7,Q20-8】

慢性疼痛の治療経験を有する医師169名に、問診での説明の時に患者が理解しやすいように工夫していることを尋ねたところ、「分りやすい言葉で説明するようにしている」が、「はい」37.9%(64人)、「どちらかと言えばはい」57.4%(97人)をあわせて95.3%(161人)となり最多。続いて、「専門用語を使わないようにする」が、「はい」32.5%(55人)、「どちらかと言えばはい」62.1%(105人)をあわせて94.7%(160人)、「話しやすい雰囲気や態度を心がける」が、「はい」24.9%(42人)、「どちらかと言えばはい」64.5%(109人)をあわせて89.3%(151人)、「患者の話を最後まで聞くようにしている」が「はい」24.3%(41人)、「どちらかと言えばはい」65.1%(110人)をあわせて89.3%(151人)となりました。

治療の目標設定における医師と患者の認識差

■患者と痛みの軽減以外の治療目標を設定していると認識している医師は7割以上に上るが(72.2%)、医師と痛みの軽減以外の治療目標を設定していると認識している患者は半数以下にとどまる(47.1%)。【医師Q10-12,患者Q8-9】

慢性疼痛の治療経験を有する医師169名に、「患者と痛みの軽減以外に治療目標(日常生活の改善、眠れるようになる等)を設定していますか」と尋ねたところ、「はい」14.8%(25人)、「どちらかと言えばはい」57.4%(97人)をあわせて72.2%(122人)となりました。一方で、過去1年間に慢性的な痛みによる通院経験がある人5,150名に医師と痛みの軽減以外の治療目標を設定しているか尋ねたところ、「はい」11.5%(592人)、「どちらかと言えばはい」35.6%(1,833人)をあわせて47.1%(2,425人)となり、痛みの軽減以外の治療目標の設定に対する認識に関して、医師と患者間で大きな差があることが分かりました。

■医師と痛みの軽減以外の治療目標を設定している患者の74.8% は診療に十分満足している一方で、設定していない患者では十分満足している患者は30.9%であり、痛みの軽減以外の目標設定をしている患者の方が43.9ポイント、満足している患者の割合が高い。【患者Q8】

過去1年間に慢性的な痛みによる通院経験がある人に、「医師の診療に十分満足していますか」と尋ねたところ、痛みの軽減以外の治療目標を設定している人(2,425名)では、「はい」19.4%(470人)、「どちらかと言えばはい」55.4%(1,343人)をあわせて74.8%(1,813人)、設定していない人(2,725人)では、「はい」3.5%(96人)、「どちらかと言えばはい」27.4%(747人)をあわせて30.9%(843人)となり、比較すると43.9ポイントの差があり、痛みの軽減以外の治療目標を設定している患者の方が満足している患者の割合が高いことが明らかになりました。

今回の調査結果についてのコメント

日本大学医学部麻酔科学系麻酔科学分野 診療教授
加藤 実 先生

近年、痛みには種類があることが分かってきています。大きく分けると、炎症などを原因とする「侵害受容性の痛み」、神経の障害が原因となる「神経障害性の痛み」、これらがあわさって起こる「混合性の痛み」などです。そして、その痛みの種類によって、治療薬も異なるということが医師だけでなく患者さんの間でも浸透し始めています。

痛みは長期化すると、身体的な辛さに加えて、家事、仕事、通学などに支障をきたすなどQOLに大きな影響を与えてしまいます。そのため、早期からその人の痛みの種類を診断し、痛みの種類に応じた適切な薬の選択、加えて運動療法を併用することで「痛み」を軽減し、日常生活の改善に向けて治療していくことが大切です。そして、患者さんの痛みの診断にあたって、問診で痛みの出かたや感じ方、痛みの強さなどを聞き出すことは不可欠です。

今回の調査では、3つの興味深い点が浮き彫りとなりました。1つ目は医師と患者間の診療満足度のギャップです。8割以上の医師は「患者は診療に満足している」と評価している一方で、患者の診療満足度は低く、かつ低い患者の77%は副作用の説明不足、75%は痛みの軽減以外の治療目標が設定されていない結果でした。この事実は、医師は説明していないことを認識していない、説明する必要な項目になっていない、あるいは患者が理解できる説明がされていないなどの可能性が考えられます。逆に今回の患者が満足されていない頻度が高い項目を、今後は医師が積極的に丁寧に説明すること、あるいは説明方法の改善などが患者の診療満足度の向上につながると考えます。2つ目は目標設定です。これまでの私達の文化では、痛みは消えることが当たり前で、誰もがそれを当然と捉えてきました。しかし、慢性痛は違います。医師が患者に「慢性痛治療の目標は痛みを消すことではなく、痛みを軽減し日常生活の活動性を高めること」を目標に設定し、まずは睡眠障害をなくす、強い痛みを減らす、痛みを途切れるようにする、できないことができるようになるなど、実現可能なところに目標を設定することが大切です。よくなることの実感は、自信、そして不安の軽減につながり、患者は自ら前向きに物事を捉えられる方向に自然に歩み出すことになるからです。最後の3つ目は痛みの性質を伝えるオノマトペは患者、医師ともに利用について肯定的に捉えている結果でした。目に見えない痛みを患者が医師に伝えるのは至難の業です。医師が患者の痛みを把握することも同様です。痛みの性質に関する情報が、痛みの種類の鑑別、適切な薬物療法につながる現在では、オノマトペは医師と患者が容易に使える痛みの共通言語として非常に重要な役割を担っています。

今後、オノマトペが痛み治療の中で、更に医療現場に広く浸透することは、慢性痛の患者が適切な痛みの対応法に、早期に出会う機会を増やすことにつながる重要なキーの一つになると期待しています。

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