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欧州医薬品庁(EMA)、転移性メルケル細胞がん治療薬として
アベルマブの販売承認申請の審査を開始
・開発中の抗PD-L1 IgG1抗体アベルマブは、初の転移性メルケル細胞がん治療薬となる見込みです。 ・販売承認申請は、化学療法後に進行した転移性メルケル細胞がんを対象に、臨床的に意義のある抗腫瘍効果を示した
第Ⅱ相試験「JAVELIN Merkel 200」によるデータに基づきます。
・JAVELIN Merkel 200は、転移性メルケル細胞がんを対象とした抗PD-L1/PD-1抗体の試験として報告されたもの
の中で、最大規模の試験です。

報道関係各位

2016年11月10日
ファイザー株式会社
メルクセローノ株式会社

この資料は、2016年10月31日に独・メルクおよび米・ファイザーが発表した英語版プレスリリースの翻訳で、参考資料として提供するものです。正式言語は英語であり、その内容及び解釈については英語が優先します。 英語版は http://www.merckgroup.comまたはhttp://www.pfizer.comをご参照ください。

2016年10月31日、ドイツ・ダルムシュタットおよび米国・ニューヨーク発‐独メルク社(以下、メルク)と米ファイザー社(以下、ファイザー)は本日、欧州医薬品庁(EMA)がアベルマブに対するメルクの販売承認申請(Marketing Authorization Application: MAA)の審査を開始したと発表しました。アベルマブは、転移性メルケル細胞がん(以下、メルケル細胞がんを「MCC」と略記)を予定適応症としています。MCCは、欧州において年間約2,500人が罹患する悪性度の高い希少皮膚がんです1,2

MAAの開始は、申請資料の提出が完了し、EMAによる一元化審査プロセスが開始されたことを意味します*。承認された場合、開発中の完全ヒト型抗PD-L1 IgG1モノクローナル抗体アベルマブは、EUにおいて、転移性MCCを適応症として承認される初の治療薬となります。転移性MCCは予後不良のがんで、5年生存率は20%未満です3

メルクのエグゼクティブ・ヴァイス・プレジデントでバイオファーマ・ビジネス研究開発部門のグローバル責任者であるLuciano Rossetti (M.D.)は次のように述べています。「一般的に、早期のMCCに対する処置は手術ですが、治療選択肢が非常に限られる転移性MCCには高いアンメットニーズがあります。今回、EMAがアベルマブの審査を開始することにより、私たちは、欧州の患者さんが待望する新たな治療選択肢の提供に向けて、一歩近づいたことになり光栄です。」

ファイザーのグローバル製品開発部門の腫瘍免疫、早期開発およびトランスレーショナル・オンコロジー領域担当シニア・ヴァイス・プレジデントChris Boshoff (M.D. Ph.D.) は次のように述べています。「今回の審査開始は、今後アベルマブで期待される数多くの適応症に対する承認というマイルストーンの第一歩です。私たちは多くの難治性がんを対象としたアベルマブの評価に取り組んでいます。アベルマブは、転移性MCCの患者さんに対する重要な治療選択肢となる可能性を持つと確信しています。」

転移性MCCを対象とするアベルマブの販売承認申請は、少なくとも1種類の化学療法を行った後に進行した転移性MCC患者さん88例を対象とした、多施設単一群第Ⅱ相非盲検試験「JAVELIN Merkel 200」のデータに基づきます1。JAVELIN Merkel 200試験は、転移性MCCを対象とした抗PD-L1/PD-1抗体に関する最大規模のデータです。これらのデータは最近、『Lancet Oncology』にて発表されました1

アベルマブは、欧州委員会(European Commission)からMCCに対する希少疾病医薬品指定(Orphan Drug Designation: ODD)を受けました。EUにおいてODD指定を受けるには、生命を脅かす疾患、または慢性の消耗性疾患に対する治療や予防または診断のための薬剤であること、EUにおける当該の疾患の罹患率が1万人当たり5人未満であること、または開発に要した費用を賄うに足る十分な収益が期待できず販売することができない医薬品であること、これまで満足できる治療法がない疾患に対して効果がある、といった要件を満たす必要があります4

アベルマブの臨床開発プログラム「JAVELIN」は、少なくとも30以上の臨床プログラムから成り、15以上の異なるがん種について評価された患者数は2,900人を超えています。がん種としては、転移性MCCの他、乳がん、胃/胃食道接合部がん、頭頸部がん、ホジキンリンパ腫、悪性黒色腫、悪性中皮腫、非小細胞肺がん、卵巣がん、腎細胞がん、尿路上皮がん(膀胱がんを原発とする)などが挙げられます。

* アベルマブはいかなる市場におけるいかなる適応についても承認を取得していません。今回、開発中のアベルマブはEU市場において当局から始めて申請を受理され、EMAによる安全性と有効性の審査が開始されました。

転移性メルケル細胞がん (MCC)について

転移性MCCは、神経終末部近くの皮膚最表層にできるがん細胞に由来する1,5、希少かつ進行性の疾患です。MCCは、皮膚の神経内分泌腫瘍または索状がんとも呼ばれ、頭頸部、腕といった、日光にさらされることが多い部位の皮膚に発生します6。MCCのリスク因子として、日光へのばく露、免疫系の弱体化(臓器移植を受けたことがある患者、HIV/エイズ患者、慢性リンパ性白血病など他のがん患者)などが挙げられます。50歳以上の白人男性では、そのリスクが上昇します5。MCCはしばしば他の皮膚がんと誤診され、また、慢性的な日光による障害を受けた皮膚では指数関数的な速度で成長します7‐10。現在のMCC に対する治療法には、手術療法、放射線療法、化学療法があります11。また、転移性またはステージIVのMCC に対しては一般に緩和ケアの適応となります。

アベルマブについて

アベルマブ(MSB0010718C)は、現在開発中の完全ヒト型抗PD-L1 IgG1 モノクローナル抗体(fully human anti-PD-L1 IgG1 monoclonal antibody)です。PD-L1の作用を抑制することにより、T細胞と適応免疫系を活性化すると考えられています。アベルマブは、抗体中のFc領域を改変していないため、自然免疫系に作用することにより、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)を誘発すると考えられています。2014年11月、メルクとファイザーは、アベルマブを共同開発し、製品化する戦略的提携の締結を発表しました。JAVELIN Merkel 200試験において、疲労や、注入に伴う反応を含む薬剤関連有害事象(AEs)は、88例中62例(70%)で認められました。グレード3の有害事象は88例中4例で5件報告され、うち患者2名にリンパ球減少が、3名に単独の臨床所見異常(クレアチンホスホキナーゼの血中濃度上昇、血中コレステロール値上昇、肝臓のアミノ基転移酵素の検査値上昇)が認められました1。グレード4の薬剤関連有害事象または死亡例はありませんでした1。有害事象による治療の中止は、貧血、下痢、ALT値の上昇(各1名ずつ)による一時的な中止の他は、ありませんでした1

メルクとファイザーの提携について

腫瘍免疫分野は両社にとって最も重要な領域です。グローバル戦略提携によって両社は強みと能力を互いに享受しあい、抗PD-L1抗体薬 アベルマブに対するさらなる有効性の探索が可能になります。同薬は当初メルクが見出し、開発してきました。この腫瘍免疫領域における両社の提携により、アベルマブの開発、製品化、さらにはファイザーの抗PD-1抗体薬の開発が進められていきます。両社はこの提携を通じ、単剤または併用療法としてのアベルマブの研究に向けて優先度の高い国際的な臨床試験プログラムの開発に注力し、がんの新たな治療法の発見に取り組んでいます。

References

  1. 1. Kaufman HL et al. Avelumab in patients with chemotherapy-refractory metastatic Merkel cell carcinoma: a multicentre, single-group, open-label, phase 2 trial. Lancet Oncology 2016;17(10);1374–85.
  2. 2. IMMOMEC (European Commission). Merkel Cell Carcinoma. http://www.immomec.eu/project/objectives/background/merkel-cell-carcinoma/. Last accessed October 2016.
  3. 3. Lemos B, et al. Pathologic nodal evaluation improves prognostic accuracy in Merkel cell carcinoma: Analysis of 5,823 cases as the basis of the first consensus staging system for this cancer. Journal of the American Academy of Dermatology 2010;63:751–761.
  4. 4. European Medicines Agency. Orphan designation. http://www.ema.europa.eu/ema/index.jsp?curl=pages/regulation/general/general_content_000029.jsp. Last accessed October 2016.
  5. 5. National Cancer Institute. Merkel cell carcinoma treatment–patient version (PDQ®). http://www.cancer.gov/types/skin/patient/merkel-cell-treatment-pdq. Last accessed October 2016.
  6. 6. American Cancer Society. What is Merkel cell carcinoma? http://www.cancer.org/cancer/skincancer-merkelcell/detailedguide/skin-cancer-merkel-cell-carcinoma-what-is-merkel-cell-carcinoma. Last accessed October 2016.
  7. 7. Desch L and Kuntsfeld R. Merkel cell carcinoma: chemotherapy and emerging new therapeutic options. Journal of Skin Cancer. 2013(2013):327150. http://dx.doi.org/10.1155/2013/327150
  8. 8. Heath M, Jaimes N and Lemos B. Clinical characteristics of Merkel cell carcinoma at diagnosis in 195 patients: the AEIOU features. Journal of the American Academy of Dermatology. 2008;58:375–81. http://www.pnlab.org/clinical/documents/ClinCharacteristics.pdf
  9. 9. Poulsen M. Merkel cell carcinoma of skin: diagnosis and management strategies. Drugs Aging. 2005;22(3):219–29.
  10. 10.Swann MH and Yoon J. Merkel cell carcinoma. Seminars in Oncology. 2008;34(1):51–56.
  11. 11.NCCN Merkel Cell Carcinoma Guidelines version I. 2017. www.nccn.org/professionals/physician_gls/PDF/mcc.pdf. Last accessed October 2016.

メルクについて

Merck(メルク)はヘルスケア、ライフサイエンス、パフォーマンスマテリアルズの分野における世界有数のサイエンスとテクノロジーのリーディングカンパニーです。がんや多発性硬化症を治療するためのバイオ医薬品療法から、科学研究と生産に関する最先端システム、スマートフォンや液晶テレビ向けの液晶材料にいたるまで、約5万人の従業員が人々の暮らしをより良くする技術の一層の進歩を目指しています。2015年は66カ国で128億5千万ユーロの売上高を計上しました。

メルクは1668 年に創業された世界で最も長い歴史を有する医薬・化学品会社で、現在も上場企業が率いるグループの株式の過半数を創業家で保有しています。メルクの名称およびブランドのグローバルな権利は、ドイツのダルムシュタットに本社を置くメルクが保有しています。唯一の例外は米国とカナダで、両国ではEMDセローノ、ミリポアシグマ、EMDパフォーマンスマテリアルズとして事業を行っています。

メルクセローノ株式会社について

メルクセローノ株式会社は、ドイツ・ダルムシュタットに本社を置くメルクのバイオファーマ・ビジネスの日本法人で、2007年10月1日に発足し、がん及び不妊治療領域を重点領域としています。
メルクセローノ株式会社の詳細については www.merckserono.co.jpをご覧ください。

ファイザーオンコロジーについて

ファイザーオンコロジーは、がんとともに生きる患者さんに意義のある影響をもたらす革新的な治療薬を追求しています。オンコロジー領域におけるリーダーとして、画期的かつアクセス可能な治療薬を迅速にお届けし、がん患者さんの生活に変革をもたらすべく取り組んでいます。業界屈指の、生物学的製剤、低分子、免疫療法からなる豊富な開発パイプラインを有し、優れた革新的医薬品を探索し、多様ながんに臨床応用することに注力して研究を進めています。オンコロジー領域において重要なことは、医薬品の製造だけでなく、緊密なパートナーシップにより患者さんの生活改善を目指すこと。学会、研究者、共同研究グループ、政府、提携先などと協力しながら、革新的医薬品によるがんの治癒、あるいは、コントロールにまい進していきます。詳しくはwww.pfizer.comをご覧ください。

ファイザーについて:より健康な世界の実現のために

ファイザーはサイエンスとグローバルなリソースを活用し、皆様が健康で長生きし、生活を大きく改善するための治療薬をお届けしています。私たちは、ヘルスケア製品の探索・開発・製造におけるクオリティ・安全性・価値の基準設定をリードしていくことを目指しています。当社のグローバルなポートフォリオには、医薬品とワクチンに加え、世界的に著名なコンシューマー・ヘルスケア製品が含まれています。ファイザーの社員は先進国および新興市場で、今、この時代に最も恐れられている疾患の予防・治療・治癒に役立つ製品を通じて健康に貢献しています。卓越した革新的医薬品企業の責務として、優れた医薬品を誰もが容易に入手できるように、ファイザーは世界中の医療従事者、政府、地域社会と協力しています。私たちに信頼を寄せてくださる皆様のため、150年以上にわたり前進を続けてきました。詳細は当社のウエブサイト(www.pfizer.com)をご覧ください。また、ファイザー株式会社(日本法人)の取り組みは、下記ホームページよりご覧いただけます。 www.pfizer.co.jp

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