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米国食品医薬品局、転移性メルケル細胞がん治療薬として
アベルマブの承認申請を受理し優先審査品目に指定
・開発中の抗PD-L1 IgG1抗体アベルマブは、初の転移性メルケル細胞がん治療薬となる見込みです。 ・アベルマブはこれまでに、転移性メルケル細胞がん治療薬としてブレークスルー・セラピー(画期的治療薬)指定、ファストトラック(優先承認審査)指定、および希少疾病医薬品指定を米国食品医薬品局から受けています。

報道関係各位

2016年12月9日
ファイザー株式会社
メルクセローノ株式会社

この資料は、2016年11月29日に独・メルクおよび米・ファイザーが発表した英語版プレスリリースの翻訳で、参考資料として提供するものです。正式言語は英語であり、その内容及び解釈については英語が優先します。 英語版は http://www.merckgroup.comまたはhttp://www.pfizer.comをご参照ください。

JAVELIN Merkel 200試験には、日本も参加しております。日本における承認申請時期は未定です。

2016年11月29日、ドイツ・ダルムシュタットおよび米国・ニューヨーク発–独メルク社(以下、メルク)と米ファイザー社(以下、ファイザー)は本日、米国およびカナダにおけるメルク社のバイオファーマ部門、EMDセローノが提出したアベルマブの生物学的製剤承認申請(Biologic License Application: BLA)を米国食品医薬品局(以下、FDA)が受理し、優先審査品目に指定したと発表しました。これは、JAVELIN Merkel 200試験で示された抗腫瘍効果に基づき、転移性メルケル細胞がん(以下、メルケル細胞がんを「MCC」と略記)を予定適応症としたBLAの審査に関するものです。アベルマブは開発中の完全ヒト型抗PD-L1 IgG1 モノクローナル抗体であり、転移性MCCを適応症とする米国で初の治療薬となる見込みです。MCCは、米国において年間約2,500人が羅患する悪性度の高い希少皮膚がんです1,2

メルクのエグゼクティブ・ヴァイス・プレジデントでバイオファーマ・ビジネス研究開発部門のグローバル責任者であるLuciano Rossetti (M.D.)は次のように述べています。「FDAがアベルマブを優先審査品目に指定したことを嬉しく思っています。現在までのところ、転移性MCCに対して承認された治療薬はありません。私たちは、悪性度の高いがんである転移性MCCに苦しむ患者さんに、初のがん免疫治療薬をお届けすべく、FDAと協力してまいります。」

転移性MCCを対象とするアベルマブのBLAは、少なくとも1種類の化学療法を行った後に進行した転移性MCC患者さん88例を対象とした、単群の多施設共同第Ⅱ相非盲検試験「JAVELIN Merkel 200」の結果に基づいています1。JAVELIN Merkel 200試験は、すべての抗PD-L1/PD-1抗体のなかで、転移性MCCを対象とした最大規模の臨床試験です。この試験結果は、2016年6月の米国臨床腫瘍学会(ASCO)で公表され、研究論文として2016年10月の『Lancet Oncology』に掲載されました1

ファイザーのグローバル製品開発部門の腫瘍免疫、早期開発およびトランスレーショナル・オンコロジー領域担当シニア・ヴァイス・プレジデントChris Boshoff (M.D. Ph.D.) は次のように述べています。「転移性MCCは悪性度が高く予後不良のがんで、5年生存率は20%未満です。今回の第Ⅱ相試験の結果は期待が持てるものであり、アベルマブはこの難治性の皮膚がんと闘う患者さんにとって重要な治療選択肢となる可能性を持つと確信しています。」

FDAの優先審査は、治療体系に著しい進歩をもたらす可能性のある医薬品、または適正な治療法が確立されていない疾病に対する新たな治療法となり得る医薬品に対して行われ、審査期間が通常受理後10カ月のところ、6カ月を目標に短縮されます。これまでに、アベルマブはFDAからMCCに対する希少疾病医薬品の指定、並びに少なくとも1種類の化学療法を行った後に進行した転移性MCCの治療薬としてのファストトラック(優先承認審査)およびブレークスルー・セラピー(画期的治療薬)の指定を受けています。ブレークスルー・セラピー指定は、重篤または生命に関わる疾病の治療薬を迅速に開発・審査することを目的としており、1つもしくはそれ以上のエンドポイントに対して既存の治療法を上回る大幅な改善が見られる可能性があることが要件として挙げられています3。また、欧州医薬品庁(EMA)も、メルクが提出した転移性MCCを予定適応症とするアベルマブの販売承認申請(MAA)の審査を開始しています。

アベルマブの臨床開発プログラム「JAVELIN」は、少なくとも30以上の臨床プログラムから成り、15以上の異なるがん種について評価された患者数は3,000人を超えています。がん種としては、転移性MCCの他、乳がん、胃/胃食道接合部がん、頭頸部がん、ホジキンリンパ腫、悪性黒色腫、悪性中皮腫、非小細胞肺がん、卵巣がん、腎細胞がん、尿路上皮がん(膀胱がんを原発とする)などが挙げられます。

* アベルマブはいかなる市場におけるいかなる適応についても承認を取得していません。開発中のアベルマブが米国FDAから申請を受理されたのは今回が初めてです。

転移性メルケル細胞がん (MCC)について

転移性MCCは、神経終末部近くの皮膚最表層にできるがん細胞に由来する1,5、希少かつ進行性の疾患です。MCCは、皮膚の神経内分泌腫瘍または索状がんとも呼ばれ、頭頸部、腕といった、日光にさらされることが多い部位の皮膚に発生します6。MCCのリスク因子として、日光へのばく露、免疫系の弱体化(臓器移植を受けたことがある患者、HIV/エイズ患者、慢性リンパ性白血病など他のがん患者)などが挙げられます。50歳以上の白人男性では、そのリスクが上昇します5。MCCはしばしば他の皮膚がんと誤診され、また、慢性的な日光による障害を受けた皮膚では指数関数的な速度で成長します7‐10。現在のMCCに対する治療法には、手術療法、放射線療法、化学療法があります11。また、転移性またはステージIVのMCCに対しては一般に緩和ケアの適応となります。

アベルマブについて

アベルマブ(MSB0010718C)は、現在開発中の完全ヒト型抗PD-L1 IgG1 モノクローナル抗体(fully human anti-PD-L1 IgG1 monoclonal antibody)です。PD-L1の作用を抑制することにより、T細胞と適応免疫系を活性化すると考えられています。アベルマブは、抗体中のFc領域を改変していないため、自然免疫系に作用することにより、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)を誘発すると考えられています。2014年11月、メルクとファイザーは、アベルマブを共同開発し、製品化する戦略的提携の締結を発表しました。JAVELIN Merkel 200試験において、疲労や、注入に伴う反応を含む薬剤関連有害事象(AEs)は、88例中62例(70%)で認められました。グレード3の有害事象は88例中4例で5件報告され、うち患者2名にリンパ球減少が、3名に単独の臨床所見異常(クレアチンホスホキナーゼの血中濃度上昇、血中コレステロール値上昇、肝臓のアミノ基転移酵素の検査値上昇)が認められました1。グレード4の薬剤関連有害事象または死亡例はありませんでした1

メルクとファイザーの提携について

腫瘍免疫分野は両社にとって最も重要な領域です。グローバル戦略提携によって両社は強みと能力を互いに享受しあい、抗PD-L1抗体薬 アベルマブに対するさらなる有効性の探索が可能になります。同薬は当初メルクが見出し、開発してきました。この腫瘍免疫領域における両社の提携により、アベルマブの開発、製品化、さらにはファイザーの抗PD-1抗体薬の開発が進められていきます。両社はこの提携を通じ、単剤または併用療法としてのアベルマブの研究に向けて優先度の高い国際的な臨床試験プログラムの開発に注力し、がんの新たな治療法の発見に取り組んでいます。

References

  1. 1. Kaufman HL, et al. Avelumab in patients with chemotherapy-refractory metastatic Merkel cell carcinoma: a multicentre, single-group, open-label, phase 2 trial. Lancet Oncology.
    2016;17(10);1374–85.
  2. 2. Fitzgerald T et al. Dramatic increase in the incidence and mortality from Merkel cell carcinoma in the United States. The American Journal of Surgery. 2015;81(8):802-6.
  3. 3. FDA. Priority Review. http://www.fda.gov/ForPatients/Approvals/Fast/ucm405405.htm. Last accessed October 2016.
  4. 4. National Cancer Institute. Merkel cell carcinoma treatment–patient version (PDQ®).
    http://www.cancer.gov/types/skin/patient/merkel-cell-treatment-pdq. Last accessed October 2016.
  5. 5. American Cancer Society. What is Merkel cell carcinoma?
    http://www.cancer.org/cancer/skincancer-merkelcell/detailedguide/skin-cancer-merkel-cell-carcinoma-what-is-merkel-cell-carcinoma. Last accessed October 2016.
  6. 6. Desch L and Kuntsfeld R. Merkel cell carcinoma: chemotherapy and emerging new therapeutic options. Journal of Skin Cancer. 2013(2013):327150.
  7. 7. Heath M, Jaimes N and Lemos B. Clinical characteristics of Merkel cell carcinoma at diagnosis in 195 patients: the AEIOU features. Journal of the American Academy of Dermatology.
    2008;58:375–81.
  8. 8. Poulsen M. Merkel cell carcinoma of skin: diagnosis and management strategies. Drugs Aging.
    2005;22(3):219–29.
  9. 9. Swann MH and Yoon J. Merkel cell carcinoma. Seminars in Oncology. 2008;34(1):51–56.
  10. 10. NCCN Merkel Cell Carcinoma Guidelines version I. 2017.
    www.nccn.org/professionals/physician_gls/PDF/mcc.pdf. Last accessed October 2016.

メルクについて

Merck(メルク)はヘルスケア、ライフサイエンス、パフォーマンスマテリアルズの分野における世界有数のサイエンスとテクノロジーのリーディングカンパニーです。がんや多発性硬化症を治療するためのバイオ医薬品療法から、科学研究と生産に関する最先端システム、スマートフォンや液晶テレビ向けの液晶材料にいたるまで、約5万人の従業員が人々の暮らしをより良くする技術の一層の進歩を目指しています。2015年は66カ国で128億5千万ユーロの売上高を計上しました。
メルクは1668 年に創業された世界で最も長い歴史を有する医薬・化学品会社で、現在も上場企業が率いるグループの株式の過半数を創業家で保有しています。メルクの名称およびブランドのグローバルな権利は、ドイツのダルムシュタットに本社を置くメルクが保有しています。唯一の例外は米国とカナダで、両国ではEMDセローノ、ミリポアシグマ、EMDパフォーマンスマテリアルズとして事業を行っています。

EMDセローノについて

EMD Serono(イー・エム・ディー・セローノ)は、米国およびカナダにおけるメルクのバイオファーマ部門です。スペシャリティケアに特化したサイエンスとテクノロジーのリーディングカンパニーであり、40年以上にわたって、最先端の科学技術や革新的な製品を有し、患者サポートやアクセスプログラムにおいて業界を牽引してきました。EMDセローノは、神経変性疾患、不妊治療、内分泌代謝に関する深い専門知識を備え、がん、腫瘍免疫、免疫学といった研究開発の重点領域において有望なパイプラインを擁しています。現在、米国マサチューセッツ州を拠点とし、営業、臨床、研究の各分野において、米国各地に1,200人の社員を抱えています。 www.emdserono.com

メルクセローノ株式会社について

メルクセローノ株式会社は、ドイツ・ダルムシュタットに本社を置くメルクのバイオファーマ・ビジネスの日本法人で、2007年10月1日に発足し、がん及び不妊治療領域を重点領域としています。
メルクセローノ株式会社の詳細については www.merckserono.co.jpをご覧ください。

ファイザーオンコロジーについて

ファイザーオンコロジーは、がんとともに生きる患者さんに意義のある影響をもたらす革新的な治療薬を追求しています。オンコロジー領域におけるリーダーとして、画期的かつアクセス可能な治療薬を迅速にお届けし、がん患者さんの生活に変革をもたらすべく取り組んでいます。業界屈指の、生物学的製剤、低分子、免疫療法からなる豊富な開発パイプラインを有し、優れた革新的医薬品を探索し、多様ながんに臨床応用することに注力して研究を進めています。オンコロジー領域において重要なことは、医薬品の製造だけでなく、緊密なパートナーシップにより患者さんの生活改善を目指すこと。学会、研究者、共同研究グループ、政府、提携先などと協力しながら、革新的医薬品によるがんの治癒、あるいは、コントロールにまい進していきます。詳しくはwww.pfizer.comをご覧ください。

ファイザーについて:より健康な世界の実現のために

ファイザーはサイエンスとグローバルなリソースを活用し、皆様が健康で長生きし、生活を大きく改善するための治療薬をお届けしています。私たちは、ヘルスケア製品の探索・開発・製造におけるクオリティ・安全性・価値の基準設定をリードしていくことを目指しています。当社のグローバルなポートフォリオには、医薬品とワクチンに加え、世界的に著名なコンシューマー・ヘルスケア製品が含まれています。ファイザーの社員は先進国および新興市場で、今、この時代に最も恐れられている疾患の予防・治療・治癒に役立つ製品を通じて健康に貢献しています。卓越した革新的医薬品企業の責務として、優れた医薬品を誰もが容易に入手できるように、ファイザーは世界中の医療従事者、政府、地域社会と協力しています。私たちに信頼を寄せてくださる皆様のため、150年以上にわたり前進を続けてきました。詳細は当社のウエブサイト(www.pfizer.com)をご覧ください。また、ファイザー株式会社(日本法人)の取り組みは、下記ホームページよりご覧いただけます。www.pfizer.co.jp

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