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本邦初となるメルケル細胞がん治療薬として抗PD-L1抗体アベルマブの製造販売承認を申請

報道関係各位

2017年3月7日
ファイザー株式会社
メルクセローノ株式会社

メルクセローノ株式会社(本社:東京都目黒区、代表取締役社長:レオ・リー)は、2017年3月7日、ファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:梅田一郎)と共同開発を行っている抗PD-L1抗体「アベルマブ(遺伝子組換え)」(以下、アベルマブ)について、「根治切除不能なメルケル細胞癌」の効能・効果で厚生労働省に製造販売承認申請を行いました。
アベルマブは開発中の完全ヒト型抗PD-L1抗体であり、2016年12月に、メルケル細胞癌に対して希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を厚生労働省から受けました*

メルケル細胞がんは、治療選択肢が限られている悪性度の高い皮膚がんの一種で、日本における患者数は100人に満たないと推定される希少ながんです1,2

【山﨑直也先生(国立研究開発法人国立がん研究センター 皮膚腫瘍科長、JAVELIN Merkel 200試験の治験責任医師)からのメッセージ】

「メルケル細胞がんは、非常に進行が早く予後が良くないがんでありながら、現在までに承認された治療薬がなく、有効な治療法が望まれていました。欧州、米国に続いて、アベルマブが日本で承認申請にいたったことは、メルケル細胞がんで苦しむ患者さんやご家族にとって大変大きな一歩となります。この薬剤が評価・承認され、近い将来、新たな治療選択肢が提供されることを期待します」

【松下信利(メルクセローノ株式会社 研究開発本部長 北東アジアハブ サイトヘッド)のコメント】

「アベルマブについて、日本で最初の製造販売承認申請を行うことができ、たいへん嬉しく思っています。メルケル細胞がんは悪性度が高く予後不良のがんです3。私たちは、本疾患に苦しむ患者さんにがん免疫治療薬という治療選択肢をお届けすることができるよう、引き続き尽力してまいります」

【マリエピエール・ガスティノー(ファイザー株式会社 取締役 執行役員 医薬開発部門長)のコメント】

「日本でもアベルマブの申請にいたったことは、この難治性の皮膚がんと闘う日本の患者さんにとって非常に重要なステップと考えています。私たちは今後も、日本のがん患者さんに向けた革新的な薬剤の開発を進めてまいります」

 

このたびの承認申請およびオーファン指定は、少なくとも1種類の化学療法を行った後に進行した転移性メルケル細胞がん患者さん88例を対象とした、単一群の多施設共同第Ⅱ相非盲検試験「JAVELIN Merkel 200」の結果に基づいています3。本試験には日本も参加しております。

JAVELIN Merkel 200試験は、化学療法後に進行した転移性メルケル細胞がん患者88例を対象に行われました。事前に規定した一次解析により、二次治療もしくはそれ以降の治療としてアベルマブの投与を受けたメルケル細胞がん患者さんにおいて、31.8%の奏効率(ORR)(88例中28例、95.9% CI: 21.9-43.1%)が認められました3

安全性に関し、疲労や、注射に伴う反応を含む薬剤関連有害事象は、88例中62例(70%)で認められました3。グレード3の有害事象は88例中4例で5件報告され、うち患者2名にリンパ球減少が、3名に単独の臨床所見異常(クレアチンホスホキナーゼの血中濃度上昇、血中コレステロール値上昇、肝臓のアミノ基転移酵素の検査値上昇)が認められました3。グレード4の薬剤関連有害事象または死亡例はありませんでした3

JAVELIN Merkel 200試験は、すべての抗PD-L1/PD-1抗体の中で、転移性メルケル細胞がんを対象とした最大規模の臨床試験です。この試験結果は、2016年6月の米国臨床腫瘍学会(ASCO)で公表され、研究論文として2016年10月発行の『Lancet Oncology』に掲載されました3

なお、欧州医薬品庁(EMA)は、2016年10月、転移性メルケル細胞がんを予定適応症とするアベルマブに対しての、メルクの販売承認申請の審査を開始しています。また、米国食品医薬品局(FDA)も、2016年11月、アベルマブの生物学的製剤承認申請を受理し、FDAの優先承認審査品目に指定して審査しています。

* アベルマブは世界中いずれの国・地域において、現時点でいかなる適応についても承認を取得していません。

参考資料

メルケル細胞がん (MCC)について

MCC は、神経終末部近くの皮膚最表層にできるがん細胞に由来する3,4、希少かつ進行性の疾患です。MCC は、皮膚の神経内分泌腫瘍または索状がんとも呼ばれ、頭頸部、腕といった、日光にさらされることが多い部位の皮膚に発生します5。MCC のリスク因子として、日光へのばく露、免疫系の弱体化(臓器移植を受けたことがある患者、HIV/エイズ患者、慢性リンパ性白血病など他のがん患者)などが挙げられます。50 歳以上の白人男性では、そのリスクが上昇します5。MCC はしばしば他の皮膚がんと誤診され、また、慢性的な日光による障害を受けた皮膚では指数関数的な速度で成長します6‐9。現在のMCC に対する治療法には、手術療法、放射線療法、化学療法があります10。また、転移性またはステージIV のMCC に対しては一般に緩和ケアの適応となります。

アベルマブについて

アベルマブ(MSB0010718C)は、現在開発中の完全ヒト型抗PD-L1抗体(fully human anti-PD-L1 antibody)です。PD-L1の作用を抑制することにより、T細胞と適応免疫系を活性化すると考えられています。アベルマブは、抗体中のFc領域を改変していないため、自然免疫系に作用することにより、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)を誘発すると考えられています。

アベルマブの臨床開発プログラム「JAVELIN」について

少なくとも30以上の臨床プログラムから成り、15以上の異なるがん種について評価された患者数は国外を含め4,000人を超えています。がん種としては、転移性MCCの他、乳がん、胃/胃食道接合部がん、頭頸部がん、ホジキンリンパ腫、悪性黒色腫、悪性中皮腫、非小細胞肺がん、卵巣がん、腎細胞がん、尿路上皮がん(膀胱がんを原発とする)などが挙げられます。

メルクとファイザーの提携について

2014年11月、メルクとファイザーは、アベルマブを共同開発し、製品化する戦略的提携の締結を発表しました。
腫瘍免疫分野は両社にとって最も重要な領域です。グローバル戦略提携によって両社は強みと能力を互いに享受しあい、抗PD-L1抗体薬 アベルマブに対するさらなる有効性の探索が可能になります。同薬は当初メルクが見出し、開発してきました。この腫瘍免疫領域における両社の提携により、アベルマブの開発、製品化、さらにはファイザーの抗PD-1抗体薬の開発が進められていきます。両社はこの提携を通じ、単剤または併用療法としてのアベルマブの研究に向けて優先度の高い国際的な臨床試験プログラムの開発に注力し、がんの新たな治療法の発見に取り組んでいます。

希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)について

「医薬品医療機器法第77条の2に基づき、対象患者数が日本において5万人未満であること、医療上特にその必要性が高いものなどの条件に合致するものとして、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて厚生労働大臣が指定するもの」11です。

<出典>

  1. 1. Ishihara K, et al., Statistical profiles of malignant melanoma and other skin cancers in Japan: 2007 update. Int J Clin Oncol 2008;13(1): 33-41.
  2. 2. 厚生労働省大臣官房統計情報部、2014年閲覧第96表総患者数、疾病基本分類別 https://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/eStatTopPortal.do
  3. 3. Kaufman HL, et al. Avelumab in patients with chemotherapy-refractory metastatic Merkel cell carcinoma: a multicentre, single-group, open-label, phase 2 trial. Lancet Oncology.
    2016;17(10);1374–85.
  4. 4. National Cancer Institute. Merkel cell carcinoma treatment–patient version (PDQ®).
    http://www.cancer.gov/types/skin/patient/merkel-cell-treatment-pdq. Last accessed October 2016.
  5. 5. American Cancer Society. What is Merkel cell carcinoma?
    http://www.cancer.org/cancer/skincancer-merkelcell/detailedguide/skin-cancer-merkel-cell-carcinoma-what-is-merkel-cell-carcinoma. Last accessed October 2016.
  6. 6. Desch L and Kuntsfeld R. Merkel cell carcinoma: chemotherapy and emerging new therapeutic options. Journal of Skin Cancer. 2013(2013):327150.
  7. 7. Heath M, Jaimes N and Lemos B. Clinical characteristics of Merkel cell carcinoma at diagnosis in 195 patients: the AEIOU features. Journal of the American Academy of Dermatology. 2008;58:375–81.
  8. 8. Poulsen M. Merkel cell carcinoma of skin: diagnosis and management strategies. Drugs Aging. 2005;22(3):219–29.
  9. 9. Swann MH and Yoon J. Merkel cell carcinoma. Seminars in Oncology. 2008;34(1):51–56.
  10. 10. NCCN Merkel Cell Carcinoma Guidelines version I. 2017.
    www.nccn.org/professionals/physician_gls/PDF/mcc.pdf. Last accessed October 2016.
  11. 11. 厚生労働省ホームページ「希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器・希少疾病用再生医療等製品の指定制度の概要」
    http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000068484.html

メルクについて

Merck(メルク)はヘルスケア、ライフサイエンス、パフォーマンスマテリアルズの分野における世界有数のサイエンスとテクノロジーのリーディングカンパニーです。がんや多発性硬化症を治療するためのバイオ医薬品療法から、科学研究と生産に関する最先端システム、スマートフォンや液晶テレビ向けの液晶材料にいたるまで、約5万人の従業員が人々の暮らしをより良くする技術の一層の進歩を目指しています。2015年は66カ国で128億5千万ユーロの売上高を計上しました。
メルクは1668 年に創業された世界で最も長い歴史を有する医薬・化学品会社で、現在も上場企業が率いるグループの株式の過半数を創業家で保有しています。メルクの名称およびブランドのグローバルな権利は、ドイツのダルムシュタットに本社を置くメルクが保有しています。唯一の例外は米国とカナダで、両国ではEMDセローノ、ミリポアシグマ、EMDパフォーマンスマテリアルズとして事業を行っています。

メルクセローノ株式会社について

メルクセローノ株式会社は、ドイツ・ダルムシュタットに本社を置くメルクのバイオファーマ・ビジネスの日本法人で、2007年10月1日に発足し、がん及び不妊治療領域を重点領域としています。
メルクセローノ株式会社の詳細については www.merckserono.co.jpをご覧ください。

ファイザーオンコロジーについて

ファイザーオンコロジーは、がんとともに生きる患者さんに意義のある影響をもたらす革新的な治療薬を追求しています。オンコロジー領域におけるリーダーとして、画期的かつアクセス可能な治療薬を迅速にお届けし、がん患者さんの生活に変革をもたらすべく取り組んでいます。業界屈指の、生物学的製剤、低分子、免疫療法からなる豊富な開発パイプラインを有し、優れた革新的医薬品を探索し、多様ながんに臨床応用することに注力して研究を進めています。オンコロジー領域において重要なことは、医薬品の製造だけでなく、緊密なパートナーシップにより患者さんの生活改善を目指すこと。学会、研究者、共同研究グループ、政府、提携先などと協力しながら、革新的医薬品によるがんの治癒、あるいは、コントロールにまい進していきます。詳しくはwww.pfizer.comをご覧ください。

ファイザーについて:より健康な世界の実現のために

ファイザーはサイエンスとグローバルなリソースを活用し、皆様が健康で長生きし、生活を大きく改善するための治療薬をお届けしています。私たちは、ヘルスケア製品の探索・開発・製造におけるクオリティ・安全性・価値の基準設定をリードしていくことを目指しています。当社のグローバルなポートフォリオには、医薬品とワクチンに加え、世界的に著名なコンシューマー・ヘルスケア製品が含まれています。ファイザーの社員は先進国および新興市場で、今、この時代に最も恐れられている疾患の予防・治療・治癒に役立つ製品を通じて健康に貢献しています。卓越した革新的医薬品企業の責務として、優れた医薬品を誰もが容易に入手できるように、ファイザーは世界中の医療従事者、政府、地域社会と協力しています。私たちに信頼を寄せてくださる皆様のため、150年以上にわたり前進を続けてきました。詳細は当社のウエブサイト(www.pfizer.com)をご覧ください。また、ファイザー株式会社(日本法人)の取り組みは、下記ホームページよりご覧いただけます。www.pfizer.co.jp

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