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急性リンパ性白血病治療薬として
イノツズマブ オゾガマイシン(遺伝子組換え)の製造販売承認を申請

報道関係各位

2017年4月27日
ファイザー株式会社

ファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:梅田一郎)は、2017年4月27日(木)、「再発又は難治性の前駆B細胞性急性リンパ性白血病」の効能・効果で、抗悪性腫瘍剤/抗腫瘍性抗生物質結合抗CD22モノクローナル抗体「イノツズマブ オゾガマイシン(遺伝子組換え)」(開発番号:PF-05208773 /CMC-544)の国内における製造販売承認を申請いたしました。

*以下、「急性リンパ性白血病」を「ALL」、「イノツズマブ オゾガマイシン(遺伝子組換え)」を「イノツズマブ オゾガマイシン」と略記

日本も参加した国際共同第Ⅲ相INO-VATE 1022試験、および外国第Ⅰ/Ⅱ相試験において、イノツズマブ オゾガマイシンのALLに対する臨床的に意義のある有効性と安全性が認められたことから、これらの結果を取りまとめ申請に至りました。
再発または難治性の前駆B細胞性ALLの成人患者さん326名が登録された、上述の国際共同第Ⅲ相INO-VATE 1022試験において、イノツズマブ オゾガマイシン群と標準化学療法群の比較が行われ、血液学的完全寛解率、無増悪生存期間(PFS)等の評価項目で、イノツズマブ オゾガマイシン群が標準化学療法群を上回ることが明らかになりました。なお、試験結果は、2016年6月に『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン』誌(NEJM)に掲載されました。

【取締役 医薬開発部門長 マリエピエール・ガスティノーより】

「再発または難治性のALLは、急速に悪化する致死的な疾患で、5年生存率は10%を下回り、治療は困難を極めていることから、新たな治療が強く望まれている領域です。
INO-VATE 1022試験では、イノツズマブ オゾガマイシンの投与を受けた患者さんにおいて、血液学的寛解率、微少残存病変(MRD)消失、PFS等の有効性に関して、非常に良い結果が得られました。
本日、日本においてもイノツズマブ オゾガマイシンを申請したことにより、ALLと闘う日本の患者さんに新たな治療選択肢をお届けできる可能性に向けて大きく前進したと考えています。
弊社は今後も、日本のがん患者さんに革新的な薬剤をできる限り早くお届けできるよう、鋭意開発に取り組んでまいります」

参考資料

急性リンパ性白血病(ALL)について

ALLは、成人の悪性白血病の一種で、予後は不良です1
米国のALLの年間罹患率は人口10万人あたり1.7例とされており(2008年から2012年のデータをもとに計算)、男性の罹患率は女性よりもわずかに高くなっています(男性:10万人あたり1.9例,女性:1.5例)2。2017年には、米国において5,970例がALLと診断されるものと推定されており、約5人に2人は成人です3。欧州の年間の粗罹患率は10万人あたり1.3例となっています4
日本におけるALLの患者数は2005年に約3,000例、2008年に約4,000例、2011年に約5,000例、2014年に約5,000例と報告されており、近年増加傾向にあります5
現在の標準治療は強力かつ長期的な化学療法です6。ALLと新たに診断された成人患者さんのおよそ20%から40%は、現在の治療レジメンによって治癒しますが7、再発または難治性の成人ALL患者さんの5年生存率は10%以下です8

ALLの症状や診断、治療法については、弊社がん患者さんとご家族向けのサイト「がんを学ぶ」の「急性リンパ性白血病を学ぶ」サイトでもわかりやすく解説しています。
http://ganclass.jp/kind/all/

イノツズマブ オゾガマイシンについて

イノツズマブ オゾガマイシンは、開発中の抗体-薬物複合体(ADC)であり、ほぼすべてのB細胞性ALLのがん細胞に発現する細胞表面抗原であるCD22を標的とするモノクローナル抗体(mAb)および細胞傷害性化合物で構成されています9。イノツズマブ オゾガマイシンがB細胞性悪性腫瘍のCD22抗原と結合すると、細胞内に取り込まれ、細胞障害性を有するカリケアマイシンが放出されて細胞を破壊します10
イノツズマブ オゾガマイシンは、ファイザー社とセルテック社(現UCB社)が協力して生み出したものです。ファイザー社は、本化合物の製造および臨床開発活動のすべてを単独で担っています。

INO-VATE 1022試験について

INO-VATE 1022試験は、再発または難治性のCD22陽性ALL成人患者さん326例を対象に、イノツズマブ オゾガマイシンの安全性と有効性を標準化学療法と比較して評価した、第Ⅲ相、非盲検、無作為化試験です。本試験では、2つの独立した主要評価項目[血球数の回復の有無を問わない血液学的完全寛解率および全生存期間(OS)]が設定されました。

<有効性>

血液学的完全寛解率は、イノツズマブ オゾガマイシン群は、標準化学療法群と比較して有意に良好なデータを示しました(80.7% [95%CI, 72.1%-87.7%] vs. 29.4% [95%CI, 21.0%-38.8%]、P<0.0001)。
OSについて、イノツズマブ オゾガマイシン群では、標準化学療法群と比較してOSを延長する傾向が認められましたが、統計的な有意差は認められませんでした(ハザード比(HR): 0.770 [97.5%CI, 0.578-1.026]、片側P=0.0203(中間解析を考慮した最終解析での有意水準 0.0104)、中央値7.7カ月[95%CI, 6.0-9.2] vs. 6.7カ月[95%CI, 4.9-8.3])。2年生存率は、イノツズマブ オゾガマイシン群では22.6%(95%CI, 15.8%-30.0%)、標準化学療法群では9.6%(95%CI, 4.8%-16.3%)でした。
また、イノツズマブ オゾガマイシン群は、標準化学療法群と比較してPFSを有意に延長しました[HR: 0.452 [97.5%CI, 0.336-0.609]、片側P<0.0001、中央値5.0カ月[95%CI, 3.7-5.6] vs. 1.8カ月[95%CI, 1.5-2.2]]。

血液学的完全寛解達成患者のMRD陰性率は、イノツズマブ オゾガマイシン群で78.4%(95%CI, 68.4%-86.5%)、標準化学療法群で28.1%(95%CI, 13.7%-46.7%)でした(片側P<0.0001)。血液学的完全寛解達成患者の寛解持続期間の中央値は、イノツズマブ オゾガマイシン群で5.4カ月(95%CI, 4.2-8.0)、標準化学療法群で3.5カ月(95%CI, 2.9-6.6)でした(HR: 0.502 [95%CI, 0.303-0.832] 片側P=0.0031)。造血幹細胞移植へ進んだ患者さんの割合は、イノツズマブ オゾガマイシン群の方が標準化学療法群よりも高いことが示されました(43.3% vs. 11.1%、P<0.0001)。

<安全性>

イノツズマブ オゾガマイシン群で最も多く認められた有害事象は血小板減少症(49.4%,標準化学療法群では60.8%)で、次いで好中球減少症(48.8%,標準化学療法群では46.2%)でした。その他の主な有害事象は、イノツズマブ オゾガマイシン群で、貧血(33.5%)、悪心(32.3%)、発熱(31.7%)であり、標準化学療法群で、貧血(55.2%)、発熱性好中球減少症(53.8%)、悪心(47.6%)、発熱(42.0%)、下痢(38.5%)、白血球減少症(37.8%)でした。

また、グレードを問わない静脈閉塞性肝疾患(VOD)の発現率は、イノツズマブ オゾガマイシン群の13.4%に対し、標準化学療法群では0.7%でした。イノツズマブ オゾガマイシン群では、治験薬投与期間中に5例でVODの発現が認められ、その後の造血幹細胞移植後に17例でVODの発現が認められました。標準化学療法群では、治験薬投与期間中のVOD発現は認められず、その後の造血肝細胞移植後に1例でVODの発現が認められました。

海外におけるイノツズマブ オゾガマイシンの開発状況について

イノツズマブ オゾガマイシンは、米国において2013年3月に、欧州において同年6月に、B細胞性ALLに対する希少疾病用医薬品の指定を受けました。
米国においては、2015年10月にブレークスルー・セラピー(画期的治療薬)指定を受け、2017年2月、ファイザー社は、米国食品医薬品局(FDA)が成人の再発または難治性の前駆B細胞性ALL治療薬としてイノツズマブ オゾガマイシンの承認申請を受理し、優先審査品目に指定したことを発表しました。「処方せん薬ユーザーフィー法」(PDUFA)に基づいたFDA承認の目標は2017年8月です。
欧州においても、現在、上記適応症を予定として承認審査中で、2017年4月、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)から肯定的見解を得ています。

<出典>
  1. 1. National Cancer Institute: Adult Acute Lymphoblastic Leukemia Treatment(PDQ®)- General Information About Adult Acute Lymphoblastic Leukemia (ALL). Available at: https://www.cancer.gov/types/leukemia/hp/adult-all-treatment-pdq#section/all (link is external). Accessed March 21, 2016.
  2. 2. Howlader N, Noone AM, Krapcho M, et al. SEER Cancer Statistics Review, 1975-2012: Introduction. National Cancer Institute. Bethesda, MD; Apr 2015:101 pages.
  3. 3. American Cancer Society: What are the key statistics about acute lymphocytic leukemia? Available at: https://www.cancer.org/cancer/acute-lymphocytic-leukemia/about/key-statistics.html (link is external). Accessed January 26, 2017.
  4. 4. Sant M, Allemani C, Tereanu C, et al. Incidence of hematologic malignancies in Europe by morphologic subtype: results of the HAEMACARE project. Blood 2010;116(19):3724-34.
  5. 5. 厚生労働省 患者調査:
    http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/NewList.do?tid=000001031167.
  6. 6. American Cancer Society: Typical treatment of acute lymphocytic leukemia. Available at: https://www.cancer.org/cancer/acute-lymphocytic-leukemia/treating/typical-treatment.html (link is external). Accessed March 21, 2016.
  7. 7. Manal Basyouni A. et al. Prognostic significance of survivin and tumor necrosis factor-alpha in adult acute lymphoblastic leukemia. doi:10.1016/j.clinbiochem.2011.08.1147.
  8. 8. Fielding A. et al. Outcome of 609 adults after relapse of acute lymphoblastic leukemia (ALL); an MRC UKALL12/ECOG 2993 study. Blood. 2006; 944-950.
  9. 9. Leonard J et al. Epratuzumab, a Humanized Anti-CD22 Antibody, in Aggressive Non-Hodgkin’s Lymphoma: a Phase I/II Clinical Trial Results. Clinical Cancer Research. 2004; 10: 5327-5334.
  10. 10. DiJoseph JF. Antitumor Efficacy of a Combination of CMC-544 (Inotuzumab Ozogamicin), a CD22-Targeted Cytotoxic Immunoconjugate of Calicheamicin, and Rituximab against Non-Hodgkin’s B-Cell Lymphoma. Clin Cancer Res. 2006; 12: 242-250.

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