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本邦初の抗PD-L1抗体薬「バベンチオ®」製造販売承認を取得
~メルケル細胞がんに対する本邦初かつ唯一の治療薬~

報道関係各位

2017年9月27日
ファイザー株式会社
メルクセローノ株式会社

メルクセローノ株式会社(以下、メルク;本社:東京都目黒区、代表取締役社長:レオ・リー)とファイザー株式会社(以下、ファイザー;本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:梅田一郎)は、2017年9月27日、両社が共同開発を行っている抗PD-L1抗体「バベンチオ®点滴静注200mg」(一般名:アベルマブ(遺伝子組換え)、以下、バベンチオ)について、「根治切除不能なメルケル細胞癌」の効能・効果で厚生労働省よりメルクが製造販売承認を取得したことをお知らせいたします。

メルケル細胞がん(以下、MCC)は、治療選択肢が限られている悪性度の高い皮膚がんの一種で、日本における患者数は100人に満たないと推定される希少ながんです1,2。非常に進行が早く、予後が良くないがんであり、有効な治療法の開発が期待されていました。

バベンチオは、MCCに対する日本で初めて承認された唯一の治療薬であり、日本初のヒト型抗PD-L1抗体薬でもあります。2016年12月に、MCCに対して希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を厚生労働省から受けています。同オーファン指定およびこの度の承認取得は、日本も参加した転移性MCC患者さんを対象とした多施設共同第Ⅱ相非盲検試験「JAVELIN Merkel 200」の結果に基づいています3。国外では2017年3月に、米国食品医薬品局(以下、FDA)が転移性MCCの初の治療薬として、5月に進行性尿路上皮がん(以下、UC)治療薬として承認しています。また、9月には、スイス医薬品局(Swissmedic)が化学療法後に進行した転移性MCC治療薬として、欧州委員会(以下、EC)が成人の転移性MCCに対する治療薬として、バベンチオを承認しています。

【山﨑直也先生(国立研究開発法人国立がん研究センター 中央病院 皮膚腫瘍科長、JAVELIN Merkel 200試験の国内治験責任医師)からのメッセージ】

「MCCは、非常に進行が早く予後が良くないがんでありながら、これまで承認された治療薬がなく、有効な治療法の開発が望まれていました。米国と欧州に続いて、アベルマブが日本で承認取得にいたったことは、MCCで苦しむ患者さんやご家族にとって大変大きな一歩となります。この薬剤の承認により、新たな治療選択肢が提供されることになります」

【松下信利(メルクセローノ株式会社 取締役 研究開発本部長 北東アジアハブ サイトヘッド)のコメント】

「バベンチオに対する日本で最初の製造販売の承認が取得でき、たいへん嬉しく思っています。MCCは悪性度が高く、予後が良くないがんです。私たちは、この度の承認に続いて、今後も様々ながん種について、がんに苦しむ患者さんにがん免疫治療薬という治療選択肢をお届けすべく、引き続き尽力してまいります」

【マリエピエール・ガスティノー(ファイザー株式会社 取締役 執行役員 医薬開発部門長)のコメント】

「日本でもバベンチオが承認され、この難治性の皮膚がんと闘う日本の患者さんに朗報がもたらされたことを光栄に思います。弊社では引き続き、アベルマブの他のがん種に対する進行中の臨床試験の評価を進めると同時に、今後も、日本のがん患者さんに向けた革新的な薬剤の開発に邁進してまいります」

【製品概要】

製品名 バベンチオ®点滴静注200mg
一般名 アベルマブ(遺伝子組換え)
効能又は効果 根治切除不能なメルケル細胞癌
用法・用量 通常、成人にはアベルマブ(遺伝子組換え)として、1回10mg/kg(体重)を2週間間隔で1時間以上かけて点滴静注する。
国内製造販売承認取得日 2017年9月27日
製造販売元 メルクセローノ株式会社
販売提携 ファイザー株式会社

参考資料

メルケル細胞がん (MCC)について

MCCは、神経終末部近くの皮膚最表層にできるがん細胞に由来する4,5、希少かつ進行性の疾患です。MCCは、皮膚の神経内分泌腫瘍または索状がんとも呼ばれ、頭頸部、腕といった、日光にさらされることが多い部位の皮膚に発生します4,6。MCCのリスク因子として、日光へのばく露、メルケル細胞ポリオーマウイルスへの感染などが挙げられます。50歳以上の白人男性では、そのリスクが上昇します4,6。MCCはしばしば他の皮膚がんと誤診され、また、慢性的な日光による障害を受けた皮膚では指数関数的な速度で成長します6-8。現在のMCCに対する治療法には、手術療法、放射線療法、化学療法があります5。また、転移性またはステージIVのMCCに対しては一般に緩和ケアの適応となります5

バベンチオ(一般名:アベルマブ)について

バベンチオは、PD-L1(プログラム細胞死リガンド-1)と呼ばれるタンパク質を特異的に阻害する、ヒト型抗体です。腫瘍細胞はT細胞のような白血球から身を守るためにPD-L1を利用しますが、バベンチオがPD-L1に結合することによってこの方法が使えなくなり、抗腫瘍反応にさらされることになります。なお、バベンチオは、薬理作用としてin vitroで抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)を誘導することが確認されています。2014年11月、メルクとファイザーは、バベンチオを共同開発し、製品化する戦略的提携の締結を発表しました。

バベンチオは、日本におけるMCC治療薬、米国における転移性MCC治療薬および化学療法歴のある局所進行性・転移性UC治療薬、スイスにおける化学療法歴のある転移性MCC治療薬、欧州連合(EU)に加盟する28ヵ国およびノルウェー、リヒテンシュタイン、アイスランドにおける成人の転移性MCCに対する治療薬として、承認を取得しています。その他の地域の市場においては、いかなる適応症に対してもまだ承認されていません。

バベンチオの臨床開発プログラム「JAVELIN」について

バベンチオの国際的な臨床開発プログラム「JAVELIN」は、30以上の臨床プログラムから構成されており、15以上の異なるがん種を対象に、国外を含め6,300人以上の患者さんが参加しています。がん種としては、転移性MCCの他、乳がん、胃/胃食道接合部がん、頭頸部がん、ホジキンリンパ腫、悪性黒色腫、中皮腫、非小細胞肺がん、卵巣がん、腎細胞がんおよびUCなどがあげられます。

JAVELIN Merkel 200試験は、すべての抗PD-L1/PD-1抗体の中で、転移性MCCを対象とした最大規模の臨床試験です。遠隔転移を有する根治切除不能なMCC患者さんのうち、パートAでは化学療法歴のある88例、パートBでは化学療法歴のない29例を対象としました。パートAの主要評価項目である奏効率は31.8%(95.9%信頼区間:21.9~43.1%、2016年3月3日データカットオフ)でした3。パートBの副次評価項目である奏効率の中間解析結果は62.5%(95%信頼区間:35.4~84.8%、2016年12月30日データカットオフ)でした3

適応症

日本では、「根治切除不能なメルケル細胞癌」の効能・効果で厚生労働省から製造販売承認を取得しています。
FDAは、(i)成人および小児(12歳以上)の転移性MCC、および(ii)プラチナ製剤を含む化学療法での治療中または治療後に病勢進行が認められたか、またはプラチナ製剤を含む化学療法を使用した術前補助もしくは術後補助療法から12カ月以内に病勢進行が認められた局所進行性・転移性UCの治療薬として、迅速承認に基づきバベンチオを承認しています。これらの適応での承認取得は条件付きであり、検証的試験において臨床的ベネフィットの検証が必要です。
スイス医薬品局は、化学療法後に進行した転移性MCCの治療薬としてバベンチオを承認しています。
ECは、成人の転移性MCCに対する治療薬としてバベンチオを承認しています。

重要な安全性情報

JAVELIN Merkel 200試験において、本剤が投与された117例中85例(72.6%)に副作用が認められました。主な副作用は、疲労29例(24.8%)、infusion reaction 17例(14.5%)、下痢11例(9.4%)、悪心10例(8.5%)、発疹8例(6.8%)、無力症及びそう痒症各7例(6.0%)、斑状丘疹状皮疹及び食欲減退各6例(5.1%)でした。(承認時)3
本剤の添付文書においては、1)間質性肺疾患、2)肝不全、肝機能障害、肝炎、3)大腸炎、重度の下痢、4)甲状腺機能障害、5)副腎機能障害、6)1型糖尿病、7)心筋炎、8)神経障害、9)腎障害、10)筋炎、横紋筋融解症、11)infusion reactionを重大な副作用として記載しています3

メルクとファイザーの提携について

2014年11月、メルクとファイザーは、バベンチオを共同開発し、製品化する戦略的提携の締結を発表しました。
腫瘍免疫分野は両社にとって最も重要な領域です。グローバル戦略提携によって両社は強みと能力を互いに享受しあい、抗PD-L1抗体薬 バベンチオに対するさらなる有効性の探索が可能になります。同薬は当初メルクが見出し、開発してきました。この腫瘍免疫領域における両社の提携により、バベンチオの開発、製品化、さらにはファイザーの抗PD-1抗体薬の開発が進められていきます。両社はこの提携を通じ、単剤または併用療法としてのバベンチオの研究に向けて優先度の高い国際的な臨床試験プログラムの開発に注力し、がんの新たな治療法の発見に取り組んでいます。

希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)について

「医薬品医療機器法第77条の2に基づき、対象患者数が日本において5万人未満であること、医療上特にその必要性が高いものなどの条件に合致するものとして、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて厚生労働大臣が指定するもの」9です。

<出典>
  1. 1. Ishihara K, et al., Statistical profiles of malignant melanoma and other skin cancers in Japan: 2007 update. Int J Clin Oncol 2008;13(1): 33-41.
  2. 2. 厚生労働省大臣官房統計情報部、2014年閲覧第96表総患者数、疾病基本分類別
    https://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/eStatTopPortal.do
  3. 3. バベンチオ®点滴静注200mg (アベルマブ(遺伝子組換え)製剤)添付文書 2017年9月作成(第1版)
  4. 4. Schadendorf D et al. Merkel cell carcinoma: epidemiology, prognosis, therapy and unmet medical needs. European Journal of Cancer 2017;71;53-69
  5. 5. American Cancer Society. What is Merkel cell carcinoma?
    http://www.cancer.org/cancer/skincancer-merkelcell/detailedguide/skin-cancer-merkel-cell-carcinoma-what-is-merkel-cell-carcinoma. Last accessed June 2017.
  6. 6. Nghiem P. Systematic literature review of efficacy, safety and tolerability outcomes of chemotherapy regimens in patients with metastatic Merkel cell carcinoma. Future Oncology 2017;13(14):1263-1279.
  7. 7. Heath M, Jaimes N and Lemos B. Clinical characteristics of Merkel cell carcinoma at diagnosis in 195 patients: the AEIOU features. J Am Acad Dermatol 2008;58:375-81. http://www.pnlab.org/clinical/documents/ClinCharacteristics.pdf. Accessed September 2017.
  8. 8. NCCN Merkel Cell Carcinoma Guidelines version I. 2017.
  9. 9. 厚生労働省ホームページ「希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器・希少疾病用再生医療等製品の指定制度の概要」
    http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000068484.html

メルクについて

Merck(メルク)はヘルスケア、ライフサイエンス、パフォーマンスマテリアルズの分野における世界有数のサイエンスとテクノロジーの企業です。がんや多発性硬化症のためのバイオ医薬品を用いた治療法から、科学研究と生産に関する最先端システム、スマートフォンや液晶テレビ向けの液晶材料にいたるまで、約5万人の従業員が人々の暮らしをより良くする技術の一層の進歩を目指しています。2016年は66カ国で150億ユーロの売上高を計上しました。
メルクは1668年に創業された世界で最も歴史の長い医薬・化学品会社で、創業家が今でも、上場企業が率いるグループの株式の過半数を所有しています。メルクの名称およびブランドのグローバルな権利は、メルクが保有しています。唯一の例外は米国とカナダで、両国ではEMDセローノ、ミリポアシグマ、EMDパフォーマンスマテリアルズとして事業を行っています。

メルクセローノ株式会社について

メルクセローノ株式会社は、「メルク・ヘルスケア ビジネス」(本社:ドイツ・ダルムシュタット)における、バイオ医薬品事業部門の日本法人です。2007年10月1日に発足し、がん、腫瘍免疫及び不妊治療領域を重点領域としています。 メルクセローノ株式会社の詳細についてはwww.merckserono.co.jpをご覧ください。

ファイザーオンコロジーについて

ファイザーオンコロジーは、がんとともに生きる患者さんに意義のある影響をもたらす革新的な治療薬を追求しています。オンコロジー領域におけるリーダーとして、画期的かつアクセス可能な治療薬を迅速にお届けし、がん患者さんの生活に変革をもたらすべく取り組んでいます。業界屈指の、生物学的製剤、低分子、免疫療法からなる豊富な開発パイプラインを有し、優れた革新的医薬品を探索し、多様ながんに臨床応用することに注力して研究を進めています。オンコロジー領域において重要なことは、医薬品の製造だけでなく、緊密なパートナーシップにより患者さんの生活改善を目指すこと。学会、研究者、共同研究グループ、政府、提携先などと協力しながら、革新的医薬品によるがんの治癒、あるいは、コントロールにまい進していきます。詳しくはwww.pfizer.comをご覧ください。

ファイザーについて:より健康な世界の実現のために

ファイザーはサイエンスとグローバルなリソースを活用し、皆様が健康で長生きし、生活を大きく改善するための治療薬をお届けしています。私たちは、ヘルスケア製品の探索・開発・製造におけるクオリティ・安全性・価値の基準設定をリードしていくことを目指しています。当社のグローバルなポートフォリオには、医薬品とワクチンに加え、世界的に著名なコンシューマー・ヘルスケア製品が含まれています。ファイザーの社員は先進国および新興市場で、今、この時代に最も恐れられている疾患の予防・治療・治癒に役立つ製品を通じて健康に貢献しています。卓越した革新的医薬品企業の責務として、優れた医薬品を誰もが容易に入手できるように、ファイザーは世界中の医療従事者、政府、地域社会と協力しています。私たちに信頼を寄せてくださる皆様のため、150年以上にわたり前進を続けてきました。詳細は当社のウエブサイト(www.pfizer.com)をご覧ください。また、ファイザー株式会社(日本法人)の取り組みは、下記ホームページよりご覧いただけます。www.pfizer.co.jp

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