ファイザー株式会社
ファルマシアプレスリリース
ここから本文です2003年03月31日
FDAが末端肥大症治療薬「ソマバート」を承認
重篤なホルモン性疾患の新系統治療薬を米国で初めて製品化

米ニュージャージー州ピーパック(2003年3月26日) –ファルマシア社は米国食品医薬品局(FDA)が同社の末端肥大症治療薬「ソマバート」(ペグビソマント注射剤)を承認したと発表しました。「ソマバート」は手術や放射線療法などが奏効しなかった患者や、それらの治療法を適用することが不適切な患者の治療に使用されます。治療の目標は血清IGF-I(インスリン様成長因子I)の濃度を正常化することにあります。

末端肥大症は患者の短命化につながる重篤な疾患であり、主として下垂体腫瘍が引き起こす成長ホルモンの過剰分泌によって発症します。成長ホルモンが過剰に分泌されると二次ホルモンであるIGF-Iも産生過多となるため、日常生活に支障をきたす症状が発現するとともに長期にわたる関連疾患につながります。1 末端肥大症患者の多くは頭痛、多汗、軟部組織の肥厚、関節障害などに悩まされます。特に目立つ症状は顔貌の変化と手・足・顎の肥大化です。2 末端肥大症患者の死亡率は、心臓病、呼吸器疾患、糖尿病、ある種のがんなどの重篤な長期合併症により、平均死亡率の2倍から4倍となっています。3

「ソマバート」は成長ホルモン受容体拮抗剤という新系統の医薬品として最初に開発された製品です。成長ホルモンの作用を特異的に阻害するために作られた唯一の医薬品であり、同種の製品は他にありません。米国では今後数週間のうちに処方可能になります。「ソマバート」は欧州では欧州委員会(EC)によって2002年11月に承認されており、日本では現在、申請中です。

「ソマバート」の臨床試験を担当した米ミシガン大学医学部のアリエル・バーカン内科・神経外科学教授(医学博士、下垂体・神経内分泌科学センター長)は「末端肥大症患者に新たな希望をもたらす医薬品であり、医療の充実に大きく貢献する製品」であると述べています。また下垂体ネットワーク協会のロバート・ヌッツェン会長は、今回の承認について「重要かつ新しい治療の選択肢であるソマバートの導入は、この病気に苦しめられている人たちにとって非常に喜ばしいことです」と語りました。下垂体ネットワーク協会は下垂体障害の患者に支援と情報を提供するための非営利組織であり、ヌッツェン会長自身も末端肥大症の患者です。

「ソマバート」の臨床試験は、末端肥大症患者を被験者として用量固定無作為試験と長期オープンラベル用量適正化試験が行なわれました。用量固定試験では患者の最大82%にIGF-I濃度の正常化が認められ、長期試験において患者の92%に同じくIGF-I濃度の正常化が認められました。IGF-I濃度は末端肥大症の重篤度を測定するための生化学的な尺度です。

ファルマシア社の内分泌医療担当副社長であるピーター・ロスト医学博士は次のようにコメントしています。「この新治療薬を米国の末端肥大症患者の皆さんに使っていただけるようになったのは非常に喜ばしいことです。当社はポートフォリオに『ソマバート』が加わったことで、内分泌医療の分野でリーダーの地位を維持する決意をさらに固めています」。

末端肥大症の患者数は欧州、米国、日本を合わせると数万人にのぼるものと推定されていますが、症状が出始めてから診断まで最大15年かかることから、有病率はこれを上回るものと考えられています。2 末端肥大症の従来の治療法は、外科手術による下垂体腫瘍の除去、放射線療法、薬物治療などです。

臨床試験では、被験者のうち2名(0.8%)において肝機能の臨床検査値(ALT及びAST)が正常値の上限の10倍以上に上昇したと報告されています。「ソマバート」による治療では、投与開始時から継続的に肝機能をチェックする必要があります。臨床試験で報告された主な有害事象は感染、疼痛、下痢、吐き気、インフルエンザ症候群、肝機能検査値異常、注射部位反応で、少なくとも10%の患者で発生し、また、プラセボより坑「頻度で発生しました。報告された有害事象の大半は軽度から中等度であり、持続性も限定的でした。「ソマバート」をその成分に対して過敏症のある患者に投与することは禁忌となっています。「ソマバート」のバイアル栓にはラテックスが含まれています。

ファルマシア社は内分泌医療の分野でリーダーとしての地位を確立しています。

ファルマシア社はトップクラスのグローバル医薬品企業であり、革新的な医薬品をはじめとする製品によって救命とQOLの向上に貢献しています。健康を未来に伝えることが 43,000名のファルマシア社員の使命です。 2002年7月15日、ファルマシア社とファイザー社は共同発表を行ない、ファイザー社が株式交換方式でファルマシア社を買収することで最終合意にいたったと発表しました。

以上



参考文献
1. an der Lely AJ, Hutson RK, Trainer P, et al. Long-term treatment of acromegaly with pegvisomant, a growth hormone receptor antagonist. The Lancet 2001; 358: 1754-1759.
2. .horner MO, Vance ML, Laws ER, et al. The Anterior Pituitary. In: Wilson JD, Fosster DW, Kronenberg HM, Larsen PR, eds. Williams Textbook of Endocrinology. 9th edition.
3. Basic Endocrinology (6th Edition).
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