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ファイザー株式会社 Working together for a healthier world より健康な世界の実現のために
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2002年度アエラ掲載記事(団体活動内容)ご紹介

障害児・者とその家族をサポートする介護・介助の質を高めるために
「障害者のレスパイト」を考える
《意見交換会》―1

写真:山岡義典さん

山岡義典
日本NPOセンター
常務理事

障害者支援費制度が始まるなどの変化の中で、これからの障害者のレスパイト(障害者本人や家族に一時休息を提供する)事業はどうあるべきか。現場からの報告と意見の交換をしていただいた。

【出席者(順不同)】
司会/山岡義典(日本NPOセンター常務理事・法政大学教授)
コンビニの会(代表大川美知子さん、今路信一郎さん、内田泰史さん)
サポートハウスぱお(篠崎澄江さん、坂倉美緒さん)
フリーダム十勝(理事長田中利和さん、山田幸秀さん、大浦由文さん)
エンパワメント・プランニング協会(代表野嶋スマ子さん)
かたるべ社(所長小谷誠之さん)
第2かたるべ社(山喜多恒夫さん)
ファイザー横浜パッケージセンター(所長平野章さん)

障害者支援費制度で変わったこと

大川 障害者とその家族の生活支援を24時間体制で行うという意味をこめて「コンビニの会」と名づけ、ボランティアの学生80名、主婦20名ほどが集まり、一軒家を借りて(無料)7年前にスタートしました。最初は会員50名でしたが、現在は76名。待機者が28名ほどおり、会員の利用時間は平成14年度実績で1万2千時間を超えています。ニーズの増加に対応しきれなくなり、150坪の土地に新たに2棟の建物を建て、1棟を通所施設、1棟をレスパイトの拠点(生活支援部)としています。
山岡 今年度から障害者支援費制度が始まりましたが、組織やサービスのあり方などに変化がありましたか。

写真:大川さん、今路さん、内田さん

コンビニの会
大川さん(左)、今路さん(中)、内田さん(右)

大川 今年から生活支援部をレスパイト事業とホームヘルプ事業に分けて、質の高いホームヘルプサービスを目指しています。支援費制度でどう変わるかわかりませんが、名古屋市では生活支援ネットワークというのが立ち上がり、国の制度を自治体でどう使いやすくするかという懇談会が繰り返し開かれて、私たちのレスパイト事業の内容を市が重んじるかたちで受け止めてくれたのはよかったと思います。レスパイト事業は人手がかかりますし、15年度には常勤職員だけでも5人増えました。組織が大きくなると、ここをはじめた目的や考え方が隅々に伝わっていくのかどうか不安です。予算を立てるのも大変です。
山岡 高齢者介護保険が始まったときと同じ状況だと思いますね。地域で活動してきた団体が介護保険に入ったとたんに急に大きくなったり、利益が上がって、収支をきちんとしていれば払わなくてもいい法人税を払ったりした。支出の部分だけは昔のボランティア団体の感覚で、収入だけが事業体になったということもありました。支援費の部分は会計のプロが付いて収支も成り立って、レスパイトの部分はボランティア的にやっていると、人の関わり方も変わってくる。そうすると、スタッフかボランティアかどちらに関わるかによって意識も違ってきて、やりにくくなるところも出てくる。そういう意味で、今度の支援費事業をやるところは、介護保険で経験した団体の知恵をうまく生かすといいと思いますね。

職員の休みをどう確保するか

写真:意見交換会の様子

篠崎 レスパイトサービスを提供する民間事業所で、一軒家を借りて平成11年7月からスタートしました。現在の会員は77名。一時預かり、派遣・送迎、外出援助など、24時間1対1の対応で行っています。障害の種類や程度、年齢に制限を設けず、利用の理由も問いません。会員は、コンスタントに利用している方、月に1~2回の利用者、いざといったときのために登録しておく方と、ほぼ3等分されます。埼玉県のサポート事業が1人当たりの利用時間を年間150時間に制限しているので、利用者が時間の配分を考えているようです。
大川 夏休みなど、利用が集中するときのスタッフの休みにはどう対応していますか。
篠崎 利用者が多く、どうしても手が足りない場合はお断りしています。多いときで月に10件ほどです。スタッフの休みは平均して月に7~8日は確保しています。利用者が少ない正月は休みにしました。
山岡 我々のようなNPOサポート組織でも365日朝から夜中までやっているところもある。しかし、24時間対応といっても利用率の低いときもあるのだから、緊急の対応さえ考えておけば、そういう時期を休みにするのはいいと思います。
田中 私の本職は帯広にある養護学校の教員です。帯広の入所施設は、7~8年前まで障害児は受け入れないということになっていました。それなら障害児を対象にした新しい施設を作ったほうがいいということで、平成9年にスタートさせました。当初は障害児の学童保育的なことをメインに、大人も使えるレスパイト施設として町内会館を借りていたのですが、4年前に西帯広に「フリーダムハウス」として一軒家を借り、現在はさらに2か所の施設を市内に開設しました。この11カ月間の利用時間は1万1千時間です。来年は常勤スタッフを6名に増やし、非常勤も含めて総勢30名でやっていくつもりです。それによって障害児90名に対し年5万時間、1人当たり500時間のサービスを提供できることになります。
山岡 支援費があっても実際には利用者負担金もあったりすることについて、問題はありませんか。
田中 田舎では障害者は無料という考えが当たり前で、お金を払って子供を預ける習慣がない。そのために身近なレスパイトサービスを利用していないという人もいます。都会のやり方をそのまま持ち込んでもダメで、子供や親たちにとって何が問題になっているかを個別に見ていかなければならないと思っています。

写真:田中さん、山田さん、大浦さん

フリーダム十勝
田中さん(左)、山田さん(中)、大浦さん(右)

写真:小谷さん、山喜多さん、平野さん

かたるべ社
小谷さん(中)第2かたるべ社山喜多さん(右)ファイザー横浜パッケージセンター平野さん(左)

山喜多 かたるべ社は横浜市内の地域作業所です。第1と第2の2カ所あって、全部で35名が働いています。知的障害者が多く、働くことを通じて社会参加していくことに重点を置いています。職員が付き添って一般の会社に行って作業するガイドヘルプ事業も5年前からスタートしています。レスパイトも行っていますが、うちは法人化していないので、支援費制度とはあまり関係なく、市から助成金を頂いて運営しています。
山岡 先ほども話が出ましたが24時間対応についてのご意見はどうですか。
田中 私は24時間営業ということを大げさに掲げるのはどうかと思っているんです。利用者の満足度というのは、スタッフがその家族や子供とどれだけ共感をもって接するかにかかっているのであって、必ずしも24時間だからということではないと思います。支援費制度については、まだ未整備なのは事実ですが、どうすれば有効に活用できるかを、利用者の立場に立って私たちも制度を研究することが大事だと思う。そして、行政にどんどんアプローチすべきです。
大川 支援費に関しては名古屋市はよく動きました。私たちは前からショートステイの設備をレスパイトサービスとして認めてくれるように言い続けてきたんですが、それが認められた。それから24時間対応についていうと、うちは盆も正月も切れ目なしです。たまたま利用したいときに休んでいたら、やっぱりお母さんは途方に暮れる。生活の深刻さに楽な時期はないんだとつくづく思います。

知的障害者の「性」の問題について

平野 私たちの職場は、ファイザーの障害者雇用部門ですが、現在17名の障害者がスタッフとともに働いています。知的障害者で結婚したカップルがいます。最初、彼のほうからセックスについて具体的に説明してくれといわれましたが、よい文献もなく、私自身はどう指導したらいいかわからずに、うやむやにしてしまった苦い経験があります。彼らは結婚して幸せそうですが、性の問題についてはずいぶん考えさせられました。

写真:篠崎さん、板倉さん、野嶋さん

サポートハウスぱお
篠崎さん(中)、坂倉さん(左)エンパワメント・プランニング協会
野嶋さん(右)

野嶋 私のところでは、知的障害者とその支援者の「性のワークショップ」を実施しています。身体障害者の性の問題はある程度認められてきていますが、知的障害者に関してはまだ遅れています。性衝動のみを心配して手をこまねいている状態で、適切な指導や助言がなかった。そこでスウェーデンに長くおられた大学の先生が企画した「性のワークショップ」を知ったのが、活動のきっかけです。まず保健や性知識の程度を確認することから始めて、身体の仕組み、男女の違いや変化などの話をし、相手と自然にふれあう機会をつくったり、恋人を見つけたり結婚するにはどうすればいいかなど丁寧に段階的に進めていきます。全8回で、合宿も行います。知的障害者は性的に成熟しない、性衝動を制御できない、子供を育てる能力がないといった偏見をどう変えていくかが、私たちの活動の第一歩になると考えています。

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