本文へジャンプ
ファイザー株式会社 Working together for a healthier world より健康な世界の実現のために
ここから本文です
現在地 : Pfizer co.jp ホーム > 社会貢献活動 > 市民活動への助成 > 過去の選考結果 > 2004年度プロジェクトの概要と選考委員会推薦理由

2004年度プロジェクトの概要と選考委員会推薦理由

「ファイザープログラム - 心とからだのヘルスケアに関する市民活動支援」
2004年度プロジェクトの概要と選考委員会推薦理由

■ 新規助成

(1)同性愛者向け電話相談事業の統合化プロジェクト

・ 団体名:特定非営利活動法人動くゲイとレズビアンの会
・ 代表者:永田雅司
・ 主な活動地域:全国

【推薦理由】

社会的理解が十分に得られているとは言い難い同性愛の課題に先駆的に取り組み、17年間にわたって支援を継続させてきた団体。
これまでの実績をもとに、活動をさらに発展させるためのプロジェクトとして評価された。応募された事業の内容も、1)8種類の電話相談システムの統合、2)電話相談を通じて集約される同性愛者の現状に関わる情報の効果的な集約、3)リファー先となり得る社会資源の開発、と明確に整理されており、助成によって着実な成果が得られると期待された。

(2)ALS療養患者の日常生活を支えるヘルパー育成事業-進化する介護

・ 団体名:特定非営利活動法人ALS/MNDサポートセンターさくら会
・ 代表者:橋本操
・ 主な活動地域:東京都

【推薦理由】

筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者支援団体とケアサポート団体が統合し、ALS患者の在宅支援に携わる人たちへの研修を行いながら、ALS患者の方たちの地域での主体的な生活の実現を目指す団体。
ALSという難病の方たちが地域で生活していくためには、福祉サービスと医療的ケアの双方が必要であり、かつ長時間の介護が必要であるために、その実現は一層困難さを抱えている。ALS患者の日常生活を支えるヘルパー育成の視点とプロジェクトの内容が高く評価された。この研修事業をとおして、必要な介護・支援がより明らかになっていけば、同様の介護・支援を必要とする人たちが主体的に生きていくための社会の課題を明らかにすることにもつながっていく。あるべき介護・支援を求め、それを進化・発展させる原動力となるよう活動してほしい。

(3)アート・デリバリー:介護する人される人のための出張芸術講座

・ 団体名:特定非営利活動法人NPO芸術資源開発機構
・ 代表者:並河恵美子
・ 主な活動地域:東京都

【推薦理由】

芸術は人が一人ひとり自分らしく豊かに生きていくために必要な活動であり、表現が苦手な人たちが芸術を通してエンパワメントすることを目的としている団体。
今回の応募内容は、高齢者施設を終の住処としている人たちに対して、その施設において、芸術家と介護の専門家の協働により、高齢者介護の日常生活プログラムの中にアート活動を取り入れるものである。そのことにより、高齢者の五感に働き掛けて、このプロジェクトに関係し合う高齢者、介護者、芸術家それぞれの生きる力を引き出すことを目指している。従来のリハビリに用いられているプログラムとは異なり、実験的、開拓的なプログラムとして期待するところが大きい。

(4)人身売買の犠牲となった青少年への支援

・ 団体名:特定非営利活動法人国境なき子どもたち
・ 代表者:小川道幸
・ 主な活動地域:カンボジア

【推薦理由】

アジアのストリートチルドレンの生活・教育環境を改善し、将来的な自立に向けた支援に取り組む団体。現在、カンボジア・ベトナム・フィリピンにて、子どもたちの自立を支援する施設の運営を行なっている。
今回のプロジェクトは、近年、発展途上国における若年者の人身売買の問題は関心を集めつつあり、タイムリーな取り組みである。現地のソーシャルワーカーやエデュケーターに研修の機会を提供して、人身売買犠牲者の心理的支援体制の充実をはかるという計画には、同様の問題を抱える発展途上国への波及効果も期待され、有意義なものと評価された。また、現地関連機関との連携も緊密で、計画実施の体制も整っていると判断された。

(5)ユニークフェイス・ドキュメンタリービデオ制作

・ 団体名:特定非営利活動法人ユニークフェイス
・ 代表者:石井政之
・ 主な活動地域:東京都

【推薦理由】

顔面や身体などに外見上大きな疾患・外傷のある当事者やその家族の支援に取り組む団体。
遺伝・事故・病気などで顔に障害や傷・奇形のある人々に対する一般の理解を深めることを目的とした自主映像作成にかかわるプロジェクトで、ユニークな企画であることを高く評価した。完成した映像は、政令指定都市を中心に上映会を行い、医療、福祉、教育、行政の当事者支援関係者への啓発を行なうとともに撮影過程を書籍にして広く一般にもこの領域の認識を高めることも視野に入れている。実現上の課題も多いと思われるので、まず着実な第一歩を踏み出すことを期待して助成したい。共同・協力団体は、名古屋、大阪、東京に活動拠点を持っていることも評価した。

(6)不登校の若者たちの「ユース・ジョブ・スペース」創り

・ 団体名:特定非営利活動法人ネモ ちば不登校・ひきこもりネットワーク
・ 代表者:浦島菊代
・ 主な活動地域:千葉県

【推薦理由】

不登校・ひきこもりの当事者が自らの意思でサポートを求めるときに、情報提供から社会参加の機会提供まで、さまざまな支援を行なっている団体。
この事業では、不登校・ひきこもりの若者たちを、社会的に暗いイメージで捉えてはいない。具体的な実践課題があれば、これに取り組み、社会の中での役割を見いだすことで、社会の活性化も担う存在となることができるというプラス思考のエンパワメントの視点に立っている。不登校やひきこもりの青年たちが増えている現象は、社会が正常ではないことを意味している。当事者である青年達が、自分たちのペースで考え、地域社会の人たちとともに動きながら働く場をつくることと、当事者が主役であるところを高く評価した。

(7)虐待防止のための出前ホットミーティング

・ 団体名:子どもの虐待防止ネットワーク・石川
・ 代表者:関秀俊
・ 主な活動地域:石川県

【推薦理由】

育児困難や虐待に悩む親を支援することを通して、子ども虐待の防止と予防を目的とした活動を行なっている団体。
子どもへの虐待は、これに関する法整備や児童相談所など公的機関の一層の取り組み強化にもかかわらず、減少傾向は見られない。自らを守ることができにくい子どもたちが、健やかに成長できる環境を用意しなければならない。この事業は、相談員が出向いて行なう出前ミーティング、育児に悩む親を対象とした電話相談、さらに個別的な相談に対応する会などの実施によって、養育者を支援しようとするプロジェクトである。一般市民を対象とした講演会の実施など多様な活動も用意している。虐待防止の啓発とともに、虐待という現象をひきおこさないため、公的機関での取り組みを下から支え、あるいは先導者としての機能を果たしながら、身近なところでの多様な相談・支援が重要であることを実証する事業として期待したい。

(8)「色彩」による、重度障害児者の視覚系機能の発達支援

・ 団体名:特定非営利活動法人ふぃーる工房
・ 代表者:神谷順子
・ 主な活動地域:愛知県

【推薦理由】

「福祉」と「文化」をコーディネートとすることにより、障害者と共生するまちづくりをめざす団体。
今回のプログラムは、色彩に対する感知力を用いて、そこに表れる意識を色彩に表現することにより、重症心身障害児者のコミュニケーション能力を開発しようとするもので、新しい取り組みとして期待できるものと判断した。障害のある人が地域の中で“暮らし”ていく時、文化活動は欠くことのできない領域であり、今後の実践事例の積み重ねと研究を深めることにより、コミュニケーションが不得手な人たちに対する新しいシステムが構築されることと思う。

(9)地域で取り組む輝く親子の絆作りプロジェクト

・ 団体名:マイママ・セラピー
・ 代表者:押栗泰代
・ 主な活動地域:滋賀県

【推薦理由】

地域で子育てに悩む母親たちを対象に、共に学び合い、育ち合い、助け合う場づくりに取り組む保健士のグループ。
育児ノイローゼや児童虐待などが増加する中、地域における子育て支援の必要性は高まっている。自治体などの支援策は講じられているものの、多様な生活スタイルに合わせたニーズに応えるまでは至っていない。そのような現状を踏まえ、本プロジェクトを推薦するに至った理由は、保健士という専門性を活かせる可能性があること、個別相談、集団指導(相談)など、多次元のアプローチを計画していること、社会福祉協議会をはじめ地域の団体などとの連携による可能性があること、などがあげられる。組織として自立できる資金の確保についても十分に考慮した事業推進を期待したい。

(10)被差別部落における教育コミュニティづくりプログラム

・ 団体名:いっからゼミナール
・ 代表者:川口智
・ 主な活動地域:大阪府

【推薦理由】

被差別部落の子どもたちへの学習支援を中心に、子育て・生活・教育的課題を地域ぐるみで取り組む団体。
被差別部落に関わる諸課題については根本的な解決が得られていないにもかかわらず、近年では、この種の問題への関心が薄れつつあることが懸念される。このような中で当団体の活動は、刹那的とも思われる大勢の社会認識に貴重な問題を提起するものである。被差別部落の子どもたちの学力低下の問題を、公教育や街づくりの課題として位置付けた点は重要だ。また当該問題への対応策として、過去3年間の活動実績をふまえて多様な実施メンバーを擁し、単なる学力向上のみでなく、子どもたちの自尊感情の高揚までも視野におさめて活動を計画した点も評価した。

(11)未成年者への禁煙支援事業

・ 団体名:禁煙マラソン
・ 代表者:高橋裕子
・ 主な活動地域:全国

【推薦理由】

禁煙したいと思いつつ禁煙できない喫煙者に、ネットサポートと対面式サポートの両面から禁煙支援を行い、一定の成果を収めている団体。
成人の喫煙習慣の多くは未成年時に始まり、そのまま継続している。近年では、喫煙が常習化している未成年者が増加しているが、成人同様に禁煙を望んでも脱出できない現状がある。一方、未成年者の喫煙については、「思春期の特有の反抗」「学校綱紀違反」といった捉え方が根強く、社会的にサポートする体制は整っていない。今回のプロジェクトは、これまでの成人での禁煙成功モデルと、未成年喫煙者へのインタビュー調査から、「禁煙ジュニアマラソン」コンテンツを構築し、それを携帯メールを用いて提供しようという試みである。これまで50名程度に提供、一定の成果を上げているところからも、実効性が期待できるものと評価した。

(12)ベトナム人コミュニティにおける薬物防止キャンペーン

・ 団体名:NGOベトナム in KOBE
・ 代表者:Ha Thi Thanh Nga
・ 主な活動地域:兵庫県

【推薦理由】

神戸に住むベトナム人コミュニティにおいて、日本語が理解できにくい人たちに対してベトナム語で相談活動を行なってきた団体。
ベトナム人コミュニティに広がる麻薬が青少年に与える影響の重要性に着目し、その実態調査をはじめとして麻薬依存者及び家族の電話相談など身近なところでの対応をするとともに、麻薬の危険性を、実際に麻薬から立ち直った当事者の話しを通して伝え、その撲滅を図ろうとするプロジェクトである。生活支援、相談活動を通して高齢者や青少年育成等の支援、交流活動を展開してきた実績を踏まえた、緊急性と社会性の高い企画として評価した。

(13)精神障害者が運営するおへんろ道接待所の整備事業

・ 団体名:特定非営利活動法人Csクリエーション
・ 代表者:松岡克尚
・ 主な活動地域:香川県

【推薦理由】

このプロジェクトの母胎となる「Csクリエーション」は、既に精神障害者を対象とした小規模作業所として約16年の活動実績がある。
四国八十八ケ所、第八十番札所「国分寺」の門前で、精神障害者が中心になってお遍路さんの「接待所」を設け、精神障害者とお遍路さんとの交流を通して社会参加の機会にするという試みは、地域の文化的特性を生かしたユニークな活動である。特に伝統的な遍路文化や「お接待」をするものと受けるものの双方の心理的な相互作用による「癒し」の効果も期待され、うまく機能すれば、四国の札所全体に広がってゆく可能性がある。本企画の実施メンバーは、メンタルクリニック、病院、授産施設、診療室、福祉ホームに働く職員で組織されており、組織の役割分担もある程度出来ている。共同・協力団体には町、保健センター、ボランティア協会、保健所などが掲げられているので、地域との結びつきもある程度満たされている。

(14)福祉オンブズマン派遣研修事業

・ 団体名:おきなわ ふくし オンブズマン
・ 代表者:加藤彰彦
・ 主な活動地域:沖縄県

【推薦理由】

福祉サービス利用者の権利擁護を図ることを目的に、オンブズマン活動に取り組む団体。
福祉制度が従来の措置から契約の制度に大きく変化する中で、利用者の人権・権利を確保することは重要な課題である。国や自治体において権利擁護に関する制度整備も進められてはいるが、よりきめ細かな対応を確保するには、多元的な仕組みやシステムが存在することが大切で、独立した民間組織による取り組みも重要であると考える。また、本プログラムについては、実施地域が沖縄であるという地域の特殊性も鑑みて、助成対象としたいとの委員会での推薦もあった。一方、今回の応募内容は人的トレーニングを中心にしたものであり、継続した組織としての取り組みまでは示されていない。今後の展開や体制の整備についての検討も期待したい。

このページの先頭へ

■ <継続助成1年目>(助成2年目)

(1)高機能広汎性発達障害の青年たちの社会的自立に向けたサポート事業

・ 団体名:北海道高機能広汎性発達障害児者親の会
・ 代表者:村田昌俊
・ 主な活動地域:北海道

【推薦理由】

高機能広汎性発達障害の青年たちは、長い間、学ぶこと、働くことなど、成長の過程や日々の暮らしにおいてさまざまな支援を必要としながらも施策の対象外に置かれてきた。ようやくこうした対象者への施策が整備されようとする段階まで進んできたところである。しかし、本人たちに必要なことは何か、その支援のあり方はどうあったらよいのか、理解啓発をどのように進めるかなどの具体的な支援課題が山積している。本親の会が取り組むこのサポート事業は、本人活動を中心に据えて、研究者とともに、「今」必要な支援を行いながら、施策の進展に寄与する事業である点が重要である。
1年目の助成は、研修システムづくり、セミナーの開催、マニュアルの作成、カウンセリングの実施などのプロジェクトをたちあげ、取組みが開始された。2年目の助成では、「個別支援計画の作成」「カウンセリングの本格実施」「ライフステージを視野に入れた支援」「他の発達障害の親たちとの連携」が計画されている。どれも「今」望まれている課題であり、施策に反映する実践として、1年目の成果を生かしながら、強力に推し進めていただきたい。

(2)ガザ地区における少年を対象とした心理社会的ケア事業

・ 団体名:特定非営利活動法人地球のステージ
・代表者:桑山紀彦
・主な活動地域:パレスチナ・ガザ地区、日本国内

【推薦理由】

世界の貧困地域や紛争地域で医療活動を行い、その映像記録をもとに国際理解を向上させる活動を行なってきた団体。依然としてパレスチナ問題が混沌とした状況にあるガザ地区で、12才から15才という最も多感な年代層に焦点をあて、遊戯療法、集団療法、作業療法、コミュニケーションワークショップ等を提供している。1年目は、代表が精神科医であることもあり、こういった極限状態にある地域でのメンタルケアに専門性が効果的に働くことを期待し、助成を行なった。絵を描く、皆と役割を演じるといった活動を通じて青少年に提供される自己表現の機会は、僅かずつながらも子どもたちに、他人を気遣い、自己の未来を考える豊かな心を育てつつあるようだ。
2年目の助成では、子どもたちの保護者にも、地元メンタルヘルスの専門家集団と協同でワークショップを行い、その評価軸を策定していく。家庭内での精神的な安定が、より子どもたちの精神面に影響していくことを期待したい。また、将来的にこの活動が現地の市民や専門家に移植され、浸透していくことを期待し、継続して助成することにした。

(3)課題を抱えた養育者への訪問生活支援パイロット事業

・ 団体名:子ども虐待防止ネットワーク・みやぎ
・ 代表者:相澤宏邦
・ 主な活動地域:宮城県

【推薦理由】

子ども虐待防止ネットワーク・みやぎが実施する電話相談等で、虐待問題等を抱える母親たちを対象に、面接とケースワーク等によって支援する事業に期待し、助成する。
1年目の助成により実施した訪問支援者養成講座を受講したボランティア訪問支援者10人が、二人一組のチームで月2回訪問し、家事全般、通院・通所の送迎、買い物等の付き添いなどを実施する。支援期間を3ヶ月としているが、評価により継続または終了とするが、その基準をどう設定するのか、また他の社会資源とのネットワークをどうするのか、さらに、多様な緊急性が想定されるが、その時の危機管理をどのように対応するのかといった課題が選考委員会では論議された。

(4)精神障害ピアホームヘルパーガイドラインの作成

・ 団体名:特定非営利活動法人茨城県精神障害地域ケアー研究会
・ 代表者:吉田昭久
・ 主な活動地域:茨城県

【推薦理由】

1年目の助成では、精神障害者が精神障害者のホームヘルプサービスをおこなう活動を試験的に実施し、双方から状況をヒアリングし、その課題を整理してガイドラインを明確にした。2年目は、このガイドラインを完成し、広く普及を図ると同時に、ガイドラインを活用した研究会の企画開催をおこなう事業に助成する。
選考にあたり、ピアホームヘルパーと従来のホームヘルパーの違いを明らかにして、精神障害者の福祉のあり方を問い直すものとして評価するとともに、「援助する側―される側」という関係を超えて、小規模研修会を実践することにより、さらに、内容を深めることを期待したい。

(5)ディファレント アーティスト イン レジデンス運営事業

・ 団体名:特定非営利活動法人自然生クラブ
・ 代表者:柳瀬敬
・ 主な活動地域:茨城県

【推薦理由】

自然生クラブは、地域にある石蔵を改装して、手作りミュージアムを運営している。ここでの創作活動は、地域の人々に公開され、障害のある人たちからの文化の発信基地となってきた。
1年目の助成では、国内外から招請した知的障害をもつアーティストの滞在型創作活動を支援するプログラムを実施し、多くの人々に感動と共感を与えた。このプロジェクトによって、レジデンスでの創作活動の有効性が認められるとともに、レジデンスの継続性やこれらアーティスト(ディファレント アーティスト)の作品の認知を高める工夫などの課題もはっきりしてきた。すなわち、方向性としてのディファレントアートの商品化や、アーティストたちの自由度の高い「芸術家の家」構想などである。夢で終わらせたくない課題であるが、一挙に実現するのは難しい課題でもあろう。
2年目は、1年目に得た手応えをもとに、見えてきた方向に向かい、さらに一歩前進をめざしているが、ステップ・バイ・ステップで着実に進めてほしいと願っている。

(6)不登校・引きこもりの青少年・家族への心理援助事業

・ 団体名:特定非営利活動法人青山心理グローイングスペース
・ 代表者:鍋田恭孝
・ 主な活動地域:東京都

【推薦理由】

1年目の助成では、医療的専門的援助を必要とする重症の心の問題を抱える青少年に対して、午前のフリースクールの開催プロジェクトを実施した。
これらを定着させるために、「重度の子どもたちを受け入れる人材の育成」、「親サポートの支援方法の充実」、「子どもたちの社会的接触を可能にする活動支援」が継続応募されたが、選考委員会では、1年目の助成での活動や予算の使用状況も順調に進んでいること、継続申請の応募金額に対する自主財源の割合も高く、自立的な活動への発展が期待出来ること、などが議論され、このプロジェクトが継続的に運営されるためには引き続き助成が必要と判断された。特にプロジェクト推進のための若手指導者育成の意欲と熱意が高く評価された。

(7)精神障害者の企業就労を推進するための事業

・ 団体名:社会福祉法人おあしす福祉会
・ 代表者:平松謙一
・ 主な活動地域:東京都

【推薦理由】

1年目の助成では、精神障害者が企業に就労し、地域で働くことを目的に、「ガイド冊子の作成」、「企業アンケートの実施」、「就労希望者へのワークショップ開催」が行われた。ワークショップ開催が先行し、アンケート実施と冊子づくりが遅れているが、これらもある程度実行の見通しがついているという感触を得た。
今後の課題として、「就労先の開拓」、「求職セミナーの開催」、「当事者ジョブコーチ養成研修」、「就労支援職員研修の開催」、「就労支援担当者会議の開催」、「企業就労者ミーテイングの開催」などが引き続きのプロジェクトとして継続応募された。単に精神障害者当事者が企業で働くことを推進するだけでなく、精神障害当事者が、就労希望の精神障害者を支援するという新たな可能性を実現させ、地域に定着をさせるためには継続助成が必要であると判断された。プロジェクト実施メンバーや共同・協力団体の多様さから、プロジェクトの充実が期待される。

(8)女性依存症者のためのサポートセンター事業

・ 団体名:特定非営利活動法人ジャパンマック
・ 代表者:武澤次郎
・ 主な活動地域:東京都

【推薦理由】

女性のアルコール依存症者の治療や社会復帰にあたっての支援体制は少なく、その中での先駆的事業として、2002年度に助成した。その助成により、専門的にサポートしていくための拠点として「オハナ」が開設されたが、そのプログラムの実施、とりわけ12ステッププログラムを基本としたピアサポート活動に期待し、継続して助成する。
女性のアルコール依存症者への電話相談さらにプログラムミーティングを週2回開催するうえで必要になる、ボランティアスタッフの養成・確保の問題、とりわけギャンブル依存症者への拡大にともなう拠点整備や他の関係機関等との連携の課題などが選考委員会では議論となった。

(9)小児ガン患児・家族へのEメール相談試行事業

・ 団体名:特定非営利活動法人エスビューロー
・ 代表者:安道照子
・ 主な活動地域:大阪府

【推薦理由】

2002年度の助成を受け、電話相談事業を開始するとともに、必要時には心理士に照会する等の専門家との協働体制を確立した。その結果、相談内容に人間関係の悩みが多数を占めることと、対応には共感的カウンセリングよりも他の当事者の体験談を紹介する方が有効であることが明らかとなった。
これらをふまえて今年度は、当事者の体験を共有して悩みに対応するための方法として、Eメールを用いた相談業務の開設を計画し、その必要経費についての助成が応募された。審査では、これまでの活動を基盤とする発展的な指向性が評価されて助成が認められたが、あわせて、相談業務に応じる人材養成の重要性も指摘され、研修事業の展開等が今後の課題として残された。

(10)犯罪・事故・災害等による被害者の直接的支援

・ 団体名:特定非営利活動法人大阪被害者支援アドボカシーセンター
・ 代表者:堀河昌子
・ 主な活動地域:大阪府

【推薦理由】

1年目の助成では、犯罪・事故・災害等の被害者の精神的サポートの一環として、通院や裁判所等への同行サービスと、電話を通じての支援活動を実施した。あわせて、支援の担い手養成のための講座を実施するとともに、講演会等を開催して被害者支援の必要性を広く訴えるための啓発活動を行なった。当団体の活動は、重要な課題についての先駆的な取り組みとして注目される。
2年目の助成では、1年目からの活動を継続させるための応募で、支援の担い手の養成はとりわけ重要と判断され、助成に至った。今後は、これまでの活動をふまえ、さらなる飛躍のための活動計画の策定が望まれる。数年の単位で達成可能な具体的なゴールを設定し、ゴール達成のために活動をプロジェクト化させることも重要であるように思われる。

(11)障害のある人の芸術活動を支援する事業

・ 団体名:特定非営利活動法人アトリエ素心居
・ 代表者:河部宏子
・ 主な活動地域:愛媛県

【推薦理由】

アトリエ素心居は、障害を負のイメージで捉えず、障害をもつ人たちを、障害のない人たちと同様に、内に大きな力を秘めた存在であると考えている。ここで行われるアートへの取組みは、一人ひとりの力を引き出し、自尊感情を高め、自立につながる活動として設定されている。絵画、陶芸、和太鼓、リトミックなどの創作支援活動は、芸術性という観点からの評価を重視しているが、これもこの活動の特徴の一つである。また、活動の発表の機会でもある企画展やミニコンサートなどの開催は、未だ障害を負とするまちの人々の意識を変え、まちの文化を変える取組みである。活動の記録である作品集が完成したが、これもまた障害の正しい理解に役立ってくれることだろう。
1年目の助成では、このような素心居がめざす「アートを生かしたまちづくり」を前進させたが、2年目の助成では、新企画も加え、一層の定着と発展をねらっている。その実現が望まれる。素心居の活動は、無理をせず、大向こうに受けることをねらうこともない、地道な活動であるが、ここに集まる一人ひとりの力の結集が、全体として優れた市民への理解啓発活動となっている点が評価できる。

このページの先頭へ

■ <継続助成2年目>(助成3年目)

(12)プライマリ・ヘルスケアによる路上死のない街へ

・ 団体名:新宿連絡会・医療班
・ 代表者:大脇甲哉 稲葉 剛
・ 主な活動地域:東京都

【推薦理由】

助成3年目の応募である当団体は、路上生活者を対象に多角的な支援活動を実施しているが、とりわけ過去2年間の助成では、路上生活者を対象とする定期健康相談会と生活保護申請支援活動、医療機関との連携強化等がはかられた。
3年目は、これらの活動をさらに継続させることが目的であり、これまでの着実な活動実績が高く評価されて助成が認められた。支援のためには医薬品をはじめとする多くの物品が必要であるが、それらを寄付で調達するのではなく、あえて助成金によって購入することで、団体としての自立・自律性を維持しようとする理念には多くの共感が得られた。しかし、助成金のみへの依存では活動の継続性や安定性に危惧が持たれることも事実であり、当団体には、このようなジレンマを克服するための創造的な組織運営の探索おも期待したい。

(13)ひきこもり当事者による雑誌発行プロジェクト

・ 団体名:特定非営利活動法人東京シューレ
・ 代表者:奥地圭子
・ 主な活動地域:東京都

【推薦理由】

この団体は、不登校の子ども・若者が、自分を否定されることなく、自分の興味や関心によって自由に学び、安心して成長できる場を提供してきた歴史あるフリースクール。
2002年度から始まったこのプロジェクトは、ひきこもり当事者が自ら編集者になり、インタビュアーになり、執筆者になって独自の雑誌を年4号発行するもので、ごく普通のひきこもり青年たちの生き方や考え方が、率直に語られている。これまで2年の助成で8号まで出ることになっており、すでに6号までが出ているが、市場での成立はまだ難しい。
同じ課題をもつ若者や家族にとっての貴重なメッセージを提供している点を高く評価し、さらに2号分の助成を行なうこととした。その間に今後の自立出版に向けた工夫がなされることを期待したい。

(14)拘置所に収監中の薬物依存者へのインタベンション・プログラム

・ 団体名:フリーダム
・ 代表者:山本眞
・ 主な活動地域:大阪府

【推薦理由】

当団体は、薬物依存症の本人と家族の相談やサポートを行なうとともに、薬物依存症からの回復を支える社会環境づくりを主な活動としている。拘置所に収監されている薬物依存者への直接的な働きかけによる再発防止の試みは、わが国においては極めて先進的なものと思われる。弁護士との連携により直接手渡されるパンフレットや情報から、この団体相談員が行なう拘置所での面会数は2年間で400件を超え、拘置所からの面会依頼が後を絶たない程のインパクトを与えている。しかし、拘置所への面会活動も、その面会者の多くは累犯者であり、大半が実刑判決を受け刑務所に収容されてしまうのが現実である。
助成3年目となる今回は、拘禁中に独習可能なテキストやワークブックを作成して差し入れし、被収容者自身に独習させようという、より一歩踏み込んだ試み。拘置所での面会時間は限られているものの、拘禁中の被収容者には圧倒的な時間があるという。このあり余る時間に、薬物使用の再犯に苦しむ依存者が、依存症を認識し回復への道筋を見つける手立てとなることを期待したい。

(15)在日マイノリティ高齢者の生活向上のための社会運動

・ 団体名:特定非営利活動法人神戸定住外国人支援センター
・ 代表者:金宣吉
・ 主な活動地域:兵庫県

【推薦理由】

1年目の助成では、渡日史や生活史の聞き取り調査やビデオでの記録撮りの結果から、社会保障の不備と福祉制度の煩雑さ、言葉の障害が重なって社会的にも取り残されている在日コリアン高齢者の実態を明らかにした。2年目の助成では、これらの実態を踏まえて援助のための冊子づくり、支援のための人材養成に取り組んでいる。
継続応募では、これまでの成果を踏まえて、在日外国人のマイノリティ高齢者に対する、複雑な福祉や医療行政などの通訳、付き添いなどをするコミュニティ・サポーター派遣制度の確立に向けてのパイロット事業を発展させて、行政に働きかけようとしている。あわせてこれまでの活動成果を冊子にし、シンポジュームを開催して、3年間のまとめをしようとしている。コミュニティ・サポーター制度が、単に在日コリアン高齢者支援にとどまることなく、地域のベトナム人、ブラジル人、中国からの帰国者支援に結びつく可能性が高いことが評価され、3年目の継続助成が必要と判断された。

このページの先頭へ

このページの先頭へ

ここから下部共通部分です
ファイザー
Copyright© Pfizer Japan Inc. All rights reserved.
上部共通ナビゲーションに戻る