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ファイザープログラム 助成団体 THE BIG ISSUE 掲載記事

自己カウンセリングと農作業をセット
「アグリセラピー」で自分らしさを取り戻す
-NPO法人 オーガニック・ライフ・コラボレーション

3万人の相談を受けてきたカウンセリング経験を生かし、それに農業体験を組み合わせた「アグリセラピー」。働く人のメンタルヘルスケアと農村の活性化を目指す「NPO法人 オーガニック・ライフ・コラボレーション」のみなさんに話を聞いた。

大手企業勤務から臨床心理士へ 野菜作りで自分を取り戻す

画像:代表理事 福本 裕子さん 代表理事 福本 裕子さん

現在、オーガニック・ライフ・コラボレーション(以下OLC)の代表を務める福本裕子さんは、かつて大手企業に勤めていたが、ストレスから心身に不調をきたすようになり、「子どもの就学前に、フリーの仕事に転身しよう」と決心した。

臨床心理士の資格を取り、14~15年前からクリニックや民間の電話相談、青少年会館や女性センター、企業などでカウンセリングを行い、これまでに3万人近い人の相談を受けてきた。

「うつ状態でつらいとか、ずっとひきこもっているとか、何浪しても大学に入れへん、人生終わりやとか。人間関係に悩んで深夜、職場から電話してくる会社員や看護師もいました。特にクリスマスとかお正月とか、世間が浮かれている時期には相談が増えました」

同じ頃、趣味で野菜作りも始めた。自宅の庭に小さな畝を二つ作ってトマトやピーマンなどを植え、無農薬・無肥料で育ててみた。

「土に触れている時間は夢中になれるし、形が悪くても酸っぱくても、自分で作ったものは何よりもおいしい。人間も自然の一部であることを改めて意識し、五感を取り戻せば、本来の自分に立ち返れるんじゃないかと思うようになりました」

そこで、まずは「食の大切さ」に関心をもってもらおうと04年、任意団体としてOLCを立ち上げた。あわただしい日常の中に、自分を取り戻すブレイクタイムとしての「おやつの時間」を取り入れようと提唱し、オーガニックな食材を使ったパーティなどのイベントを開催した。

さらに07年には、「自分らしい生き方で、自然と調和した暮らしができる社会」の実現を目標に掲げ、NPO法人として再出発した。活動の趣旨に賛同した中小企業の社長や主婦、教師など5、6人が最初のメンバーとなった。

春から冬へ、作物の成長とともに自分と向き合う

写真:事務局長 林みどりさん(写真左)/スタッフ ロドリゲス真理さん(写真右)事務局長 林みどりさん(写真左) / スタッフ ロドリゲス真理さん(写真右)

新生OLCでは福本さんが中心となり、自然と触れ合う農作業と自己カウンセリングを組み合わせることで、自分らしい生き方に気づいてもらうオリジナルの「アグリセラピー」と名づけたプログラムを確立。これは、4月から12月までの9ヵ月間、月に2度、1回3時間の講座を開くというもの。

毎月1回は、「セラピー講座」だ。
「自分を『種』に見立て、春の発芽から秋の収穫、実りの活用までをどのように迎えるべきか考えながら、自分と向き合うワークに取り組んでもらいます。最後に、その結果を参加者全員でシェアすることによって、新たな気づきがもたらされます」

もう1回は、自然に見習うことをベースにした農家や農林業関係者、森のガイド、大学の教授、さらには喜劇脚本家などを講師として招き、彼らの生き方に学ぶ「特別講座」だ。どちらの講座も、講義と「農薬も肥料も使わない自然栽培による農作業体験」がセットになっている。

今年4月からアグリセラピーに参加しているロドリゲス真理さんは、カフェに置かれていたチラシをたまたま目にしてOLCの存在を知った。「仕事で中南米に行っていましたが、職場の人間関係に悩み、一時は死ぬことばかり考えていました。仕事をやめてスペイン人の夫と結婚したのを機に神戸へ移っても、近くに知り合いもいなくて、気持ちは不安定になる一方でした」

もともと農業に関心があった真理さんはチラシを目にし、メンタルな部分と農業の両方を学べることに魅力を感じたという。

「私の場合、仕事が自分のアイデンティティーになっていたので、仕事をやめた自分には価値がないと思えて、その不満を夫にぶつけてばかりいました。ところが講座を受けてからは、飾らない自分のままでも十分に価値があるんだと思えるようになりました」

この講座では、親との関係を知るワークも体験した。幼い頃から母との確執に悩んできた真理さんは、「親からしてもらったことに対して、自分がしたことの少なさに気づかされ、いつの間にか憎しみが消えて感謝の気持ちが芽生えるようになった」という。

そして、今年の秋からはOLCのスタッフとして、事務所の仕事も手伝っている。

高まる「生きる活力」「ストレス対処能力」

写真:自然栽培による農作業体験自然栽培による農作業体験

これまでにもアグリセラピーの受講生からは「心が軽くなった」「自分の生き方を知ると楽しくとても幸せだ」などの声が寄せられていた。その効果を客観的計測値として表すことで、次の展開へとつなぐことはできないか。そう考えたOLCはファイザープログラムの助成を受け、アグリセラピーの効果を調査することになった。

調査には、怒りや不安などに関する質問に答えることで感情の状態を知ることができる「POMS(ポムズ)」や、ストレス対処能力を測定する「SOC」といった心理テストが用いられた。

受講生15人を対象に、受講の前と後、農作業の前と後の計4回記入してもらったところ、講座後には「生きる活力」、農作業後には「リラクゼーション効果」が高まることがわかった。また9ヵ月を通して見ると、講座修了後には「ストレス対処能力」が大幅に上がることが明らかになった。

このように効果を数値化したことで、一般企業の産業医も、気分障害などで休職中の社員も含めたメンタルヘルスケアの一環としてアグリセラピーに関心を寄せるようになったという。

「私たちがアグリセラピーを行っている場所の一つが、神戸市北区大沢町です。自然豊かな町ですが、農家の高齢化に伴う遊休地の増加が問題になっています。ここに多くの人たちを呼び込むことができれば、遊休地の利用にもつながるし、町にも活気が戻るかもしれません」と福本さんは言う。

それ以外にもOLCでは、人工林の復興や耕作放棄地の再生などについて考える「里地里山再生活動」に取り組んでいる。また、そのような問題を抱える自治会の話し合いや地域の行事にも積極的に参加し、協力態勢を築く道を探っている。

事務スタッフに強力な助っ人も加わった。2年半ほど前まで経営コンサルタント会社に勤めていた林みどりさんだ。「ある農事組合法人の百貨店催事を企画・運営した際、手塩にかけて農作物を育てても、情報発信の方法がわからず、販路を拡大できずにいる農家が少なくないことを知った」という林さんは会社をやめ、OLCの事務局長として農家の抱える問題などにも取り組んでいく道を選んだ。

そして来年4月からは、OLCが中心となって運営する「自然環境体験型保育『こびとのもり』」が開園する。福本さんはこれまでの経験から、「心が折れやすい人は、どちらかといえば・いい子・を演じてきた人が多い」と感じてきた。

「心を強くするには、情報より体験を重視した教育が必要だとの思いから、ずっと注目してきたのが『森のようちえん』です。これはデンマークで始まった保育法で、子どもたちが森や山や田畑で自発的な体験をできるよう促します。子どもたちが入って遊べる場所にできれば山の環境保全にもつながりますし、田畑での体験は食を大事にする心もはぐくみます。『種と鍬さえあれば、どこでも生きていくで』くらいの頼もしい子どもが、一人でも多く育ってくれることを願っています」

NPO法人 オーガニック・ライフ・コラボレーション

04年、任意団体として「オーガニック・ライフ・コラボレーション」を発足。カウンセリング、カウンセラー養成講座、日常に安らぎを提唱するイベント、食育を提唱するイベントを開催。07年、NPO法人に認定。「アグリセラピー講座」、傾聴の方法をマスターする「あっ!そうかコミュニケーション講座」、里地里山再生活動、有機農産物等の販路構築などに取り組んでいる。

〒658-0001 兵庫県神戸市東灘区森北町4-4-12-A26
TEL&FAX : 078-451-2898
メール : info@olc-net.com
ホームページ : http://www.olc-net.com/

※名称・団体名はTHE BIG ISSUE掲載当時のものです。

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