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メルクとファイザー、前治療歴のある進行非小細胞肺がんを対象とした
アベルマブ単剤療法による第Ⅲ相JAVELIN Lung 200試験の最新情報を発表

報道関係各位

2018年3月7日
ファイザー株式会社
メルクセローノ株式会社

●この資料は、2018年2月15日に独・メルクおよび米・ファイザーが発表した英語版プレスリリースの翻訳で、参考資料として提供するものです。正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先します。 英語版は http://www.merckgroup.comまたはhttp://www.pfizer.comをご参照ください。
●JAVELIN Lung 200試験には日本も参加しております。
●日本においてアベルマブ(製品名:バベンチオ®)は、2017年9月に製造販売承認を取得し、11月22日に発売しております。適応症は「根治切除不能なメルケル細胞癌」です。

ドイツ・ダルムシュタットおよび米国・ニューヨーク発、2018年2月15日-独メルク(以下、メルク)と米ファイザー(以下、ファイザー)は本日、白金製剤を含む2剤併用療法後に進行が認められた切除不能、再発または転移性非小細胞肺がん(以下、「非小細胞肺がん」を「NSCLC」と略記)を対象としてアベルマブ*とドセタキセルを比較した第Ⅲ相試験JAVELIN Lung 200の結果を発表しました。本試験では、主要評価項目であるPD-L1陽性(1%以上)の腫瘍を有する患者群に対する全生存期間(OS)の改善は示さなかった(ハザード比:0.90 [96%信頼区間:0.72-1.12]、p値0.1627、片側)ものの、本試験の化学療法群(ドセタキセル群)の患者において、本試験後の後治療に他の免疫チェックポイント阻害剤の治療を受けた患者割合が、過去に実施された同様の患者群を対象とした試験と比べて高く、この点が試験結果に影響を及ぼした可能性があります(免疫チェックポイント阻害剤による後治療を受けた患者割合は、ドセタキセル群で26.4%、アベルマブ群で5.7%)。

しかしながら、PD-L1中等度陽性(50%以上、試験対象集団の約40%)およびPD-L1強陽性(80%以上、試験対象集団の約30%)の患者において、アベルマブ投与群は化学療法群と比べOSの改善が認められました(それぞれ、ハザード比:0.67 [95%信頼区間:0.51-0.89]、p値 0.0052、両側、およびハザード比:0.59 [95%信頼区間:0.42-0.83]、p値 0.0022、両側)。本試験で得られたアベルマブの安全性プロファイルは、他のJAVELIN臨床開発試験で報告されたものと同様で、安全性に関する新たな知見は得られませんでした。

治験責任医師でありフランス エクス・マルセイユ大学とマルセイユ公立大学病院機構で学際的腫瘍学・治療法イノベーション部長を務めるFabrice Barlesi(M.D., PhD.)は、次のように述べています。「本試験において示されたアベルマブの有効性ならびに安全性は、従来通りのものでした。今日、複数の免疫チェックポイント阻害剤が承認されており、免疫療法未治療で前治療歴のある進行NSCLC患者さんの多くが、病勢進行後に免疫チェックポイント阻害剤の治療を受けています。こうした点がJAVELIN Lung 200試験の対照群で認められ、主要試験結果に影響を及ぼした可能性が考えられます。」

メルクのバイオファーマ・ビジネス研究開発部門のグローバル責任者であるLuciano Rossetti(M.D.)は、次のように述べています。「この臨床試験で認められたアベルマブの全体的な有効性は、複数の評価項目とサブグループにわたり、期待された効果を示し、従来のプロファイルと一貫しています。しかしながら、化学療法群では、過去の白金製剤治療後の患者さんを対象とした免疫治療の臨床試験と比較して、OSの改善が示されました。これは、他の免疫チェックポイント阻害剤へのクロスオーバーの影響による可能性が高いと考えます。」

ファイザーのグローバル製品開発部門の腫瘍免疫、早期開発およびトランスレーショナル・オンコロジー領域担当シニア・ヴァイス・プレジデントのChris Boshoff(M.D.、PhD.)は、次のように述べています。「今後、サブグループのデータや試験後の他の免疫チェックポイント阻害剤治療の影響について検討する予定です。引き続き、広範囲にわたるアベルマブ試験プログラムを進行させ、様々な適応症の拡大を進めてまいります。」

メルクとファイザーはJAVELIN Lung 200試験に関するデータをより詳細に解析し、今後の学会にて発表する予定です。また、両社は各国の規制当局に情報共有を予定しています。

2017年、アベルマブは米国食品医薬品局(FDA)から転移性メルケル細胞がん(mMCC)の適応症で迅速承認を取得し、さらに、前治療歴を有する局所進行、もしくは転移性尿路上皮がんの適応症で追加承認を得ました。続いて、欧州において、2017年後半にmMCCの適応で承認を得ました。また日本においては、「根治切除不能なメルケル細胞癌」の適応症で2017年9月に製造販売承認を取得し、11月22日に発売しております(製品名:バベンチオ®)。

JAVELINの名称で知られるアベルマブの臨床開発プログラムには、少なくとも30の臨床プログラムがあり、約7,000名の患者さんが15を超える異なるがん種での評価に参加しています。JAVELINにはNSCLCの他、乳がん、胃/胃食道接合部がん、頭頚部がん、ホジキンリンパ腫、悪性黒色腫、中皮腫、メルケル細胞がん、卵巣がん、腎細胞がんおよび尿路上皮がんが含まれています。

2017年12月には、未治療の進行腎細胞がんを対象としたアベルマブの併用療法が、米国FDAよりブレークスルー・セラピー(画期的治療薬)に指定されました。

*アベルマブは現在、転移性NSCLCの治療薬として臨床開発段階にあり、この適応における安全性と有効性は実証されていません。アベルマブがNSCLCに関して世界の規制当局から承認されるという保証はありません。

†主要評価項目に達成しない場合、統計的有意性については、設定された統計的有意水準(すなわち、両側検定におけるp値0.05)を用いて、正式に提示することはできません。現状では、第一種過誤について厳密にコントロールしておらず、p値についての解釈は注意を要します。

参考

【JAVELIN Lung 200試験について】

JAVELIN Lung 200試験は、白金製剤を含む併用化学療法後に病勢進行が認められた局所進行で切除不能、再発もしくは転移性のNSCLCを対象として、アベルマブとドセタキセルを比較評価する第Ⅲ相無作為化・非盲検・多施設共同試験です。この試験には、北米、南米、アジア、アフリカ、オーストラリア、欧州のおよそ260カ所の施設から792名の患者さんが登録されています。この試験の主要目的は、白金製剤を含む併用化学療法後に病勢進行が認められたPD-L1陽性で切除不能の再発または進行NSCLCを対象として、アベルマブ投与群がドセタキセル投与群と比べ全生存期間(OS)で優越性を示すことを証明することです。

【JAVELIN Lung プログラムについて】

JAVELIN Lung 200試験の他にも、アベルマブの肺がん臨床開発プログラムとして、アベルマブの単剤療法または他剤併用療法を評価する試験が複数実施されています。JAVELIN Lung 100試験は、治療歴のない転移性NSCLCを対象とし、アベルマブの安全性と有効性を、白金製剤を含む併用化学療法と比較する第Ⅲ相無作為化・非盲検・多施設共同試験です。JAVELIN Lung 101試験は、進行もしくは転移性NSCLCを対象に、アベルマブとファイザーのクリゾチニブまたはロルラチニブとの併用療法の安全性と有効性を評価する第Ib/II相多施設共同・国際・用量設定試験です。JAVELIN Medley試験は、NSCLCを含む局所進行または転移固形腫瘍を対象に、アベルマブと他の免疫阻害薬との併用療法を評価する第Ib/II相無作為化・非盲検・多施設共同・用量設定試験です。

【非小細胞肺がん(NSCLC)について】

がん関連死において、肺がんは世界的に見ても男性でトップ、女性で2番目に多い死因であり1、これによる死亡数は大腸がん、乳がん、前立腺がんを合わせたものより多くなっています2。NSCLCは最も多く見られるタイプの肺がんで、全肺がんの80~85%を占めます3。体の他の部分に広がった(転移した)肺がんと診断された場合の5年生存率は1パーセントです4

【アベルマブについて】

アベルマブは、PD-L1と呼ばれるタンパク質を特異的に阻害するヒト型抗体です。動物モデルでは、アベルマブにより自然および獲得性の免疫作用の両者に活性化が認められています。また、アベルマブがPD-L1に結合することにより、抑制されていたT細胞を介した免疫反応による抗腫瘍作用の活性化が認められています5-7。なお、アベルマブは、薬理作用としてin vitroで抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性を誘導することが確認されています7-9。2014年11月、メルクとファイザーは、アベルマブを共同開発し、製品化する戦略的提携の締結を発表しました。

【米国で承認されている適応症】

米国食品医薬品局(FDA)は、(i)成人および小児(12歳以上)の転移メルケル細胞がん(mMCC)および(ii)白金製剤を含む化学療法後に病勢進行が認められたか、または白金製剤を含む化学療法を使用した術前または術後の補助療法から12カ月以内に病勢進行が認められた局所進行・転移尿路上皮がん(以下、「尿路上皮がん」を「UC」と略記)の治療薬として、迅速承認に基づきアベルマブ(製品名:バベンチオ®)を承認しました。これらの適応での承認取得は条件付きであり、検証的試験において臨床的ベネフィットの検証が必要です。

【FDAの添付文書に基づく重要な安全性情報】

アベルマブの警告および注意事項には、免疫関連性有害事象(肺臓炎、肝炎、大腸炎、内分泌障害、腎炎、腎機能障害、その他有害反応)、注入に伴う反応、胎芽・胎児毒性が含まれます。

アベルマブの投与を受けたmMCCまたは局所進行・転移UC患者に認められた主な有害事象(患者さんの20%以上で報告)は、疲労感、筋骨格痛、下痢、悪心、注入に伴う反応、末梢性浮腫、食欲減退/食欲不振、尿路感染症、発疹でした。

メルクとファイザーの提携について

腫瘍免疫分野は両社にとって最も重要な領域です。グローバル戦略提携によって両社は強みと能力を互いに享受しあい、抗PD-L1抗体薬 アベルマブに対するさらなる有効性の探索が可能になります。同薬は当初メルクが見出し、開発してきました。この腫瘍免疫領域における両社の提携により、アベルマブの開発、製品化、さらにはファイザーの抗PD-1抗体薬の開発が進められていきます。両社はこの提携を通じ、単剤または併用療法としてのアベルマブの研究に向けて優先度の高い国際的な臨床試験プログラムの開発に注力し、がんの新たな治療法の発見に取り組んでいます。

メルクについて

Merck(メルク)はヘルスケア、ライフサイエンス、パフォーマンスマテリアルズの分野における世界有数のサイエンスとテクノロジーの企業です。がんや多発性硬化症のためのバイオ医薬品を用いた治療法から、科学研究と生産に関する最先端システム、スマートフォンや液晶テレビ向けの液晶材料にいたるまで、約5万人の従業員が人々の暮らしをより良くする技術の一層の進歩を目指しています。2016年は66カ国で150億ユーロの売上高を計上しました。
メルクは1668年に創業された世界で最も歴史の長い医薬・化学品会社で、創業家が今でも、上場企業が率いるグループの株式の過半数を所有しています。メルクの名称およびブランドのグローバルな権利は、メルクが保有しています。唯一の例外は米国とカナダで、両国ではEMDセローノ、ミリポアシグマ、EMDパフォーマンスマテリアルズとして事業を行っています。

メルクセローノ株式会社について

メルクセローノ株式会社は、「メルク・ヘルスケア ビジネス」(本社:ドイツ・ダルムシュタット)における、バイオ医薬品事業部門の日本法人です。2007年10月1日に発足し、がん、腫瘍免疫および不妊治療領域を重点領域としています。
メルクセローノ株式会社の詳細については www.merckserono.co.jpをご覧ください。

ファイザーオンコロジーについて

ファイザーオンコロジーは、がんとともに生きる患者さんに意義のある影響をもたらす革新的な治療薬を追求しています。オンコロジー領域におけるリーダーとして、画期的かつアクセス可能な治療薬を迅速にお届けし、がん患者さんの生活に変革をもたらすべく取り組んでいます。業界屈指の、生物学的製剤、低分子、免疫療法からなる豊富な開発パイプラインを有し、優れた革新的医薬品を探索し、多様ながんに臨床応用することに注力して研究を進めています。オンコロジー領域において重要なことは、医薬品の製造だけでなく、緊密なパートナーシップにより患者さんの生活改善を目指すこと。学会、研究者、共同研究グループ、政府、提携先などと協力しながら、革新的医薬品によるがんの治癒、あるいは、コントロールにまい進していきます。詳しくはwww.pfizer.comをご覧ください。

ファイザーについて:より健康な世界の実現のために

ファイザーはサイエンスとグローバルなリソースを活用し、皆様が健康で長生きし、生活を大きく改善するための治療薬をお届けしています。私たちは、ヘルスケア製品の探索・開発・製造におけるクオリティ・安全性・価値の基準設定をリードしていくことを目指しています。当社のグローバルなポートフォリオには、医薬品とワクチンに加え、世界的に著名なコンシューマー・ヘルスケア製品が含まれています。ファイザーの社員は先進国および新興市場で、今、この時代に最も恐れられている疾患の予防・治療・治癒に役立つ製品を通じて健康に貢献しています。卓越した革新的医薬品企業の責務として、優れた医薬品を誰もが容易に入手できるように、ファイザーは世界中の医療従事者、政府、地域社会と協力しています。私たちに信頼を寄せてくださる皆様のため、150年以上にわたり前進を続けてきました。詳細は当社のウエブサイト(www.pfizer.com)をご覧ください。また、ファイザー株式会社(日本法人)の取り組みは、下記ホームページよりご覧いただけます。 www.pfizer.co.jp

<出典>

  1. 1. American Cancer Society (2015) Global facts & figures third edition. Available from: www.cancer.org/acs/groups/content/@research/documents/document/acspc-044738.pdf. Accessed February 2018.
  2. 2. American Cancer Society (2017) Key statistics for lung cancer. Available from: https://www.cancer.org/cancer/non-small-cell-lung-cancer/about/key-statistics.html. Accessed February 2018.
  3. 3. American Cancer Society (2016) What is non-small cell lung cancer? Available from: https://www.cancer.org/cancer/non-small-cell-lung-cancer/about/what-is-non-small-cell-lung-cancer.html. Accessed February 2018.
  4. 4. Cancer.net. Lung cancer - non-small cell: statistics. Available from: http://www.cancer.net/cancer-types/lung-cancer-non-small-cell/statistics. Accessed February 2018.
  5. 5. Dolan DE, Gupta S. PD-1 pathway inhibitors: changing the landscape of cancer immunotherapy. Cancer Control 2014;21(3):231-7.
  6. 6. Dahan R, Sega E, Engelhardt J, et al. FcγRs modulate the anti-tumor activity of antibodies targeting the PD-1/PD-L1 axis. Cancer Cell 2015;28(3):285-95.
  7. 7. Boyerinas B, Jochems C, Fantini M, et al. Antibody-dependent cellular cytotoxicity activity of a novel anti-PD-L1 antibody avelumab (MSB0010718C) on human tumor cells. Cancer Immunol Res 2015;3(10):1148-57.
  8. 8. Kohrt HE, Houot R, Marabelle A, et al. Combination strategies to enhance antitumor ADCC. Immunotherapy 2012;4(5):511-27.
  9. 9. Hamilton G, Rath B. Avelumab: combining immune checkpoint inhibition and antibody-dependent cytotoxicity. Expert Opin Biol Ther 2017;17(4):515-23.

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