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メルクとファイザー、白金製剤抵抗性/不応性の卵巣がん患者を対象としたアベルマブに関する
最新情報を発表

報道関係各位

2018年12月18日
ファイザー株式会社
メルクセローノ株式会社

●この資料は、2018年11月19日に独・メルクおよび米・ファイザーが発表した英語版プレスリリースの翻訳で、参考資料として提供するものです。正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先します。 英語版はhttp://www.merckgroup.comまたはhttp://www.pfizer.comをご参照ください。
●JAVELIN Ovarian 200試験には日本も参加しております。
●日本においてアベルマブ(製品名:バベンチオ®)は、2017年9月に製造販売承認を取得し、同11月22日に発売しております。適応症は「根治切除不能なメルケル細胞癌」です。

ドイツ・ダルムシュタットおよび米国・ニューヨーク発、2018年11月19日-独メルク(以下、メルク)と米ファイザー(以下、ファイザー)は本日、第III相試験「JAVELIN Ovarian 200」において、主要評価項目である全生存期間(OS)または無増悪生存期間(PFS)の有意な延長が認められなかったことを発表しました。本試験は、白金製剤抵抗性または不応性の卵巣がん患者を対象としたアベルマブ*単剤療法またはアベルマブと化学療法の1つであるペグ化リポソーマルドキソルビシン(PLD)との併用療法をPLD単剤療法と比較評価する第III相試験です。アベルマブとPLDの併用療法群においては、PLD単剤療法群と比較して有効性のシグナルが認められ、本試験のさらなる解析の妥当性が確認されました(アベルマブとPLDの併用療法群とPLD単剤療法群のPFSのハザード比:0.78 [繰り返し信頼区間:0.587-1.244、p値0.0301、片側]、アベルマブとPLDの併用療法群とPLD単剤療法群のOSのハザード比:0.89 [繰り返し信頼区間:0.744-1.241、p値0.2082、片側]、アベルマブ単剤療法群とPLD単剤療法群のPFSのハザード比:1.68 [繰り返し信頼区間:1.320-2.601、p値>0.99、片側]、アベルマブ単剤療法群とPLD単剤療法群のOSのハザード比:1.14 [繰り返し信頼区間:0.948-1.580、p値0.8253、片側]、副次的評価項目である奏効率:アベルマブとPLDの併用療法群で13.3% [95%信頼区間:8.8-19.0]、アベルマブ単剤療法群で3.7% [95%信頼区間:1.5-7.5]、PLD単剤療法群で4.2% [95%信頼区間:1.8-8.1])。本試験では未知の副作用は報告されておらず、アベルマブの安全性プロファイルは、JAVELIN臨床開発プログラム全体で認められたものと一致したものでした。現在、データの解析が進められており、詳細な結果は今後発表される予定です。

ファイザー社グローバル製品開発オンコロジー・グループの早期開発、トランスレーショナルおよび腫瘍免疫領域担当シニア・ヴァイス・プレジデントのChris Boshoff(M.D.、PhD.)は、次のように述べています。「JAVELIN Ovarian 200では、白金製剤による化学療法が奏効しなかった進行・難治性患者さんが高い割合を占めていました。このような患者さんは治療困難であることが知られているため、通常は卵巣がんの第III相試験には組み入れられません。しかし私たちは、こうした患者さんが新たな治療選択肢を切に求めていることを認識しており、白金製剤抵抗性または不応性の病勢に対して免疫チェックポイント阻害剤を評価する初めての第III相試験として、JAVELIN Ovarian 200を開始しました。本試験の結果は、患者さんが重大な課題に直面していることを物語っています」

メルクのバイオファーマ・ビジネス研究開発部門のグローバル責任者であるLuciano Rossetti(M.D.)は、次のように述べています。「OSとPFSは統計的有意には達しませんでしたが、本試験の結果は、アベルマブと化学療法の併用が臨床的抗腫瘍活性を持つ可能性を示しており、さらなる解析を進めていきます。JAVELIN Ovarian 200に参加された患者さんとご家族、治験責任医師の皆様に感謝するとともに、私たちが引き続き卵巣がん治療の前進に尽力することをお伝えしたいと思います。現在、2つの第III相試験が進行中であり、1つは未治療の卵巣がんに対するアベルマブと化学療法との併用療法を評価する試験、もう1つはアベルマブと化学療法の併用療法に続き、アベルマブとPARP阻害剤の併用で維持療法を行う試験です」

パリ中央大学病院シテ・オテルデューの婦人科がん・臨床研究部門責任者のEric Pujade-Lauraine(M.D., Ph.D.)は、次のように述べています。「白金製剤抵抗性または不応性の卵巣がんに対する効果的な治療法は、再発卵巣がんにおける最大のアンメット・ニーズです。白金製剤抵抗性または不応性卵巣がん患者さんの平均余命が1年未満であることからも分かるとおり、現在の治療選択肢は限られている上、大部分の患者さんにとってはわずかな延命効果しか期待できません。私は研究者として、また臨床医として、進行卵巣がんの予後改善への取り組みがいかに重要であるかを認識しており、アベルマブが白金製剤感受性の患者さんやより早期の治療ラインにおいても再発を遅らせる役割を果たす可能性を探る、さらなる試験結果に期待しています」

卵巣がん患者さんの5人のうち4人は、診断時には既に進行段階にあります。卵巣がんでは、より治療可能性のある早期段階においては症状がない場合がほとんどです1。標準的な1次治療である白金製剤による化学療法を受けた卵巣がん患者さんの約70%は、3年以内に再発します2。初回再発の卵巣がんの約20%~25%は白金製剤抵抗性または不応性を示し、最終的にはほぼすべての患者さんが白金製剤に抵抗性を示すようになります3-6

JAVELIN Ovarian 200は、白金製剤による化学療法に抵抗性または不応性を示す卵巣がん患者さん566名を対象とし、アベルマブ単剤療法またはアベルマブとPLDの併用療法の有効性と安全性をPLD単剤療法と比較評価する多施設共同・無作為化第III相臨床試験です。主要評価項目は、アベルマブ投与群の一方または両方について、PLD単剤と比較してOSまたはPFSの優越性を明らかにすることです。

卵巣がんに対するアベルマブの臨床開発プログラムでは、JAVELIN Ovarian 200に加え、アベルマブと他の治療薬の併用療法を評価する複数の臨床試験が進行中です。JAVELIN Ovarian 100は、未治療の局所進行性または転移性(ステージIIIまたはステージIV)の上皮性卵巣がんに対して、アベルマブを白金製剤による化学療法との併用療法、または後続(維持)療法として評価する国際多施設共同・無作為化第III相非盲検試験です。JAVELIN Ovarian 100は、進行卵巣がんの標準的な1次治療への免疫療法の追加を評価する初めての第III相試験です。JAVELIN Ovarian PARP 100は、未治療の進行卵巣がんを対象に、アベルマブと化学療法の併用療法に続きアベルマブとPARP阻害剤の併用で維持療法を行う患者群、または化学療法の後にPARP阻害剤単剤による維持療法を行う患者群を検討する多施設共同・無作為化第III相非盲検試験です。さらに、アベルマブと他の婦人科がんの治療薬の併用療法に関する研究も進行中です。

*アベルマブは現在、卵巣がんの治療薬として臨床開発段階にあり、卵巣がんの適応における安全性と有効性は実証されていません。アベルマブが卵巣がんの適応で世界の規制当局から承認を取得する保証はありません。

参考

JAVELIN臨床開発プログラムについて

メルクとファイザーが共同で実施しているアベルマブのJAVELIN臨床開発プログラムは、30以上の臨床プログラムがあり、15以上の異なるがん種を対象に9,000名以上の患者さんが登録されています。JAVELIN臨床開発プログラムには卵巣がんの他、乳がん、胃/胃食道接合部がん、頭頸部がん、悪性黒色腫、中皮腫、メルケル細胞がん、非小細胞肺がん、腎細胞がんおよび尿路上皮がんが含まれています。

卵巣がんについて

毎年、全世界で約295,000人以上が卵巣がんと診断されています7。卵巣がんは、ほとんどの場合、進行した段階で診断されます。早期には症状がほとんどない、あるいはまったくないことが多いため、病勢が進行するまで発見が困難です。卵巣がんに特異的な症状はなく、それほど重篤でないがん以外の疾患と混同されがちです。5年生存率は約30%~50%で、転移が認められる場合は20%以下にまで下がります7,8

アベルマブについて

アベルマブは、PD-L1と呼ばれるタンパク質を特異的に阻害するヒト型抗体です。動物モデルでは、アベルマブにより自然および獲得性の免疫作用の両者に活性化が認められています。また、アベルマブがPD-L1に結合することにより、抑制されていたT細胞を介した免疫反応による抗腫瘍作用の活性化が認められています9-11。なお、アベルマブは、薬理作用としてin vitroで抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性を誘導することが確認されています11-13。2014年11月、メルクとファイザーは、アベルマブを共同開発し、製品化する戦略的提携の締結を発表しました。

米国で承認されている適応症

米国食品医薬品局(FDA)は、(i)成人および小児(12 歳以上)の転移性メルケル細胞がん(mMCC)および(ii)白金製剤を含む化学療法後に病勢進行が認められたか、または白金製剤を含む化学療法を使用した術前または術後の補助療法から12 カ月以内に病勢進行が認められた局所進行・転移性尿路上皮がんの治療薬として、迅速承認に基づきアベルマブ(製品名:バベンチオ®)を承認しました。これらの適応での承認取得は条件付きであり、検証的試験において臨床的ベネフィットの検証が必要です。

アベルマブは現在、mMCCの治療薬として世界35カ国以上で承認されており、その大半は使用可能な治療ラインを限定しないものです。

FDAの添付文書に基づく重要な安全性情報

アベルマブの警告および注意事項には、免疫関連有害事象(肺臓炎、肝炎、大腸炎、内分泌障害、腎炎、腎機能障害、その他有害反応)、注入に伴う反応、胎芽・胎児毒性が含まれます。

アベルマブの投与を受けたmMCCまたは局所進行・転移尿路上皮がん患者さんに認められた主な有害事象(患者さんの20%以上で報告)は、疲労感、筋骨格痛、下痢、悪心、注入に伴う反応、末梢性浮腫、食欲減退/食欲不振、尿路感染症、発疹でした。

メルクとファイザーの提携について

腫瘍免疫分野は両社にとって最も重要な領域です。グローバル戦略提携によって両社は強みと能力を互いに享受しあい、抗PD-L1抗体薬 アベルマブに対するさらなる有効性の探索が可能になります。同薬は当初メルクが見出し、開発してきました。この腫瘍免疫領域における両社の提携により、アベルマブの開発、製品化、さらにはファイザーの抗PD-1抗体薬の開発が進められていきます。両社はこの提携を通じ、単剤または併用療法としてのアベルマブの研究に向けて優先度の高い国際的な臨床試験プログラムの開発に注力し、がんの新たな治療法の発見に取り組んでいます。

メルクについて

Merck(メルク)はヘルスケア、ライフサイエンス、パフォーマンスマテリアルズの分野における世界有数のサイエンスとテクノロジーの企業です。がんや多発性硬化症のためのバイオ医薬品を用いた治療法から、科学研究と生産に関する最先端システム、スマートフォンや液晶テレビ向けの液晶材料にいたるまで、約53,000人の従業員が人々の暮らしをより良くする技術の一層の進歩を目指しています。2017年は66カ国で153億ユーロの売上高を計上しました。
メルクは1668年に創業された世界で最も歴史の長い医薬・化学品会社で、創業家が今でも、上場企業が率いるグループの株式の過半数を所有しています。メルクの名称およびブランドのグローバルな権利は、メルクが保有しています。唯一の例外は米国とカナダで、両国ではEMDセローノ、ミリポアシグマ、EMDパフォーマンスマテリアルズとして事業を行っています。

メルクセローノ株式会社について

メルクセローノ株式会社は、「メルク・ヘルスケア ビジネス」(本社:ドイツ・ダルムシュタット)における、バイオ医薬品事業部門の日本法人です。2007年10月1日に発足し、がん、腫瘍免疫および不妊治療領域を重点領域としています。 メルクセローノ株式会社の詳細については https://www.merckgroup.com/jp-ja/company/merckserono.htmlをご覧ください。

ファイザーオンコロジーについて

ファイザーオンコロジーは、がんとともに生きる患者さんに意義のある影響をもたらす革新的な治療薬を追求しています。オンコロジー領域におけるリーダーとして、画期的かつアクセス可能な治療薬を迅速にお届けし、がん患者さんの生活に変革をもたらすべく取り組んでいます。業界屈指の、生物学的製剤、低分子、免疫療法からなる豊富な開発パイプラインを有し、優れた革新的医薬品を探索し、多様ながんに臨床応用することに注力して研究を進めています。オンコロジー領域において重要なことは、医薬品の製造だけでなく、緊密なパートナーシップにより患者さんの生活改善を目指すこと。学会、研究者、共同研究グループ、政府、提携先などと協力しながら、革新的医薬品によるがんの治癒、あるいは、コントロールにまい進していきます。詳しくはwww.pfizer.comをご覧ください。

ファイザーについて:より健康な世界の実現のために

ファイザーはサイエンスとグローバルなリソースを活用し、皆様が健康で長生きし、生活を大きく改善するための治療薬をお届けしています。私たちは、ヘルスケア製品の探索・開発・製造におけるクオリティ・安全性・価値の基準設定をリードしていくことを目指しています。当社のグローバルなポートフォリオには、医薬品とワクチンに加え、世界的に著名なコンシューマー・ヘルスケア製品が含まれています。ファイザーの社員は先進国および新興市場で、今、この時代に最も恐れられている疾患の予防・治療・治癒に役立つ製品を通じて健康に貢献しています。卓越した革新的医薬品企業の責務として、優れた医薬品を誰もが容易に入手できるように、ファイザーは世界中の医療従事者、政府、地域社会と協力しています。私たちに信頼を寄せてくださる皆様のため、150年以上にわたり前進を続けてきました。詳細は当社のウエブサイト(www.pfizer.com)をご覧ください。また、ファイザー株式会社(日本法人)の取り組みは、下記ホームページよりご覧いただけます。 www.pfizer.co.jp

<出典>

  1. 1. American Cancer Society. Facts and figures 2018. Special section: ovarian cancer. Available at: https://www.cancer.org/content/dam/cancer-org/research/cancer-facts-and-statistics/annual-cancer-facts-and-figures/2018/cancer-facts-and-figures-special-section-ovarian-cancer-2018.pdf. Accessed November 2018.
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  4. 4. Cooke SL, Brenton JD. Evolution of platinum resistance in high-grade serous ovarian cancer. Lancet Oncol. 2011; 12(12):1169-1174.
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