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抗PD-L1抗体バベンチオ®(一般名:アベルマブ(遺伝子組換え))、新適応症の追加を申請
~進行腎細胞がんに対するインライタ®(一般名:アキシチニブ)との併用療法で~

報道関係各位

2019年1月30日
ファイザー株式会社
メルクセローノ株式会社

メルクセローノ株式会社(本社:東京都目黒区、代表取締役社長:アレキサンダー・デ・モラルト、以下、メルクセローノ)は、2019 年1月30日、「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」の治療薬として、ファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:原田明久)と共同開発中の抗PD-L1抗体「バベンチオ®(一般名:アベルマブ(遺伝子組換え))」(以下、アベルマブ)の製造販売承認事項一部変更承認申請を厚生労働省に行いました。本申請は、免疫チェックポイント阻害剤アベルマブとチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)「インライタ®(一般名:アキシチニブ)」(以下、アキシチニブ)の併用療法による、未治療の進行腎細胞がんを対象とした第Ⅲ相試験結果に基づくものです。

アベルマブは、日本において2017年9月に「根治切除不能なメルケル細胞癌」の効能・効果で製造販売承認を取得し、同年11月から発売しています。

進行腎細胞がんは、承認された治療薬はあるものの、その予後は依然として不良です1。患者さんの約20%~30%が初診断時に転移期の腎細胞がんと診断されています2。遠隔転移した腎細胞がんの5年生存率は約12%です1

【メルクセローノ株式会社 取締役 研究開発本部 本部長/北東アジアハブサイトヘッド 松下 信利より】

「本日、グローバル戦略アライアンスに基づきファイザー社と開発を進めるアベルマブの適応症追加を日本において承認申請できたことは、予後が不良な進行腎細胞がんの患者さんやご家族にとって大きな一歩です。進行腎細胞がんの患者さんに一日も早く新たな治療選択肢をお届けできることを期待しつつ、私たちは引き続き腎細胞がんの標準治療の前進のために努力してまいります。」

【ファイザー株式会社 取締役(医薬開発担当) 石橋 太郎より】

「腎細胞がんに関する両社の知見を活かし、本疾患の治療薬としては初の抗PD-L1抗体となることが期待されるアベルマブが、弊社の分子標的薬アキシチニブとの併用療法で、本日、新効能追加の承認申請に至ったことを嬉しく思います。この併用療法が審査・承認され、近い将来、進行腎細胞がんの新たな治療選択肢となることを願っています。弊社は今後も、日本のがん患者さんに向けた革新的な薬剤の開発を進めてまいります。」

このたびの製造販売承認事項一部変更承認申請は、日本も参加した国際多施設共同・無作為化(割付比1:1)第Ⅲ相試験「JAVELIN Renal 101」の結果に基づいています。

JAVELIN Renal 101では、未治療の切除不能または転移を有する腎細胞がんの患者さん886例(日本人67例を含む)を対象として、アベルマブとアキシチニブの併用投与とスーテント®(一般名:スニチニブリンゴ酸塩)単剤投与の有効性と安全性を比較評価しました。主要評価項目はPD-L1陽性患者集団(発現率1%以上)における無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)であり、重要な副次評価項目としてPD-L1の発現を問わない全患者集団のPFSおよびOSを評価しました。

その中間解析の結果、PD-L1陽性患者集団だけでなく、PD-L1の発現を問わない全患者集団においても、統計学的に有意なPFSの延長を示しました。PD-L1の発現を問わない全患者集団において、アベルマブとアキシチニブの併用投与群とスーテント群のPFS中央値は、13.8カ月 vs. 8.4カ月(ハザード比:0.69; 片側検定p値= 0.0001)でした。OSについては、中間解析の時点でアベルマブとアキシチニブの併用投与群で良好な傾向がみられましたが、イベントが十分に集積されておらず、現在、評価継続中です3

本試験では安全性が懸念される新たな知見は認められず、アベルマブ、アキシチニブ、スーテントの有害事象は、いずれも従来の安全性プロファイルと一貫していました3

JAVELIN Renal 101の試験結果は、2018年10月の欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で公表されました。なお、未治療の進行腎細胞がんを対象としたアベルマブとアキシチニブの併用療法は、2017年12月、米国食品医薬品局(FDA)によりブレークスルー・セラピー(画期的治療薬)に指定されました。

  1. *アベルマブとアキシチニブの併用療法は現在、進行腎細胞がんを対象に開発中であり、進行腎細胞がんの適応症で世界の規制当局から承認を取得する保証はありません。
  2. *日本においてアキシチニブとスーテントは、「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」を対象に承認されています。

【参考資料】

腎細胞がんについて

腎細胞がんは腎がんのうち最も多く見られる種類のがんで、成人のがん全体の約2~3%を占めています4,5。腎細胞がんの中で最も多いのは淡明細胞型で、全症例の約70%を占めています4。2012年には全世界で約338,000例が新規に腎細胞がんと診断され、2017年の米国単独での新規診断症例は推計で63,340例にのぼります4,6。発症率は世界的に大きく異なり、一般に北米、および中欧・東欧で高くなっています6

アベルマブについて

アベルマブは、PD-L1と呼ばれるタンパク質を特異的に阻害するヒト型抗体です。動物モデルでは、アベルマブにより自然および獲得性の免疫作用の両者に活性化が認められています。また、アベルマブがPD-L1に結合することにより、抑制されていたT細胞を介した免疫反応による抗腫瘍作用の活性化が認められています7-9。なお、アベルマブは、薬理作用としてin vitroで抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性を誘導することが確認されています9-11。2014年11月、メルクとファイザーは、アベルマブを共同開発し、製品化する戦略的提携の締結を発表しました。

アベルマブの適応症

日本では、「根治切除不能なメルケル細胞癌」の効能・効果で厚生労働省から製造販売承認を取得しています(製品名:バベンチオ®)。
米国食品医薬品局(FDA)は、(ⅰ)成人および小児(12 歳以上)の転移性メルケル細胞がん(mMCC)および(ⅱ)白金製剤を含む化学療法後に病勢進行が認められたか、または白金製剤を含む化学療法を使用した術前または術後の補助療法から12 カ月以内に病勢進行が認められた局所進行・転移性尿路上皮がんの治療薬として、迅速承認に基づきアベルマブを承認しました。これらの適応での承認取得は条件付きであり、検証的試験において臨床的ベネフィットの検証が必要です。
欧州連合(EU)においては、アベルマブは成人を対象としたmMCCの治療薬として、欧州医薬品庁(EMA)の承認を取得しています。
アベルマブは現在、主にmMCCの治療薬として世界45カ国以上で承認されています。

アキシチニブについて

アキシチニブは、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)-1、-2、-3を選択的に阻害する経口TKIです。VEGFR-1、-2、-3は、腫瘍増殖、血管新生、がんの浸潤(腫瘍伸展)および転移に関与していると考えられています。米国においてアキシチニブは、一次治療(全身療法)に抵抗性を示した進行腎細胞がんの治療薬として承認されています。また、欧州連合(EU)においては、スニチニブまたはサイトカインによる前治療に抵抗性を示した成人進行腎細胞がんの治療薬として、欧州医薬品庁(EMA)の承認を取得しています。

スーテント®(一般名:スニチニブリンゴ酸塩)について

スーテントは、がんの成長、増殖、転移にかかわる複数の分子標的を阻害することによって作用する経口マルチキナーゼ阻害剤です。2つの重要なスーテントの標的である血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)と血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)は、多くのタイプの固形腫瘍において発現します。また、腫瘍の成長に必要な血管、酸素、栄養を獲得するプロセスである血管新生において重要な役割を果たすと考えられています。スーテントはKIT、FLT3、RETなどの腫瘍の成長にとって欠かせないその他の標的も阻害します。
スーテントは、進行腎細胞がん、イマチニブ抵抗性またはイマチニブ不耐性の消化管間質腫瘍(GIST)、および切除不能局所進行または転移性高分化型膵神経内分泌腫瘍(pNET)の治療に適応が認められています。スーテントの術後補助療法での使用は承認されていません。

JAVELIN臨床開発プログラムについて

メルクとファイザーが共同で実施しているアベルマブのJAVELIN臨床開発プログラムは、30以上の臨床プログラムがあり、15以上の異なるがん種を対象に9,000名以上の患者さんが登録されています。JAVELIN臨床開発プログラムには腎細胞がんの他、乳がん、胃/胃食道接合部がん、頭頸部がん、メルケル細胞がん、非小細胞肺がん、卵巣がんおよび尿路上皮がんが含まれています。

メルクとファイザーの提携について

腫瘍免疫分野は両社にとって最も重要な領域です。グローバル戦略提携によって両社は強みと能力を互いに享受しあい、抗PD-L1抗体薬 アベルマブに対するさらなる有効性の探索が可能になります。同薬は当初メルクが見出し、開発してきました。この腫瘍免疫領域における両社の提携により、アベルマブの開発、製品化、さらにはファイザーの抗PD-1抗体薬の開発が進められていきます。両社はこの提携を通じ、単剤または併用療法としてのアベルマブの研究に向けて優先度の高い国際的な臨床試験プログラムの開発に注力し、がんの新たな治療法の発見に取り組んでいます。

メルクについて

Merck(メルク)はヘルスケア、ライフサイエンス、パフォーマンスマテリアルズの分野における世界有数のサイエンスとテクノロジーの企業です。がんや多発性硬化症のためのバイオ医薬品を用いた治療法から、科学研究と生産に関する最先端システム、スマートフォンや液晶テレビ向けの液晶材料にいたるまで、約51,000人の従業員が人々の暮らしをより良くする技術の一層の進歩を目指しています。2017年は66カ国で153億ユーロの売上高を計上しました。
メルクは1668年に創業された世界で最も歴史の長い医薬・化学品会社で、創業家が今でも、上場企業が率いるグループの株式の過半数を所有しています。メルクの名称およびブランドのグローバルな権利は、メルクが保有しています。唯一の例外は米国とカナダで、両国ではEMDセローノ、ミリポアシグマ、EMDパフォーマンスマテリアルズとして事業を行っています。詳しくはwww.merckgroup.comをご覧ください。

メルクセローノ株式会社について

メルクセローノ株式会社は、「メルク・ヘルスケア ビジネス」(本社:ドイツ・ダルムシュタット)における、バイオ医薬品事業部門の日本法人です。2007年10月1日に発足し、がん、腫瘍免疫および不妊治療領域を重点領域としています。
メルクセローノ株式会社の詳細については https://www.merckgroup.com/jp-ja/company/merckserono.htmlをご覧ください。

ファイザーオンコロジーについて

ファイザーオンコロジーは、がんとともに生きる患者さんに意義のある影響をもたらす革新的な治療薬を追求しています。オンコロジー領域におけるリーダーとして、画期的かつアクセス可能な治療薬を迅速にお届けし、がん患者さんの生活に変革をもたらすべく取り組んでいます。業界屈指の、生物学的製剤、低分子、免疫療法からなる豊富な開発パイプラインを有し、優れた革新的医薬品を探索し、多様ながんに臨床応用することに注力して研究を進めています。オンコロジー領域において重要なことは、医薬品の製造だけでなく、緊密なパートナーシップにより患者さんの生活改善を目指すこと。学会、研究者、共同研究グループ、政府、提携先などと協力しながら、革新的医薬品によるがんの治癒、あるいは、コントロールにまい進していきます。詳しくはwww.pfizer.comをご覧ください。

ファイザーについて:より健康な世界の実現のために

ファイザーはサイエンスとグローバルなリソースを活用し、皆様が健康で長生きし、生活を大きく改善するための治療薬をお届けしています。私たちは、ヘルスケア製品の探索・開発・製造におけるクオリティ・安全性・価値の基準設定をリードしていくことを目指しています。当社のグローバルなポートフォリオには、医薬品とワクチンに加え、世界的に著名なコンシューマー・ヘルスケア製品が含まれています。ファイザーの社員は先進国および新興国市場で、非常に生命や生活を脅かす疾患の予防・治療・治癒に役立つ製品を通じて健康に貢献しています。卓越した革新的医薬品企業の責務として、優れた医薬品を誰もが容易に入手できるように、ファイザーは世界中の医療従事者、政府、地域社会と協力しています。私たちに信頼を寄せてくださる皆様のため、150年以上にわたり前進を続けてきました。詳細は当社のウエブサイト(www.pfizer.com)をご覧ください。また、日本におけるファイザーの取り組みは、下記ホームページからご覧いただけます。 www.pfizer.co.jp

<出典>

  1. 1.National Cancer Institute: SEER Stat Fact Sheets: Kidney and renal pelvis. Available from:
    http://seer.cancer.gov/statfacts/html/kidrp.html. Accessed January 2019.
  2. 2.Ljungberg B, Campbell S and Cho H. The Epidemiology of Renal Cell Carcinoma. Eur Urol. 2011;60:615-621.
  3. 3.プレスリリース https://www.merckgroup.com/jp-ja/press/merckserono/msj-news/20181001.html
  4. 4.American Cancer Society. What is kidney cancer? Available from:
    https://www.cancer.org/cancer/kidney-cancer/about.html. Accessed July 2018.
  5. 5.Escudier B, Porta C, Schmidinger M et al Renal cell carcinoma: ESMO clinical practice guidelines for diagnosis, treatment and follow-up. Annal Oncol. 2014; 25(Suppl3):ⅲ 49-ⅲ56.
  6. 6.World Cancer Research Fund International: Kidney cancer statistics. Available from:
    http://www.wcrf.org/int/cancer-facts-figures/data-specific-cancers/kidney-cancer-statistics. Accessed July 2018.
  7. 7.Dolan DE, Gupta S. PD-1 pathway inhibitors: changing the landscape of cancer immunotherapy. Cancer Control. 2014;21(3):231-237.
  8. 8.Dahan R, Sega E, Engelhardt J, et al. FcγRs modulate the anti-tumor activity of antibodies targeting the PD-1/PD-L1 axis. Cancer Cell. 2015;28(3):285-295.
  9. 9.Boyerinas B, Jochems C, Fantini M, et al. Antibody-dependent cellular cytotoxicity activity of a novel anti-PD-L1 antibody avelumab (MSB0010718C) on human tumor cells. Cancer Immunol Res. 2015;3(10):1148-1157.
  10. 10.Kohrt HE, Houot R, Marabelle A, et al. Combination strategies to enhance antitumor ADCC. Immunotherapy. 2012;4(5):511-527.
  11. 11.Hamilton G, Rath B. Avelumab: combining immune checkpoint inhibition and antibody-dependent cytotoxicity. Expert Opin Biol Ther. 2017;17(4):515-523.

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