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抗PD-L1抗体バベンチオ®(一般名:アベルマブ(遺伝子組換え))、
局所進行または転移性の尿路上皮がんの適応症追加を申請

報道関係各位

2020年5月28日
ファイザー株式会社
メルクバイオファーマ株式会社

メルクバイオファーマ株式会社(本社:東京都目黒区、代表取締役社長:アレキサンダー・デ・モラルト、以下、メルクバイオファーマ)は、「局所進行又は転移性の尿路上皮癌に対する一次化学療法の維持療法」の治療薬として、ファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:原田明久)と共同開発中の抗PD-L1抗体「バベンチオ®(一般名:アベルマブ(遺伝子組換え))」(以下、アベルマブ)の製造販売承認事項一部変更承認申請を厚生労働省に行い、本日5月28日に受理通知を受領しましたのでお知らせいたします(申請日は2020年5月26日付)。
本申請は、進行尿路上皮がんを対象とした第III相試験(JAVELIN Bladder 100試験)の結果等に基づくものです。

尿路上皮がんは、膀胱がん全体の約90%を占め1、転移性の場合、5年生存率は5%程度です2。過去30年にわたって、進行尿路上皮がんに対するファーストライン標準治療は、複数薬剤を組み合わせた化学療法です。治療初期の奏効率は高いにもかかわらず、その長期持続および完全奏効はまれで、多くの場合、治療開始から9ヵ月以内に進行が認められています3,4

【メルクバイオファーマ株式会社 取締役研究開発本部長 松下 信利より】

「本年のASCO Virtual(バーチャル米国臨床腫瘍学会)において、進行性尿路上皮がんに対する一次化学療法の維持療法において、ベスト・サポーティブ・ケア(BSC)と比較したアベルマブの全生存期間のベネフィットを示した、第III相JAVELIN Bladder 100試験結果の詳細に関する初めての発表(演題番号LBA1)が5月31日(日)のプレナリーセッションで行われる予定です。本臨床試験で行ったアベルマブを用いた維持療法はこれまでにない概念であり、本治療が標準治療として定着することを期待しており、この度の申請は患者さんのベネフィットを向上する機会を創出するための、新たな第一歩です。」

【ファイザーR&D合同会社 社長 石橋 太郎より】

「尿路上皮がんは進行すると治療が難しく、全生存期間(OS)を改善する新たな治療法が求められています。アベルマブは、進行尿路上皮がんに対する一次化学療法の維持療法として、臨床試験で統計学的に有意なOS延長が認められた最初の免疫チェックポイント阻害薬で、速やかに新効能追加を申請できたことを嬉しく思います。
新たな治療選択肢を必要とする患者さんとご家族により多くの希望をお届けできるよう、今後も革新的な薬剤の開発を進めてまいります。」

<JAVELIN Bladder 100試験について>

このたびの製造販売承認事項一部変更承認申請は、日本も参加したJAVELIN Bladder 100試験(NCT02603432)の結果に基づいています。
本試験の結果、アベルマブとBSCの併用療法群で、BSC単独療法群と比較して、OSの有意な延長が認められ主要評価項目が達成されました。アベルマブの治療による統計学的に有意なOS延長は、全患者集団およびPD-L1陽性の患者集団のいずれにおいても認められました。

また、アベルマブの安全性プロファイルは、他のJAVELIN試験におけるアベルマブ単独療法で認められたものと一貫していました。
本試験結果は、ASCO Virtualにおいて、2020年5月31日(現地時間)のプレナリー(全体)セッション口頭演題として発表予定です。

JAVELIN Bladder 100試験は、国際多施設共同、無作為化、非盲検、並行群間比較第III相試験です。白金製剤を含む化学療法終了後に病勢進行が認められなかった局所進行または転移性の尿路上皮がん患者を対象に、維持療法としてアベルマブとBSCの併用療法と、BSC単独療法を比較検討しました。一次化学療法後にRECIST v1.1に基づいて病勢進行が認められなかった患者さん計700例を、アベルマブとBSCの併用療法群およびBSC単独療法群に無作為に割付けました。主要評価項目は、全患者集団およびPD-L1陽性の患者集団のOSです。副次的評価項目は、上記2つの患者集団それぞれにおける無増悪生存期間、抗腫瘍効果、安全性、薬物動態、免疫原性、バイオマーカー、患者報告アウトカム等です。

<海外におけるアベルマブの尿路上皮がんに対する承認状況について>

2017年5月、米国食品医薬品局(FDA)は、白金製剤を含む化学療法の治療中または治療後に病勢進行が認められたか、白金製剤を含む化学療法を使用した術前または術後補助療法から12ヵ月以内に病勢進行が認められた局所進行または転移性の尿路上皮がんの治療薬としてアベルマブを承認しました。
本適応症は、抗腫瘍効果および奏効期間に基づく優先審査のもとで承認され、承認取得は条件付きであり、検証的試験において臨床的ベネフィットの検証が必要でした。JAVELIN Bladder 100試験は、完全承認(the conversion to full approval)を目的とした検証試験になります。
2020年4月、米国においてアベルマブは、局所進行または転移性の尿路上皮がんに対する一次化学療法の維持療法の治療薬として、適応拡大の承認申請がなされました。FDAは本疾患に対しアベルマブをブレークスルーセラピー(画期的治療薬)に指定しています。

<日本におけるアベルマブの適応症について>

アベルマブは、2017年9月に製造販売承認を取得し、同11月に発売しています。適応症は「根治切除不能なメルケル細胞癌」です。また、2019年12月には、アキシチニブ(製品名:インライタ®)との併用療法で追加適応症の承認を取得しています。追加された適応症は「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」です。

【参考資料】

アベルマブについて

アベルマブは、PD-L1と呼ばれるタンパク質を特異的に阻害するヒト型抗体です。動物モデルでは、アベルマブにより自然および獲得性の免疫作用の両者に活性化が認められています。また、アベルマブが PD-L1に結合することにより、抑制されていたT細胞を介した免疫反応による抗腫瘍作用の活性化が認められています5-7。2014年11月、メルクとファイザーは、アベルマブを共同開発し、製品化する戦略的提携の締結を発表しました。

海外におけるアベルマブのその他の適応症

米国においては、成人および小児(12 歳以上)の転移性メルケル細胞がん(mMCC)と、アキシチニブとの併用療法において進行腎細胞がんのファーストライン治療として承認されています。
欧州連合(EU)においては、成人を対象としたmMCCおよびアキシチニブとの併用療法において進行腎細胞がんのファーストライン治療として承認されています。
アベルマブは主に上記2つの適応症で、米国およびEUを含む50以上の国または地域で承認されています(2020年4月1日現在)。

メルクとファイザーの提携について

腫瘍免疫分野は両社にとって最も重要な領域です。グローバル戦略提携によって両社は強みと能力を互いに享受しあい、抗PD-L1 抗体薬 アベルマブに対するさらなる有効性の探索が可能になります。同薬は当初メルクが見出し、開発してきました。この腫瘍免疫領域における両社の提携により、アベルマブの開発、製品化が進められていきます。両社はこの提携を通じ、単剤または併用療法としてのアベルマブの研究に向けて優先度の高い国際的な臨床試験プログラムの開発に注力し、がんの新たな治療法の発見に取り組んでいます。

メルクについて

Merck(メルク)はヘルスケア、ライフサイエンス、パフォーマンスマテリアルズの分野における世界有数のサイエンスとテクノロジーの企業です。約 57,000 人の従業員が、人々の暮らしをより良くすることを目標に、より楽しく持続可能な生活の方法を生み出すことに力を注いでいます。ゲノム編集技術を進展させることから治療が困難を極める疾患に独自の治療法を発見すること、また各種デバイスのスマート化まで、メルクはあらゆる分野に取り組んでいます。2019 年には 66 カ国で 162 億ユーロの売上高を計上しました。

メルクのテクノロジーと科学の進歩において鍵となるのは、サイエンスへのあくなき探求心と企業家精神です。それはメルクが 1668 年の創業以来、成長を続けてきた理由でもあります。創業家が今でも、上場企業であるメルクの株式の過半数を所有しています。メルクの名称およびブランドのグローバルな権利は、メルクが保有しています。唯一の例外は米国とカナダで、両国では、ヘルスケア事業では EMD セローノ、ライフサイエンス事業ではミリポアシグマ、パフォーマンスマテリアルズ事業では EMD パフォーマンスマテリアルズとして事業を行っています。

メルクバイオファーマ株式会社について

メルクバイオファーマ株式会社は「メルク ヘルスケア・ビジネス」(本社:ドイツ・ダルムシュタット)における、バイオ医薬品事業部門の日本法人です。2007 年 10 月 1 日にメルクセローノ株式会社として発足し、がん、腫瘍免疫および不妊治療領域を重点領域としています。メルクバイオファーマ株式会社の詳細についてはhttps://www.merckgroup.com/jp-ja/company/merckbiopharma.htmlをご覧ください。

ファイザーオンコロジーについて

ファイザーオンコロジーは、がんとともに生きる患者さんに意義のある影響をもたらす革新的な治療薬を追求しています。オンコロジー領域におけるリーダーとして、画期的かつアクセス可能な治療薬を迅速にお届けし、がん患者さんの生活に変革をもたらすべく取り組んでいます。業界屈指の、生物学的製剤、低分子、免疫療法からなる豊富な開発パイプラインを有し、優れた革新的医薬品を探索し、多様ながんに臨床応用することに注力して研究を進めています。オンコロジー領域において重要なことは、医薬品の製造だけでなく、緊密なパートナーシップにより患者さんの生活改善を目指すこと。学会、研究者、共同研究グループ、政府、提携先などと協力しながら、革新的医薬品によるがんの治癒、あるいは、コントロールにまい進していきます。詳しくはwww.pfizer.comをご覧ください。

ファイザーについて:患者さんの生活を大きく変えるブレークスルーを生みだす

ファイザーはサイエンスとグローバルなリソースを活用し、人々が健康で長生きし、生活を大きく改善するための治療法をお届けしています。私たちは、革新的な医薬品やワクチンを含むヘルスケア製品の探索・開発・製造における品質・安全性・価値の基準を確立するよう努めています。ファイザーの社員は、生命や生活を脅かす疾患に対するより良い予防法や治療法を提供することで、日々、世界中の人々の健康に貢献しています。世界有数の革新的医薬品企業の責務として、信頼できる医療に誰もが容易にアクセスできるように、世界中の医療従事者、政府、地域社会と協力しています。人々の期待に応えるため、私たちは150年にわたり前進し続けてきました。詳細はホームページをご覧ください。 www.pfizer.com(グローバル) www.pfizer.co.jp(日本法人)

<出典>

  1. 1. Cancer.net. Bladder Cancer: Introduction.https://www.cancer.net/cancer-types/bladder-cancer/introduction. Accessed January 2020.
  2. 2. SEER. Cancer Stat Facts: Bladder Cancer. https://seer.cancer.gov/statfacts/html/urinb.html. Accessed January 2020.
  3. 3. Bukhari N, et al. Update on the Treatment of Metastatic Urothelial Carcinoma. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6011065/. Accessed January 2020.
  4. 4. Von der Maase H, et al. Comparing Gemcitabine Plus Cisplatin, With Methotrexate, Vinblastine, Doxorubicin, Plus Cisplatin in patients With Bladder Cancer. Journal of Clinical Oncology. 2005;23(21):4602-4608.
  5. 5. Dolan DE, Gupta S. PD-1 pathway inhibitors: changing the landscape of cancer immunotherapy. Cancer Control. 2014;21(3):231-237.
  6. 6. Dahan R, Sega E, Engelhardt J, et al. FcγRs modulate the anti-tumor activity of antibodies targeting the PD-1/PD-L1 axis. Cancer Cell. 2015;28(3):285-295.
  7. 7. Boyerinas B, Jochems C, Fantini M, et al. Antibody-dependent cellular cytotoxicity activity of a novel anti-PD-L1 antibody avelumab (MSB0010718C) on human tumor cells. Cancer Immunol Res. 2015;3(10):1148-1157.

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