報道関係各位
2021年12月13日
ファイザー株式会社
ファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:原田明久)は、本日12月13日、アトピー性皮膚炎の治療薬として、経口JAK(ヤヌスキナーゼ)阻害剤「サイバインコ®錠50mg」、「同錠100mg」、「同錠200mg」(一般名:アブロシチニブ。以下、「サイバインコ」と略記)を新発売いたしましたのでお知らせいたします。
日本においてサイバインコは、2020年12月に本剤の製造販売承認申請を行い、2021年9月に承認を取得いたしました。
海外においては、イギリス、韓国、欧州連合(EU)において承認を受けています。
2020年10月に、米国食品医薬品局(FDA)により、「中等症から重症のアトピー性皮膚炎」を対象とした1日1回投与の経口JAK阻害剤として承認申請が受理されました。米国においてアブロシチニブは、ブレークスルー・セラピー(画期的治療薬)指定を受け、また、優先審査品目に指定されています。
サイバインコは、ヤヌスキナーゼ(JAK)とATPとの結合を遮断することによりJAKを選択的かつ可逆的に阻害する、経口投与によるJAK阻害剤です。
製品特性の一つとして、本剤のJAK1に対する生化学的な阻害活性があり、他の3種類のJAKアイソフォームと比較するとJAK2の28倍、JAK3の340倍超、TYK2の43倍の阻害活性であることが非臨床試験において示されています。
またサイバインコは、臨床開発プログラムとして20を超える治験を実施しており、中等症から重症の成人及び12歳以上の小児において、サイバインコの単剤投与及び外用剤との併用投与における症状改善効果が認められています。
当該治験の結果から、成人と12歳以上の小児で用法及び用量が同じであることも特性の一つです。
【サイバインコの概要】
製品名 |
サイバインコ®錠 50mg |
一般名 |
日本名:アブロシチニブ |
効能又は効果 |
既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎 |
用法及び用量 |
通常、成人及び12歳以上の小児には、アブロシチニブとして100 mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態に応じて |
製造販売承認取得日 |
2021年9月27日 |
薬価基準収載日 |
2021年11月25日 |
発売日 |
2021年12月13日 |
製造販売元 |
ファイザー株式会社 |
【ファイザー株式会社 執行役員 炎症・免疫部門長 宮原京子より】
「アトピー性皮膚炎の治療は、外用剤が基本ですが、中等症から重症の場合、経口剤や注射剤を含めた全身療法が必要な場合も少なくありません。特に12歳以上の小児においては、外用剤で効果がなかった場合に使える選択肢が求められていると考えています。
本日、そうした中等症から重症の患者さんの治療目標達成のため、サイバインコを発売できたことを嬉しく思います。長期にわたり、患者さんやご家族にとって心身ともに大きな負担となっているアトピー性皮膚炎の治療に、サイバインコが新たな治療選択肢として貢献できることを願っております」
<参考資料>
【サイバインコについて】
サイバインコは、選択的にヤヌスキナーゼ(JAK)1を阻害する低分子化合物です。JAK1が阻害されることにより、病態生理学的にアトピー性皮膚炎に関与するとされるインターロイキン(IL)-4、IL-13、IL-31、IL-22、胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)を含む複数のサイトカイン・シグナルが抑制されると考えられています。
【JADE試験について】
グローバルJAK1 Atopic Dermatitis Efficacy and Safety (JADE) 開発プログラムは、現在7つの第3相試験(JADE MONO-1/ MONO-2 / COMPARE / TEEN / REGIMEN / EXTEND / DARE)から構成されています。
米ファイザー社はこれまでに上記MONO-1、MONO-2、COMPARE、TEEN、REGIMEN試験の最終結果を医学誌で論文発表しております。また、DARE試験においては、本年8月にトップライン結果を発表しました。いずれの試験においても中等症から重症のアトピー性皮膚炎に対するサイバインコの良好な有効性と安全性および忍容性が確認されました。DARE試験の最終結果は、今後の医学誌での論文発表に向け投稿予定です。
【アトピー性皮膚炎について】
アトピー性皮膚炎は、皮膚の炎症や、皮膚バリア機能が損なわれることを典型とする慢性皮膚疾患です1,2。紅斑(通常の皮膚より赤や紫を帯びた色になる)、丘疹、痒み、浸潤(じくじくする)、鱗屑(皮がむけてカサカサした状態)、痂疲(かさぶた)が主な症状です2,3。
幼少期から繰り返す慢性皮膚疾患のもっとも代表的なもので、世界中で成人の10%、小児の20%が罹患しているといわれています3,4。
<出典>
1.Hanifin JM, Reed ML. A population-based survey of eczema in the United States. Dermatitis. 2007;18(2):82-91.
2.Bieber T. Atopic dermatitis. Dermatology. 2012;1(3):203-217.
3.Oszukowska M, Michalak I, Gutfreund K, et al. Role of primary and secondary prevention in atopic dermatitis. Postep Derm Alergol. 2015:32(6):409-420.
4.Nutten S. Atopic dermatitis: global epidemiology and risk factors. Ann Nutr Metab. 2015;66(suppl 1):8-16.
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