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Pfizer co.jp ホーム ファイザー日本法人最新の取り組み【“患者さん”を考える】医療情報の利活用で、より適切な薬物治療に貢献【“患者さん”を考える】医療情報の利活用で、より適切な薬物治療に貢献

法律に基づき「匿名加工医療情報」を利活用

医療用医薬品は医師によって使用される医薬品で、医療機関を通じて患者さんに届きます。そのため、社員の所属部署によっては、直接、患者さんと会う機会は限られますが、常に患者さんを思って仕事をしています。ファイザーにある様々な部署の社員が、日々どのように患者さんを思い、どんな仕事をしているのかご紹介します。

ファイザーは、「医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律」(以下、次世代医療基盤法)の下で国に認定された事業者と契約し、匿名加工された電子カルテデータなどの医療情報を活用した研究を進め、このほど初期の成果を得ました。

研究に携わったヘルスアンドバリュー統括部アウトカムアンドエビデンスグループのK.T.とR.J.に、話を聞きました。
 

治療効果に関する情報を、効率的に収集可能

次世代医療基盤法は、個人の医療情報を、厳格な管理と確実な匿名化のもとで研究開発に利活用することの促進を目的としています。厳格な審査で国から認定された事業者が、医療機関や市町村などから電子カルテのデータや健康診断の結果などの医療情報を預かり、個人の特定やデータの復元ができないように匿名加工して、製薬企業や研究機関などに提供します。

ファイザーは2020年、製薬企業では日本で初めて、次世代医療基盤法に基づく匿名加工医療情報の提供を受ける契約を認定事業者と締結。この契約のもと、患者さんの薬物治療の効果を評価する研究を大学と共同で行いました。

研究を行った背景には、電子カルテに入力される経過や治療の効果はフリーテキストで書かれ、その表現も医師ごとに異なるという状況があります。そのため、たとえば、実際の医療現場で使われている医薬品の有効性や安全性に関する情報(以下、臨床アウトカム)を電子カルテから収集しようとしても、記載方法がまちまちな大量の電子カルテの情報を読み込んで解析しなければなりません。医療情報を利活用する上で、いかに正確に効率よく解析をするかが課題です。

そこで、電子カルテデータから臨床アウトカムの情報を効率的に取得する方法論を確立しようと、研究を行いました。第一段階として、肺がん患者さんの電子カルテデータにコンピューターの自然言語処理技術を適用し、たとえば、がんの「縮小」といった、薬物治療の「効果を判定するキーワード」となるものを抽出しました。

ただし、同じ「縮小」というキーワードでも、次に来る言葉が「した」と「しなかった」では、意味は全く異なります。次の段階ではその点を考慮し、電子カルテデータにおける文脈や複数のキーワードの関係性を判別して治療効果を抽出するAI(人工知能)モデルを構築しました。
 

実際の医療情報から、薬剤の価値を「見える化」

今回利活用した電子カルテデータなどの医療情報は「リアルワールドデータ」(以下、RWD)と総称されます。カルテの情報の他にも、処方箋の情報や健診結果、患者さんが自宅で測定する血圧の値、ウェアラブルデバイスから得られるデータなど、RWDはさまざまです。

医療用医薬品に関していえば、臨床試験(治験)のデータは、年齢や合併症など一定の基準を満たして参加した患者さんから得られた有効性・安全性のデータです。一方でRWDには、幅広い背景を有する患者さんに処方されたデータが含まれます。

「80歳代の患者さんへの有効性・安全性」が、臨床試験には含まれていなかったとしても、RWDで臨床試験のデータを補完すれば、医師の治療選択に役立ち、患者さんはより適切な治療を受けられるようになると期待されます。

K.T.とR.J.が所属するヘルスアンドバリュー統括部では、今回紹介した研究の他に、ファイザーがこれから開発しようとする医療用医薬品の対象疾患の患者さんの人数、年齢、合併症、使われている薬剤などのRWDを、しっかりとした研究の手順に則って調べ、それらの結果を論文として公表しています。

「RWDを用い、患者さんの状況に照らし合わせれば、新たに開発される薬剤がどのような患者さんに役立つか、価値を『見える化』できます。私たちが出した研究結果が、将来の患者さんの治療の参考になると期待されます」とR.J.は説明してくれました。

患者さんにとって、匿名加工された自分の医療情報が、将来の自分自身や他の患者さん、あるいは社会全体に役に立つと言えるかもしれません。
 

正しく利活用し、患者さんに役立つ情報を

このようにファイザーは、厳重な管理のもとでRWDを利活用する取り組みを続けています。K.T.は、「日本のRWDから、日本の患者さんの役に立つ情報を導き出せると考えています。世界にも発信し、患者さんに貢献できます」と述べました。

その上で、「ファイザーが発信する研究結果が医療従事者に参照されると想定されますので、医療従事者が誤った判断をしかねないデータは絶対に出してはならないと肝に銘じ、しっかりとした研究計画を立てて取り組んでいます」と力を込めました。

関連リンク

■【メディア掲載:薬事日報】
ヘルスアンドバリュー統括部アウトカムアンドエビデンスグループのインタビュー記事が掲載されました
https://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/external-communication/2023-03-29-03

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