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Pfizer co.jp ホーム ファイザー日本法人最新の取り組み遺伝子治療のハテナ 第1回「教えてください!米滿先生~前編~」遺伝子治療のハテナ 第1回「教えてください!米滿先生~前編~」

いま、現在の医学では治すことが難しい希少疾患の患者さんが「遺伝子治療」の実現を待っていることを、ご存じですか? 「遺伝子治療」自体は、すでに世界で10万人以上の患者さんがその治療を受けていますが、ファイザーでは、希少疾患に対するこの最先端の治療薬の開発に、世界中の研究者と一緒に取り組んでいます。

新しい治療法だからこそ「ハテナ?」も多い分野ですが、皆さんに正しく理解し、応援してほしいという気持ちをこめたコラムをシリーズでお届けします。


第1回は、本領域におけるパイオニアかつ第一人者のお一人である九州大学・米滿吉和先生のインタビュー(前編)をお届けします。(第2回はこちらから)
 

米滿吉和先生/ファイザー株式会社 希少疾病領域メディカルアフェアーズ部D.S.
米滿吉和先生/ファイザー株式会社 希少疾病領域メディカルアフェアーズ部D.S.

 INDEX

  1. 「からだの“設計図”を、正常な状態に上書きする」アプローチ
  2. 遺伝子治療がもっとも役立つと期待されるのは「希少疾患に対する治療」
  3. 可能性にあふれた治療法、ただし「私たちはかなり慎重に進めています」
1. 「からだの“設計図”を、正常な状態に上書きする」アプローチ

まずは、「そもそも遺伝子を治療するってどういうこと?」という方も多いと思います。遺伝子は、いわば生物のからだの“設計図”となるものです。設計図に異常が起きることで生じる病気に対して、正しい配列のDNAを追加したり、編集したりすることを「遺伝子治療」といいます。1回の投与で治療が完結する可能性があるため、患者さんの負担軽減にもつながる次世代の医療として注目されています。

今回は、日本における遺伝子治療の第一人者のお一人である米滿吉和先生(九州大学大学院薬学研究院教授、一般社団法人日本遺伝子細胞治療学会理事・副理事長)に、ファイザー希少疾病領域メディカルアフェアーズ部のD.S.が話を聞きました。

2. 遺伝子治療がもっとも役立つと期待されるのは「希少疾患に対する治療」

世の中には様々な病気があります。細菌やウイルスに感染することで生じる病気、あるいは普段の生活習慣によって生じる病気など、数え上げたらキリがありません。その中でも、特に遺伝子治療の活躍が期待されているのが、患者さんの数が非常に少ない「希少疾患」と呼ばれる病気で、現代の医学で治せる手段がほとんどないか、全く存在しない分野です。

希少疾患の約8割は、遺伝的な要因によって発症するといわれており、その遺伝的要因をターゲットとした遺伝子治療は、他の病気よりも高い治療効果の可能性を期待できます。たとえば、血液や循環器、内分泌の分野での遺伝子疾患は、子どものうちに発症すると、重い障害を引き起こし余命が著しく制限されることもあります。より効果的な治療法の登場が望まれているのです。

現在の遺伝子治療は大きく分けて2種類、「体外遺伝子治療」と、「体内遺伝子治療」があります。そのうち、「体外遺伝子治療」とは、患者さんの身体から病気の原因となる異常な遺伝子を持つ細胞を取り出して、ウイルスなどを用いて細胞の中に正常な遺伝子を導入して、再び患者さんの身体に戻す治療です。こちらは造血幹細胞(血液の元になる細胞)などの治療に利用されています。

これに対して、神経細胞や筋肉細胞など、身体の外に取り出すのが難しい細胞に対する治療では、「体内遺伝子治療」が行われます。こちらは、正しい遺伝子を運んでくれる役割を持つ“運び屋”とよばれるウイルスなどを体内に注入することで、運び屋ごと遺伝子が細胞に取り込まれて、取り込まれた遺伝子が機能することで、正しいタンパク質を作りだすという治療です。
 

米滿吉和先生
米滿吉和先生

3. 可能性にあふれた治療法、ただし「私たちはかなり慎重に進めています」

遺伝子治療のメリットとして、「これまでの医薬品は、繰り返し薬を投与する必要があるのに対して、遺伝子治療は原理的に1回の治療で長期間にわたる治療効果が期待できる」ことがあげられます。ただし「“長期の安全性については観察が必要”などの側面もある」と米滿先生。D.S.も「全ての患者さんに遺伝子治療が適しているわけではない」とし、社会全体で理解を深めることの大切さについて強調しました。

その上で「遺伝子治療というと、言葉のイメージだけでこわいと思われてしまう方もいらっしゃいますが、私たち専門医はこれまでも、そしてこれからも、かなり慎重に進めていきます」と先生は訴えます。米滿先生が副理事長をつとめる日本遺伝子細胞治療学会も、認定医制度の設立を進めるなど、安全かつ適切な遺伝子治療の実現と普及に取り組んでいます。「現代の遺伝子治療は決して危険な治療ではありません」(米滿先生)。

 

希少疾病領域メディカルアフェアーズ部のD.S

希少疾病領域メディカルアフェアーズ部のD.S

ファイザーもまた、遺伝子治療に対する正しい情報の発信に取り組んでいます。遺伝子治療に関する情報発信サイト「なるほど!遺伝子治療 」では、遺伝子治療の基礎から実際の治療法など、様々な情報を発信しています。「遺伝子治療は、誰もが完治を目指せる“夢の治療法”というわけではありません。今後たくさんの方の病気を治療できる可能性を秘めている一方で、同じ疾患の患者さんでも、期待される遺伝子治療の効果はそれぞれ異なることもわかっていることから、これまでの医薬品以上に慎重な運用が求められます。まずは患者さんとご家族、そして広く社会に対して、科学的根拠のある情報をわかりやすく伝えていくことが必要だと考えています」(D.S.)。

遺伝子治療のハテナ 第2回「教えてください!米滿先生~後編~」は近日中に公開予定です。続く遺伝子治療の研究や課題、そして未来についてもお話いただいている後編記事、どうぞお楽しみに!

関連サイト

■ 遺伝子治療のハテナ 第2回「教えてください!米滿先生~後編~」
https://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/external-communication/2023-08-30

■ 一般社団法人 日本遺伝子細胞治療学会
https://www.jsgct.jp/ 

■ 遺伝子治療情報サイト なるほど!遺伝子治療
https://www.genetherapy.today/disease/ 

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