ファイザーでは、性別、障がい者、LGBTQ+(性的マイノリティ)、世代の4つにフォーカスした社員の有志グループがあり、DEI活動(注1)に取り組んでいます。本日は、主にLGBTQ+に関する活動に取り組む「OPEN in Japan」のメンバーに、ファイザー対外広報が活動の様子やその想いを聞きました。
(注1)DEI活動:DEIは「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン」の略で、多様性や個々の違いを認め合い、公平で、包括的な、皆が輝ける組織・社会・世界の実現を目指す活動のこと。ファイザーは、「誰もが安心して働ける素晴らしい職場を実現することで、個人の能力を最大限に発揮し共に成長していく」ことを宣言しています。
OPEN in Japan プライド月間チーム
メンバーインタビュー
1.OPEN in Japanとは
2.チーム参加のきっかけ
3.アライ(Ally)とは
4.直近の活動報告①:トークセッション
5.直近の活動報告②:「Pride Journal」
6.メンバーの想い
ーすべての人が働きやすく、能力を発揮できる職場環境を目指して
OPEN in Japanについて教えてください。
社内有志メンバーによるチームで、LGBTQ+に関する活動を行っています。私たちの目標は、誰もが受け入れられていると感じることができて、自分の能力を十分に発揮できるインクルーシブな職場環境を作ること。LGBTQ+の認知度向上とLGBTQ+に関する社内向けのトレーニング機会の提供を行っています。
ー様々な部門から自発的に集まったメンバー
OPEN in Japanに参加したきっかけを教えてください。
プライベートでは当事者の友人がいますが、社内で当事者の方の話は聞いたことがありませんでした。その友人は「会社では自分自身を表現していない」と言っていたので、なぜだろう?何かできることがあるのかな?という軽い気持ちで参加しました。
私は、この活動を知ったとき、何をしているのだろうと興味を持ちました。特に、「どのような工夫や活動が今の企業文化につながっているのか」という点が気になったというのが、参加したきっかけです。
DEI活動全般に興味があり、世の中を変えるのは大変だけど、会社の自分の周りぐらいは変えられないかなと思って参加しました。個人でNPO学童保育の理事をしていますが、子どもたちの個性を伸ばす環境づくりにも、この活動での学びが活かせそうかと。
そういえば、皆さんのきっかけを聞くのは、はじめてでしたね。仕事だと限られた人としか接点がないですが、OPEN in Japanの活動では、いろいろな部門から、みなさん自発的に集まってくるので、熱い思いを持った方たちと一緒に仕事できるのは純粋に楽しく、刺激になります。
ーアライには存在自体にパワーがある
アライについて教えてください。
簡単に言うと、「同盟者」という意味で、今はLGBTQ+に特化して私たちは使っています。「当事者の方々を受け入れる。サポートする。不利益を被りそうな場面を見たら、声をあげる」という意思を持つ人が「アライ」です。
アライ活動の目標はありますか?
人数の目標はありません。アライメンバーが増えることは歓迎ですが、活動を通じて興味を持ってもらって自発的にアライ宣言していただく、そしてみんなで働きやすい環境を作る。さらに、アライには存在自体にパワーがあることを知ってもらうために、いろいろな機会を提供しています。
「みんながアライ!」ですよね。アライであることが当然で、アライ宣言が不要になる時代が来ればいいです!LGBTQ+に限らず、困っている人がいたら助ける、それがアライです。
ーブルボンヌさんに学ぶ、明るくとらえることの重要性
トークセッションとは?
コロナ環境下のため、オンラインで開催することになりました。そのため、少しでも参加者と双方向となるように、ラジオ等でもお話しされている女装パフォーマーのブルボンヌさんを講師としてお招きし、さらに投票機能やチャット機能で、参加者にも積極的に参加いただける構成でトークセッションを企画しました。
どんなテーマですか?
まずテーマを検討するにあたって、トークセッションを通して参加者の方に何を得てほしいか、という点をメンバーで考えました。社風としてすでに多様性を大事にすることは充分に根付いていた中、相手を傷つけてしまうことをどうしたら避けられるのか、ということが次の課題であることが見えてきました。そのためテーマは「今日からできること」としました。この機会を通して、一人ひとりが次の一歩を踏み出す小さなヒントを得ることで、会社全体として大きな次の一歩になれたらということをイメージしながら、シナリオやQ&Aも綿密に準備を重ねました。
イベントを通して、気づきはありましたか?
トークセッションの前後で、参加者に対して「LGBTQ+の方を傷つけたらどうしようという気持ちがありますか?」という質問をして、投票してもらうシナリオを考えていました。しかし、事前の打ち合わせでブルボンヌさんが、それを見た瞬間「ほら出た!あるあるの質問!その傷つけてしまうかもしれないっていう無意識に線引きしている考え方がまずダメなのよ~」と。即突っ込まれました!
そうそう!こんなこと聞いたらこんな答えが返ってくるだろうという予想を覆されたセッションでした。私たちの視野の狭さが改めてわかり、知らないことが多いことにも気付かされました。
私がハッとしたのは、性はグラデーションで、途中で変化(生まれたときとは違う性)が出てきて、当事者になることもある、という話。どれに当てはまるか区別しようとするのが無駄な努力、と言われたとき、事前準備は一回忘れて、ゼロベースで聞かせていただこう!となりました。
LBGTQ+の話題に触れることをみんな怖くて避けていましたが、ブルボンヌさんから「だから、いけないのよ」って明るく笑い飛ばされました。そこには、みんなの心配をパーンと跳ね返す強い力があって、明るくとらえることの重要性を思いました。
参加者からの評判はいかがでしたか?
昨年のプライド月間で「アライに入りませんか」と呼びかけたときに「僕は無理です。別に差別しているわけではないけど、わざわざアライになる意味もわからないので」と断った社員がいました。その社員が、今回のトークセッションを聞いて、「アライになるというその一歩が、自分にとって次の一歩として大事と気付いたから、アライになるよ」と言ってくれました。何かが変わった!と思えた瞬間でした。
ー社員体験談(英語版)の参考和訳を初めて発行
「Pride Journal」とは?
世界中のファイザーの社員体験談を紹介する年次冊子で、今年で16冊目になります。今回は12人の当事者の体験談が収録されています。社員やその家族のLGBTQ+をめぐる葛藤、カミングアウトに対する反応等の苦労、ありのまま受け入れられることで安心して仕事ができる喜びが書かれています。
英語版は読んでいましたか?
実は私は、存在にすら行き着いていないときもありました・・・。「あ、届いた。こういう冊子か」という印象で、しっかり読めてはいませんでした。
グローバル(米ファイザー本社)発行で、社内ニュース(英語版)では紹介されましたが、日本のファイザー社内ニュースには出てこないんです。今年、しっかり読んでみたいと思ったので、皆さんの手を借りて参考和訳の準備に着手しました。
参考和訳の存在は、大きかったですね!
我々、ビジネス英語には慣れていますが、物語を英語で読むのは慣れていないので前に進みません。日本語だと読み進められるので本当にありがたいです。
「Pride Journal」の当事者のストーリーは、自動翻訳では正しいニュアンスとならない文章もあり、皆さんに一つひとつ表現を直していただきました。この確認作業も多くの気付きにつながりました。社員がいつでも、他の社員の体験談を日本語でさっと読める状態にできたのは、とても嬉しいことです。
ー一人ひとりができることは小さくても、それがつながると大きなムーブメントになる
アライ見える化を始めたのですが、どう感じられるのか不安でした。最初に一歩を踏み出す時には、いろいろな反応があります。でも、歩みを進めないと次のステージには行けないから、それができる環境ならやった方がいい、ダメだったら来年やり方を変えたらいいって、背中を押してくださった方がいて励みになりました。
LGBTQ+であるかそうでないか、それは関係なく、様々なグラデーションの集まりである私たち一人ひとり全員が働きやすい職場にしていくことが大事ですし、そのための意見を言いやすい環境を作っていくことも非常に重要であると感じています。私たちの活動が何かのきっかけになり、行動が変わり習慣が変わっていく。そういったことをみんなでやろうよ!と協力し合える文化があるので、とても素晴らしいことだなと感じています。
そうですね。直接ご意見を聞く機会がないため、私たちは成功だと思っていても当事者の方はどう思うのか不安な気持ちになることもあります。100人全員に合わなくても、1人でもよかったと思っていただける方がいるのであれば、活動は続けていきたいです。以前、イベントのアンケートで当事者の方からコメントいただいたことがあります。その時はとても嬉しくてほっとしたことを覚えています。一人ひとりができることは小さくても、それがつながると大きなムーブメントになることは様々な活動を通じて実際体感し、自信につながりました。
ありがとうございました。