報道関係者向けセミナーで希少疾患患者さんの「生の声」を
医療用医薬品は医師によって使用される医薬品で、医療機関を通じて患者さんに届きます。そのため、社員の所属部署によっては、直接、患者さんと会う機会は限られますが、常に患者さんを思って仕事をしています。ファイザーにある様々な部署の社員が、日々どのように患者さんを思い、どんな仕事をしているのかご紹介します。
今回は、2月最終日のRare Disease Day(RDD)(レア・ディジーズ・デイ:世界希少・難治性疾患の日)に関連してファイザーが開催した報道関係者向けセミナーを担当した社員に話を聞きました。希少疾病メディカルアフェアーズ部のY.K.と、開発薬事のM.K.は、「患者さんと医師のお話を通じて、希少疾患(希少疾病)に共通する課題と希望を伝えることができたと思います」と口をそろえました。希少疾病部門のA.K.とY.Y.の記事はこちら。
ファイザーのValues「エクイティ(公平)」とも一致
希少疾患は患者数が少ない疾患*1の総称で、世界で6000~8000の疾患があると言われ*2、そのほとんどは社会の認知度も低い疾患です。社会の認知度が低いことによっても、患者さんは疾患そのものの負担に加え、受けられる治療や得られる情報、生活の質(Quality of life:QOL)にも大きなハードルがあると言われています。
毎年のRDDに合わせてファイザー日本法人では、希少疾患の患者さんの声を社会に届け、疾患について知っていただくきっかけにしたいと、報道関係者対象のセミナーを開催しています。それは、ファイザーの企業目的の現れでもあります。
「『患者さんの生活を大きく変えるブレークスルーを生みだす』ことがファイザーの企業目的ですが、これをどう実現するのかを示したValuesの1つに、『エクイティ(公平)』を掲げています*3」とM.K.が説明してくれました。
ここで言うエクイティ(公平)とは、どのようなことでしょうか。
「希少疾患に限りませんが、その人がかかった疾患、居住する国・地域、経済状況などに関わらず、適切な医療を等しく受けられる権利と環境だと考えています。診断・治療の体制が整備されるだけでなく、患者さんが必要とする疾患や治療に関する情報へのアクセス、新薬の臨床試験(治験)への参加機会の差が解消されることも、エクイティの実現につながると思います」(M.K.)。
「疾患と向き合ったことを伝えたい」患者さんの思い受け止め
今回のプロジェクトでは、Y.K.、M.K.ら各部署からメンバーが集まり、昨年秋から準備を開始。セミナーでどなたに何を話していただくかなど意見を出し合った結果、ある希少疾患を診療する医師とその患者さんにお願いすることにしました。
候補の患者さんにY.K.が依頼をすると、患者さんはとても協力的でした。疾患の最初の症状や、その後どのような経過をたどったのかなど、疾患と向きあってきた記録を時系列で整理してくださっていたそうです。「患者さんが何を伝えたいのかを受け止め、セミナーの内容として具体化しました」(Y.K.)。
セミナー当日。患者さんは、発症した時の状況から、診断された時の気持ち、インターネットなどで探しても疾患に関する情報がなかなか見つからなかったこと、片道2時間かけて通院したことなどをお話しされました。
専門医からは、この疾患がどのような疾患なのか、診断・治療に医療従事者がどのように取り組んでいるかについて解説がありました。まだその疾患であると診断されていない患者さんがいる可能性や、医療の差の縮小に向けた課題が浮かび上がりました。
一方、同セミナーで、疾患認知度の向上や新薬の承認によって診断・治療の環境が大きく変わっていく希望についても語られました。
「患者さん1人ひとりが違う人生を歩む」と気づき
Y.K.は今回の企画で直に患者さんと関わる機会を得たことで、学んだことがあるそうです。
「ある疾患に罹患されている患者さんを、一律にとらえるべきではないと思いました。患者さんは一人ひとり、経過が異なり、違う人生を歩んでいます。私たちは、患者さんそれぞれにどのような医療環境が適切かを念頭に置かなければなりません」。
M.K.も、医療用医薬品に関わる規制を遵守しつつ、患者さんの生の声を聴く重要性を感じとりました。「患者さんから学ぶことはたくさんあります。患者さんがよりよい医療を受けられるよう、患者さんの声に耳を傾け患者さんと共に取り組むことが、私たちの責任と企業目的を果たす第一歩だと思います」。
関連リンク
■ 【“患者さん”を考える】希少疾患 新薬開発とともに必要なことは?
https://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/external-communication/2023-02-28
■ 治験を知る・探す|医薬品開発
https://www.pfizer.co.jp/pfizer/development/about