視野は広く、行動は身近なことから
地球規模の気候変動は、私たちの時代が抱える最重要課題の一つであり、気候変動がもたらすリスクを減らすために、全世界で、また企業の枠を超えて協働する必要があるとファイザーは認識しています。
ファイザーはグローバル全体で、温室効果ガス(以下、GHG: Greenhouse Gas)排出量を削減し、2040年までに研究・開発から製造・流通・販売等のバリューチェーン全体でネットゼロ基準*1を達成することに取り組んでいます。*2
ファイザー日本法人において、対策を推進する「ネットゼロ プロジェクト」は、7名の社員がリードしています。サプライチェーン排出量については、スコープ1(事業者自らの燃料の燃焼などによる直接的なGHG排出)とスコープ2(他社から供給された電気・熱などの使用による間接的なGHG排出)の削減に取り組んでいますが、メンバーはインタビューにおいてそれぞれに、将来の地球環境への思いを語りました。そして、異口同音に「一人ひとりの取り組みは小さくても、それが広がれば大きな潮流になる」との考えを示しました。
プロジェクトリード兼スポンサーである吉田晴彦(執行役員 バイオファーマオペレーション ジャパンリード)のインタビューはこちら。
■ ネットゼロに関する社内啓発
2022年度は、社内向けにフォーカスしてネットゼロに関する基本的な情報発信をしました。2023年度は、社外に向けてもファイザーの取り組みを発信しています。
マスコットを作り、親しみやすく
N.G.(希少疾病部門 マーケティング部)
“ネットゼロ”という単語に、堅苦しい印象を持つ社員もいるかもしれません。そこで、社員一人ひとりが「自分ごと」として捉え、親近感を持てるように、マスコットキャラクター「かぼんちゃん」を作製しました。社内コミュニケーションのあらゆるコンテンツに登場させ、それらがネットゼロ関連のコンテンツだと認識してもらうためです。少しずつですが、実際に社内のネットゼロに関する認知度、取り組み意向は向上しています。
私が学生時代を過ごした英国では、多くの人が常日頃から意識せずとも地球にやさしい行動をしていました。幼い頃から地球環境に関する知識や意識の高さが浸透しているからこそ行動につながっていたと、改めて思います。「知ること」の大切さを感じるとともに、より多くの社員にも興味をもって「知ってもらえる」ように工夫することの重要性を感じています。
環境関連のニュースに自然と耳を傾ける
E.Y.(医薬開発 クリニカル・オペレーション部)
プロジェクトに参画した当初は、正直、ネットゼロについてよく理解していませんでした。書籍や動画で知るにつれ、企業としても個人としても取り組まなければならないと気づきました。
コロナ禍のリモートワーク業務では、紙をなるべく使わない工夫をするようになりました。日常生活でも、衣服を調節してエアコンの使用頻度を減らしたり、使用していない部屋の電気を消したり、なるべく車を使わずに自転車や公共交通機関を使用したりと意識しています。
環境に関する様々なニュースがあるにもかかわらず気に留めていませんでしたが、今は自然と耳を傾けます。個人の小さな取り組みも、集まることで大きな成果につながるはずです。
■ 営業車両からのGHG排出を削減
通常、医薬情報担当者(MR)は業務に自動車を使用しており、ファイザー日本法人全体で多くの営業車両が稼働しています。スコープ1に含まれる営業車関連のGHG排出削減に取り組んでいます。
営業車の「エコドライブ」を推進
I.M.(炎症・免疫部門 リウマチ領域マーケティング部)
まず、ネットゼロに取り組む必要性と、その中で車両からのGHG排出削減が重要であることを営業部門に発信しました。誰もが取り得る手段として、燃料消費量やGHG排出量を減らし、地球温暖化防止につなげる運転技術や心がけである「エコドライブ」*2のカルチャーを醸成しました。
エコドライブは安全運転にも寄与することから、社内の安全運転教育ともコラボレーションしています。
こうした取り組みにあたっては、チームのメンバーがその意義や思いをシニアリーダーの会議で説明し、協力を得ることができました。現在入社4年目の私にとって、部門や職種を越えたメンバーで構成されるチームで共通のゴールを目指すこのプロジェクトは、自分自身の成長機会とも捉え活動しています。
自分の取り組みを伝え、輪を広げる
R.S.(メディカル スピーカープログラム担当)
エコドライブ推進のため、全国の各営業所で「プロモーター」制をとることにしました。プロモーターを中心に営業所ごとの行動目標を立てたり、コンテスト形式にしたりするなど、主体的に取り組めるようにしたのです。好事例は社内SNSで共有しています。
普段の業務は自分の担当分野にフォーカスしていますが、このプロジェクトで、全社、製薬業界さらには地球環境へと視野が広がりました。その中で自分が何をすべきかを考えるようになりました。
個人の取り組みで地球環境ががらりと変わることはありませんが、私たちが自分の取り組みを伝え、波及していけば、やがて1が100になるでしょう。
■ オフィスでの電力消費量削減を啓発
スコープ 2に含まれる本社オフィスにおける電力消費量削減の観点から、ネットゼロの啓発活動を行っています。電力消費とGHG排出といった基本的な情報を、わかりやすく簡潔に発信しています。
「シンプルメッセージ」で行動変容に
K.S.(CF戦略統括部 CFオペレーション部 ビジネス推進部)
社員の協力が欠かせない電力消費量の削減に、理解を深めてもらおうと活動しています。本社オフィスの電力消費量の現状や電力消費が大きい機器などの情報を、ポスターやイントラネット、社内SNSを通じて発信しています。
環境への配慮は大切だとわかっていても、なかなかアクションに移せないという現実もあります。だからこそ、地道な啓発が求められていると考えています。シンプルなメッセージを、わかりやすく、しっかり伝えたいと思います。
環境問題には子どもの頃から関心があり、今回のプロジェクトにも自ら応募しました。プロジェクトで「どうすれば人の心を動かすことができるか、行動変容につながるか」を考えることは、業務上のスキルアップにもつながっています。
難しく考えず、小さなことでも続ける
プロジェクトメンバーは、比較的社歴の浅い方が多く、自分たちが築く将来のファイザー、将来の社会を意識して活動していると思います。また、どんな意見でもお互いに伝え合い、難しい課題にも地道に取り組むことができています。全社横断的なプロジェクトのため、様々な部署と関わり、シニアリーダーからアドバイスを得られるのもよい経験です。
私自身、ネットゼロを難しく考えすぎていました。照明・空調の適切な利用、印刷を減らす、1~2階分の移動は階段を使うなど、小さなことでも、オフィスだけでなく自宅などでも取り組み、続けることが大切です。昨年、父となり、子どもの世代が将来も安心して暮らせる、持続可能な社会を実現したいという思いを強くしました。
本社と名古屋工場の「つなぎ役」に
K.S.(PGS製剤部 包装グループ)
ファイザーがネットゼロを達成するには、先行した取り組みを行っている名古屋工場と本社の協力が重要です。工場からプロジェクトに参画する私が、活動状況を本社オフィスのチームとシェアするなど「つなぎ役」として貢献したいと思います。また、社員がネットゼロをより身近に感じてもらえるように工夫していきます。
イントラネットでは、環境に関する投稿が増えており、社内の関心は少しずつ高まっていると感じます。プロジェクトの活動を通じてネットゼロの取り組みが社員一人ひとりに広がり、「企業文化」と言えるようにしていきたいです。
個人的には、業務効率化による残業の減少と、空調の適正使用を通じた電力消費量の削減を特に意識しています。
関連リンク
■ 「健康な地球を残す」こともヘルスケアカンパニーの責務
https://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/external-communication/2023-07-19