北海道で初の「薬育“出前”授業」開催 ―企業と地域が育む未来のヘルスリテラシー
2025年10月、遠軽高校(北海道紋別郡)で、ファイザー有志社員で構成するプロジェクトチームが薬育“出前”授業を行いました。これまでも、子どもたちがくすりに関する正しい知識を身につけ、自ら健康を守る大人へと成長できるように「薬育」活動を行ってきましたが、今回初めて学校へ出向いていく出前スタイルの授業を実施しました。

授業前半では、医薬品の開発プロセスや製薬会社の役割を紹介し、後半では、生徒同士が意見を交換しながら、「情報の信頼性を見極める力」を育むグループワークを行いました。
SNS等であふれるさまざまな健康情報。その中で「どの情報を選択し、どう行動するか」を学ぶことは、これからの時代を生きる若い世代にとってとても大切です。
授業を振り返って、プロジェクトメンバーのツジは「グループワークに取り組む生徒達のエネルギーや主体的な姿勢が心に響いた」と語りました。

ツジ
授業後のアンケートでは、97%の生徒が、授業を受けたことで「健康情報を適切に選んで行動できる」と回答。「様々な角度から調べて、信用できる情報に自分でたどり着くことの重要性を学んだ」といった感想も多く寄せられました。また、ある生徒は、「将来、自分の子どもにも教えられるような、役に立つ知識が得られた」と話してくれました。
■ 薬育授業で未来をつくる
今回の授業は、2024年にファイザーと北海道が結んだ包括連携協定に基づく取り組みのひとつで、地域社会への貢献と次世代のヘルスリテラシー向上を目指す重要な活動であり、企業と教育現場が連携して実施した取り組みです。
プロジェクトへの参加にあたっての思いを語る場面では、プロジェクトのリーダーを務めたマツヤマは「製薬会社が何をしているのか、知らない子どもも多い。だからこそ知ってもらうことが大切だと思った」と語り、ツジも「自分の子どもが生まれたことで、次世代に伝えることの意義を強く感じるようになった」と話してくれました。

マツヤマ
■ 全員で届けた“想い”
今回の授業は、メンバー全員(7人)で北海道を訪れました。最初は、移動の負担を考えて少人数での実施も検討されましたが、「生徒に想いを届けるには、全員で行こう」と決断。初めての出前授業であり、これまで授業を作り上げてきた仲間と一緒に臨みたいという気持ちが強くありました。現地で生徒たちと向き合ったことで、「こちらの目を見て反応してくれる姿に心を動かされた」とマツヤマ。対面だからこそ得られる手ごたえに、チーム全体が大きな達成感を感じました。

■ 学びと成長、次への一歩
授業後には、遠軽高校の先生方との意見交換も行われました。先生方からは、専門用語を言い換える工夫や、事前学習の導入、生徒にとって身近なニュースと関連づけた内容を盛り込むなど、より効果的に伝えるためのアドバイスをいただきました。
今後は、講義とグループワークの2コマ構成にする案も検討するなど、マツヤマは「次はさらによい授業にしたい」と意気込みを語り、ツジも「教えるプロからの助言は非常に勉強になった」と、教育現場との連携に手応えを感じていました。

■ 社員の思い 未来の世代へのメッセージ
「自分の仕事の意義を伝えたい」「未来のファイザーファンを育てたい」――この出前授業は、社員たちの熱い思いから始まりました。
北海道教育委員会は、今回の出前授業について、「多くの生徒にとって、薬を科学的に理解し、より身近なものとして考えるきっかけとなりました」と評価し、「発展的な学習として多くの学校で活用できる出前授業となること」に期待を寄せていただきました。
企業と地域、そして学校が子供たちの未来のために手を取り合う、今回のような「薬育授業」は、これからの社会にとってますます重要になるはずです。
未来を担う若い世代へ、確かな情報とあたたかな想いを届ける「薬育授業」。この活動は、今後も進化を続けていきます。