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Pfizer co.jp ホーム ファイザー日本法人最新の取り組み患者さんに必要な医療情報を届けるために―医師と製薬企業の対話から生まれた新たな取り組み―

患者さんに必要な医療情報を届けるために―医師と製薬企業の対話から生まれた新たな取り組み―

医師が患者さんに適切な治療を届けるためには、薬の効果や安全性について、正確で分かりやすい情報を得ることが欠かせません。
製薬企業が医師向けに行う講演会は、そのための大切な機会の一つです。ファイザーは、企業主催・共催講演会を、医療関係者にとってより価値ある情報提供の場としていくことが、患者さんにとってより適切な医療が届けられる環境づくりにつながると考えています。

その考えのもと、ファイザーのメディカル部門は6月14日(日)、第125回日本皮膚科学会総会で「医療関係者にとって価値ある情報提供の実現」をテーマにしたスポンサードシンポジウムを共催しました。
法令・業界で定められたルールを遵守しながら、医療関係者の情報・教育ニーズに応える科学的情報をどのように届けるか。日々のスライドレビュー(講演会で使う発表スライド資料を事前に確認すること)で見えてきた課題の積み重ねから実現した今回のシンポジウムは、医師と製薬企業が課題と今後の方向性を共有する場となりました。
取り組みを担当したメディカル部門のカガワ、マユミ、イナガキに話を聞きました。

 INDEX

■患者さんの治療につながる正確な情報を届けるために

製薬企業が医療用医薬品の情報を医療関係者に提供する活動では、法令・業界ルールを遵守し、科学的根拠に基づく正確で公平な情報を届けることが基本です。
有効性や安全性に加え、疾患の発症メカニズムや診断、薬剤の作用メカニズムなどの科学的情報を医師に知ってもらう活動の一環として、製薬企業は疾患の専門医などを演者に招き、医師を対象とした講演会を開催します。専門医の組織である学会と共催し、学術集会のプログラムの一つとして行われることもあります。

演者となる医療関係者が講演会で使用する発表資料、いわゆるスライドについても、法令・規制等に照らして事前に確認する取り組みが行われています。

「主催企業は、開催前に演者から発表スライドを共有していただき、法令・規制に準じているかどうかをレビューするのが一般的です。ファイザーも演者の先生方のご協力を得ながら、講演会を運営しています」と、メディカル部門のカガワは説明します。

医療用医薬品を適正に使用するための情報発信について語るカガワさんの写真
医療用医薬品を適正に使用するための情報発信について語るカガワ

■企業主催・共催講演会とスライドレビューの課題

一方で、講演会のスライドレビューでは、聴講者にとって価値のある情報を届けたいという演者の想いと、製薬企業として担保すべき科学的根拠に基づく正確性や公平性、法令・業界ルールへの適合を両立させる必要があります。特に、症例や薬剤間の比較情報、新たに得られた研究データの扱いは判断が難しく、何が適切な情報提供なのかについて、演者と企業の間で認識の違いが生じることもあります。

「各社が法令や業界ルールのもとで適切な情報提供を目指す中で、運用上の考え方に違いが生じる場合があります。そのため、演者にとっては、企業からのスライド修正依頼の意図や背景が十分に伝わりにくい場面もあります。また、一般論として、スライドレビューの意義が演者に十分に理解されていなかったり、企業からの修正依頼に同意していただけなかったりすることもあります※1」と、カガワは話します。
こうした状況の背景の一つとして、スライドレビュー結果に基づく修正依頼だけが企業側から演者に一方的に伝えられ、なぜその確認が必要なのか、演者が何を伝えようとしているのかについて、企業側と演者側の双方が理解を深める機会が十分ではなかったことがあります。スライドレビュー基準だけでなく進め方そのものを見直す必要がありました。

■演者との対話を通じた、より良い情報提供への取り組み

ファイザーは、患者さんの治療に役立つ質の高い情報提供の実現に向け、2023年に講演会のスライドレビューを専門的に担う「スピーカープログラムSubject Matter Expert(SP-SME)チーム」(以下、「講演会スライドレビュー専門チーム」)をメディカル部門に設けました。

講演会スライドレビュー専門チームでは、スライドレビュー結果を一方的に伝えるのではなく、演者と企業が講演会の目的や伝えたい情報について相互理解を深めることを重視しています。こうした考え方に基づき、演者と対話しながら、より適切な情報提供の在り方を検討する「対話型スライドレビュー」に取り組んでいます。

対話型スライドレビューでは、単に規制や業界ルールに照らして修正を求めるのではなく、演者はスライドで何を伝えたいのか、どのような臨床課題や聴講者が知りたいことを意識しているのかを講演会スライドレビュー専門チームが直接演者に確認します。その上で法令・規制を踏まえながら、より適切な伝え方を演者とともに検討し、講演全体を支援しています。

「スライドレビューの目的は、演者のメッセージを一律に制限することではありません。演者が伝えたいことと、法令・規制や頑健な科学が両立できる形を一緒に考えることです。対話を通じて、演者が納得して発信でき、聴講する先生方にも価値のある講演会につながると考えています」(カガワ)

SP-SME(講演会スライドレビュー専門)チームの写真
SP-SME(講演会スライドレビュー専門)チーム

■現場の課題を集め、学会での議論へ

講演会スライドレビュー専門チームは、企業主催・共催講演会におけるスライドレビューの課題を整理し、演者経験のある医師とともに今後のより良い講演会のあり方を検討するため、医師との意見交換会を開催しました。そこで得られた知見をもとに、企業主催・共催講演会における現状と課題、今後の方向性を整理したポジションペーパーを発表しています※1。
また、皮膚科領域の先生方とも意見を交わし、診療科によって演者や聴講者が講演会に求める情報のニーズが異なることも見えてきました。皮膚科領域では、皮疹の変化や治療経過を症例から学びたいというニーズがある一方、症例情報の提示には、個人情報への配慮に加え、科学的妥当性や誤解を招かない表現が求められます。
こうした意見交換を重ねる中で、講演会をめぐる課題は一企業だけの問題ではなく、業界全体に共通するテーマであることが見えてきました。また、より良い講演会の実現には、医師と製薬企業がそれぞれの立場や考え方を共有しながら議論することの重要性も改めて認識されました。
そこで、より多くの医師と製薬企業が同じ場で課題を共有できる機会として、第125回日本皮膚科学会総会でスポンサードシンポジウムを企画しました。

■日本皮膚科学会総会で医師と製薬企業が議論

本シンポジウムは、企業主催・共催講演会を取り巻く現状と課題について、医師と企業関係者が共通認識を持ち、より良い講演会のあり方をともに考えるきっかけを創ることを目的としました。浜松医科大学皮膚科学 病院教授の伊藤泰介先生を座長に迎え、九州大学大学院医学研究院皮膚科学分野教授の中原剛士先生と、ファイザーの講演会スライドレビュー専門チームのマユミが登壇しました。シンポジウムでは、講演会をめぐる課題について、医師と企業それぞれの立場から意見が共有されました。

マユミからは、演者と企業の間で講演会の考え方に認識の違いが生じることや、スライドレビューの目的や修正理由について十分な対話が重要であることを紹介したうえで、解決に向けた選択肢の一つとして「対話型スライドレビュー」を提案しました。中原先生からは、実臨床に役立つ情報を適切に届けるためのバランスについて意見が示され、今後、医師・企業それぞれに期待される役割について提案がありました。

企業主催・協賛講演会をめぐる課題の表画像

第125回日本皮膚科学会総会のスポンサードシンポジウムにて、座長の伊藤泰介先生(右)と、中原剛士先生(左)、講演会スライドレビュー専門チームのマユミさん(中央)の写真

第125回日本皮膚科学会総会のスポンサードシンポジウムにて、座長の伊藤泰介先生(右)と、中原剛士先生(左)、講演会スライドレビュー専門チームのマユミ(中央)

当日は約200席の会場に約280名が参加し、本テーマへの関心の高さがうかがわれました。

「企業主催・共催講演会には、医師と製薬企業がともに検討すべき課題があるという認識を共有できたと思います。それぞれの立場から意見が示され、よりよい講演会の在り方について、今後の対話を続けるための土台をつくることができました」と、マユミは振り返ります。

日本皮膚科学会総会でシンポジウムに登壇したマユミさんの写真

日本皮膚科学会総会でシンポジウムに登壇したマユミ

■医師と継続的な対話を通じた信頼のある情報提供

では、医師に必要な情報を適切に届けるためには、何が求められるのでしょうか。同じく講演会スライドレビュー専門チームのイナガキはこう話します。

「患者さんの治療に役立つ質の高い講演会を」と語るイナガキさんの写真

「患者さんの治療に役立つ質の高い講演会を」と語るイナガキ

「どの製薬企業が主催・共催する講演会であっても、聴講する先生方が診療に必要な情報を適切に得られることが、患者さんの治療に役立つ質の高い講演会につながると考えています。もちろん、その情報は科学的で製品の適正使用に資するものでなければなりません。そのため企業と演者が、適切な情報提供を共創するパートナー関係を築くことが重要だと考えます」
今回のシンポジウムで共有された論点は、当日参加された先生方だけでなく、講演会に関わる多くの医療関係者や製薬企業にも共通するテーマです。

その上で、今後の方向性について次のように述べました。

「講演会スライドレビュー専門チームが実践する対話型スライドレビューも、すべての課題を解決する完成形ではありません。演者や製薬企業がより良い講演会のあり方を検討する際の、一つのアプローチとして提案しています。私たちは今後も、より適切な情報提供の実現に向けて、医師との対話を通じて得られた知見の共有を継続していきたいと考えています」

法令・業界ルールを遵守しながら、医師にとって必要な科学的情報が、正確かつ公平に伝わる講演会を実現すること。そのためには、まず演者と製薬企業が互いの立場を理解し、対話を重ねることが欠かせません。
ファイザーは患者さんの利益につながるより良い医療環境の実現を目指し、今後も、科学的かつ公平な情報提供の推進と関係者との建設的な対話を継続的に取り組んでいきます。

※1 医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス.56(4):307-314,2025.

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