1999
(5月)中央研究所第4研究棟が完成。
(8月)社長にアラン・B・ブーツが就任。
1999年以降、次々と新製品を上市し、世界のファイザーにおける日本の役割がますます重要となる中、さらに高い目標に向って疾走し始めた医薬事業部門。ファイザーの8つの価値規準(Core Value)に則って、「最も成功し、最も尊敬されるヘルスケアカンパニー」を目指し、ファイザー株式会社の新たな挑戦の物語が始まりました。
医薬事業部門を中心に、飛躍的な成長を遂げつつあった1997年。ファイザー社のスティア会長兼CEOから、ファイザー社で働くすべての社員が共有し、実践すべき「価値規準」(Core Value)が発表されました。
Core Valueは、「誠実と高潔」「人間尊重」「全員参加のチームワーク」「善き市民」「リーダーシップ」「革新」「顧客志向」「業績改善」から形成されました。
翌1998年には、全社員が各Valueについて考えるワークショップを全国展開し、Core Valueに則ったさまざまな活動が行われました。例えば、2000年9月から始まった市民活動(NPO)への助成活動「ファイザープログラムー心とからだのヘルスケアに関する市民活動支援」、2002年9月に導入された短縮勤務制度など、Core Valueの具現化につながりました。
2001年6月、ファイザー社のCEO兼会長に就任したマッキンネルは新ミッション「世界で最も価値のある企業になる」を発表しました。その実現のために社員がなすべきこと、そしてファイザー製薬が目指すべき道を明確に指し示す8つのCore Valueと、全社員がリーダーシップを発揮する「リーダービヘイビア」を示しました。
循環器領域で評価を得たファイザー製薬は、あらたに、患者さんのQOL(Quality of Life)向上のための生活改善薬や、効果や服薬コンプライアンスの面で優れた特徴を持つ製品を上市していきました。
また、新しい取り組みとして、他メーカーとのコ・プロモーションを展開。1999年にエーザイ株式会社と、2000年に山之内製薬株式会社(当時)と情報提供活動を開始しました。
薬剤がなかった領域での初めての薬剤は、これまで苦しんでいた多くの患者さんのQOL向上に貢献しました。
2001年には3チーム制の導入という革新的な組織をスタート。さらに2002年には、大型製品の上市に合わせて、きめ細かい情報提供活動の実現と専門領域に精通した顧客ニーズへの迅速、的確なサービスの強化を図りました。
1999年にファイザー製薬代表取締役社長に就任したアラン・B・ブーツは、「日本で最も成功し、最も尊敬されるヘルスケアカンパニー」となることを、当時のビジョンとして掲げました。その間、Core Valueの実践、新製品の上市、医薬部門の強化などさまざまな改革が行われました。
そして21世紀に入り、日本国内はもちろん、世界における医薬品メーカー間の競争は激化し、世界的規模での再編成がダイナミックに行われました。ファイザー社も2000年6月にワーナー・ランバート社を統合。さらに2003年4月には、ファルマシア社と統合しました。
日本でのファルマシアとの統合後、ファイザー製薬は社名も新たに、ファイザー株式会社としてスタートしました。統合により、医薬部門では循環器系、中枢神経系、感染症・アレルギー系、泌尿器系、筋骨格系、眼科、癌、内分泌系と幅広い疾患領域をカバーしました。また、CHC事業部では禁煙補助剤が加わり、農産事業部でも製品ラインアップが強化されました。