報道関係各位
2022年4月27日
ファイザー株式会社
ファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:原田明久)は 本日4 月27日、骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症の治療薬として、長時間作用型遺伝子組換えヒト成長ホルモン製剤「エヌジェンラ®皮下注24mgペン、同60mgペン」(一般名:ソムアトロゴン(遺伝子組換え)、以下「エヌジェンラ」)を発売しました。
エヌジェンラは長時間作用型の週1回投与の製剤で、成長ホルモン製剤の連日投与が必要な成長ホルモン分泌不全性低身長症の患者さんの負担軽減に繋がる治療選択肢を提供します。「骨端線閉鎖を伴わない思春期前の小児成長ホルモン分泌不全性低身長症患者」を対象とした、エヌジェンラ週1回皮下投与と、既存の成長ホルモン製剤ジェノトロピン®(一般名:ソマトロピン(遺伝子組換え)、以下「ジェノトロピン」)の連日皮下投与を比較した、国内第3相試験および海外第3相試験において、エヌジェンラ投与群は、主要評価項目である投与12ヵ月後の年間成長速度において、ジェノトロピン投与群と同様の有効性を示しました。また、エヌジェンラ投与群の忍容性は良好であり、ジェノトロピン投与群と同様の安全性プロファイルが示されました。
【ファイザー株式会社 取締役 執行役員 希少疾病部門長 横山 文のコメント】
従来、小児の成長ホルモン分泌不全性低身長症の患者さんは連日の自己注射が必要でした。エヌジェンラは週1回の投与を可能とした画期的な製品であり、患者さん、および保護者の方の注射による治療負担の軽減が報告されています1。本剤が新たな治療選択肢として、多くの患者さんとそのご家族に貢献できることを期待します。
希少疾病部門は、今後も適正な診断と治療の推進に取り組み、希少疾病患者さんの生活を大きく変える革新的な薬剤を1日でも早くお届けできるよう、尽力してまいります。
米国ファイザー社とOPKO社は2014年に、ソムアトロゴンの成長ホルモン分泌不全性低身長症に対する開発、および商業化に関する世界的な契約を締結しました。本契約ではOPKO社が臨床試験実施、ファイザー社が承認申請と商業化の責務をそれぞれ担います。
【エヌジェンラの概要】
製品名 |
エヌジェンラ®皮下注24mg ペン |
一般名 |
日本名:ソムアトロゴン(遺伝子組換え) |
効能又は効果 |
骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症 |
用法及び用量 |
通常、ソムアトロゴン(遺伝子組換え)として0.66mg/kgを1週間に1回皮下投与する。 |
製造販売承認取得日 |
2022年1月20日 |
薬価収載日 |
2022年4月20日 |
発売日 |
2022年4月27日 |
製造販売元 |
ファイザー株式会社 |
【国内第3相試験について】
本試験は、日本人小児成長ホルモン分泌不全性低身長症患者44例を対象に、エヌジェンラ週1回投与の有効性と安全性ならびに薬物動態を検討する第3相、非盲検、実薬対照無作為化比較試験です。治験参加者はエヌジェンラ投与群(0.66 mg/kgの週1回投与、薬物動態の評価のため0.25 mg/kgから投与を開始し2週間隔で0.48、0.66 mg/kgへ順次増量)、またはジェノトロピン投与群(0.025 mg/kgの1日1回投与)のいずれかに無作為に割り付けられ、12ヵ月間治験薬の投与を受けました。
【海外第3相試験について】
本試験は、小児成長ホルモン分泌不全性低身長症患者224例を対象に、エヌジェンラ週1回投与の有効性と安全性を検証する第3相、非盲検、実薬対照無作為化比較試験で、20ヵ国が参加しました。治験参加者はエヌジェンラ投与群(0.66 mg/kgの週1回投与)、またはジェノトロピン投与群(0.034 mg/kgの1日1回投与)のいずれかに無作為に割り付けられ、12ヵ月間治験薬の投与を受けました。
【エヌジェンラについて】
エヌジェンラは、ヒト成長ホルモンにヒト絨毛性ゴナドトロピンに由来するアミノ酸配列を融合することにより、生体内半減期を延長した新規の長時間作用型ヒト成長ホルモン製剤です。
【ジェノトロピンについて】
ジェノトロピンは、ファイザー株式会社が製造販売する遺伝子組換え天然型ヒト成長ホルモン製剤であり、日本国内では以下の適応症が承認されています。
-骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症
-骨端線閉鎖を伴わないターナー症候群における低身長
-骨端線閉鎖を伴わない慢性腎不全における低身長
-骨端線閉鎖を伴わないプラダ―ウィリー症候群における低身長
-成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)
-骨端線閉鎖を伴わないSGA(small-for-gestational age)性低身長症
【成長ホルモン分泌不全性低身長症について】
成長ホルモン分泌不全性低身長症は、脳下垂体からの成長ホルモンの分泌が十分ではないことによって起こる成長障害のひとつで、頻度は4,000~10,000人に1人と報告される希少疾病です。成長ホルモンは成長および代謝を調節する働きを持つため、成長ホルモン分泌不全性低身長症の患者では、低身長やこれに伴う心理的・社会的な問題、第二次性徴の遅れ、その他健康上の問題を生じる可能性があります2,3,4,5。
【ファイザーと希少疾病について】
希少疾病には難治性の疾患があり、また、世界には何百万人もの希少患者さんがいらっしゃいます。ファイザーでは知識と専門性を活かし、このアンメットメディカルニーズに大きくインパクトをもたらす研究開発に取り組んでいます。当社は、20年以上にわたる経験、希少疾病に特化した研究開発部門、複数の化合物ならびに医薬品から構成されるグローバルポートフォリオに基づき、血液、神経、循環器、遺伝性代謝疾患を含む希少疾病にフォーカスしています。
また、変革的治療およびソリューションを提供するために、最先端の科学知識に加え、アカデミア、患者さん、他企業と革新的提携をすることにより得られた見識から、疾患メカニズムに関する深い考察を加えています。私たちは、1日でも早く画期的な治療薬と希望をお届けするために、グローバル規模で力を結集し日々イノベーションに取り組んでいます。
ファイザーについて:患者さんの生活を大きく変えるブレークスルーを生みだす
ファイザーはサイエンスとグローバルなリソースを活用し、人々が健康で長生きし、生活を大きく改善するための治療法をお届けしています。私たちは、革新的な医薬品やワクチンを含むヘルスケア製品の探索・開発・製造における品質・安全性・価値の基準を確立するよう努めています。ファイザーの社員は、生命や生活を脅かす疾患に対するより良い予防法や治療法を提供することで、日々、世界中の人々の健康に貢献しています。世界有数の革新的医薬品企業の責務として、信頼できる医療に誰もが容易にアクセスできるように、世界中の医療従事者、政府、地域社会と協力しています。人々の期待に応えるため、私たちは 170 年にわたり前進し続けてきました。詳細はホームページをご覧ください。
(米ファイザー本社)www.pfizer.com
(日本法人)www.pfizer.co.jp
<出典>
1.社内資料:海外第3相無作為化非盲検試験(C0311002試験)
2.National Organization for Rare Disorders. Growth Hormone Deficiency.
https://rarediseases.org/rare-diseases/growth-hormone
3.Stanley T. Diagnosis of growth hormone deficiency in childhood. Curr Opin Endocrinol Diabetes Obes. 2012;19(1):47-52. doi:10.1097/MED.0b13e32834ec952.
4.Cerbone M, Dattani MT. Progression from isolated growth hormone deficiency to combined pituitary hormone deficiency. Growth Horm IGF Res. 2017;37:19-25. doi:10.1016/j.ghir.2017.10.005.
5.Ergun-Longmire B, Wajnrajch M. Growth and growth disorders. Feingold KR, Anawalt B, Boyce A, et al., editors. Endotext [Internet]. South Dartmouth (MA): MDText.com, Inc.; 2000. Available from: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK279142/
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