報道関係各位
2022年9月26日
ファイザー株式会社
ファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:原田明久)は本日9月26日、過活動膀胱治療剤「トビエース®錠4mg、同8mg」(一般名:フェソテロジンフマル酸塩、以下、トビエース)について、体重25 kg超の小児を対象とした「神経因性膀胱における排尿管理」の治療薬として、医薬品製造販売承認事項一部変更承認を取得しました。この度の適応追加の承認は、小児の神経因性排尿筋過活動(neurogenic detrusor overactivity: NDO)を対象としたトビエースの国際共同第3相試験および国内長期投与試験の結果等に基づくものです。
トビエースは、本邦では2012年12月に成人の「過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁」の適応症で承認され、2013年3月に発売しました。今回承認された小児の神経因性膀胱は、患者さん本人の意思に反して不随意に膀胱が収縮することにより、尿失禁や頻尿などの症状に加え、未治療の場合は膀胱炎や腎盂腎炎などの尿路感染を起こす可能性があります。神経因性膀胱の治療の第1選択肢は、患者さんまたは介護者によるカテーテルを用いた定期的な導尿と病態に応じた抗コリン剤の併用で、日本では小児の治療薬はなく、アンメット・ニーズの高い疾患です。なお、米国においても同様の小児の適応症で2021年6月に承認されています。
【トビエースの概要】
【ファイザー株式会社 代表取締役社長 バイオファーマシューティカルズ事業部門 / インターナルメディスン部門長 原田 明久・
ファイザーR&D合同会社 社長 石橋 太郎のコメント】
トビエースは、成人の過活動膀胱治療薬として、日本で承認されてから9年が経過いたしました。今回の承認の基となった臨床試験にご参加いただいた患者さんと医療機関の皆さまに心から感謝申し上げます。本剤が小児神経因性膀胱の治療と、患者さんとそのご家族のQOL向上に貢献できることを期待するとともに、今後も適切な情報提供活動に努めてまいります。
<参考情報>
【トビエースについて】
トビエースは、ファイザー社により過活動膀胱治療剤として開発された膀胱に対する選択性の高いムスカリン受容体拮抗薬です。2007年4月に欧州、2008年10月に米国で承認され、2022年7月現在、40以上の国又は地域で承認されています。
【国際共同第3相試験について】
本試験は、多施設共同、無作為化、非盲検、並行群間比較試験です1。体重25kg超の小児NDO患者を対象に、トビエース4mgまたは8mgを12週間投与したときの安全性と有効性を評価しました。トビエース4mg群と8mg群において主要評価項目である投与12週後の最大膀胱容量の変化量がベースラインから有意に減少しました。
【国内長期投与試験について】
本試験は、多施設共同、非盲検、長期継続投与試験です2。国際共同第3相試験を完了した6~17歳の日本人NDO患者を対象に、トビエース4mgまたは8mgを1日1回長期投与したときの安全性と忍容性を検討しました。
【小児の神経因性排尿筋過活動について】
神経因性膀胱では、神経因性排尿筋過活動(neurogenic detrusor overactivity: NDO)を呈することがあります。NDOにより、患者さん本人の意思に反し、不随意に膀胱が収縮することで、尿失禁や頻尿などの症状に加え、未治療の場合、膀胱の高圧環境が引き起こされ、膀胱尿管逆流、水腎症・水尿管症や尿路感染症を誘発し、腎機能の低下を招くことがあります3、4。
ファイザーはサイエンスとグローバルなリソースを活用し、人々が健康で長生きし、生活を大きく改善するための治療法をお届けしています。私たちは、革新的な医薬品やワクチンを含むヘルスケア製品の探索・開発・製造における品質・安全性・価値の基準を確立するよう努めています。ファイザーの社員は、生命や生活を脅かす疾患に対するより良い予防法や治療法を提供することで、日々、世界中の人々の健康に貢献しています。世界有数の革新的医薬品企業の責務として、信頼できる医療に誰もが容易にアクセスできるように、世界中の医療従事者、政府、地域社会と協力しています。人々の期待に応えるため、私たちは170年以上にわたり前進し続けてきました。詳細はホームページ、公式SNSをご覧ください。
<出典>
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