報道関係各位
2024年2月28日
ファイザー株式会社
ファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:原田明久)は本日、抗TFPIモノクローナル抗体「マルスタシマブ(遺伝子組換え)」(以下、マルスタシマブ)について、「血液凝固第VIII因子または第IX因子に対するインヒビターのない血友病患者における出血傾向の抑制」に関する国内における製造販売承認申請を厚生労働省に行いました。
本申請は、成人および青年のインヒビターのない血友病A(先天性血液凝固第VIII因子欠乏)または血友病B(先天性血液凝固第IX因子欠乏)患者を対象とした国際共同第3相試験(BASIS試験)の結果等に基づくものです。マルスタシマブは主要評価項目の年間出血率について、マルスタシマブ定期投与の凝固因子出血時補充療法に対する優越性、およびマルスタシマブ定期投与の凝固因子定期補充療法に対する非劣性が示されました。また、安全性プロファイルも良好でした。
ファイザー株式会社 取締役 医薬開発担当の石橋太郎は次のように述べています。「本日、インヒビター非保有の血友病患者にとって新たな治療選択肢となり得るマルスタシマブの製造販売承認を申請したことをうれしく思います。本剤を一日でも早く血友病の患者さんにお届けできるよう、承認取得に向けて引き続き関係者と協力してまいります」
マルスタシマブ(遺伝子組換え)について
マルスタシマブは、ヒトIgG1モノクローナル抗体であり、外因系血液凝固カスケードの主要な阻害因子である組織因子経路インヒビター(TFPI)を阻害します。マルスタシマブは、血液凝固第VIII因子または第IX因子に対するインヒビター保有または非保有の血友病Aまたは血友病B患者における出血傾向を抑制するために定期投与する、薬剤調製が不要な固定用量の皮下投与製剤として開発中です。
血友病について
血友病Aおよび血友病Bは、それぞれ血液凝固第VIII因子および第IX因子の欠乏により血液凝固機能に異常をきたす遺伝性疾患です。血友病は、凝固因子補充療法として凝固因子製剤を出血時に投与する出血時補充療法、出血予防を目的に定期的に投与する定期補充療法、または非凝固因子製剤による治療が行われます。凝固因子補充療法により、血友病Aでは約20%、血友病Bでは約3%の患者に凝固因子に対するインヒビターが産生されます1。インヒビターが産生されると、凝固因子補充療法による止血が困難となります。世界血友病連盟(WFH)年次世界調査2021によると、日本における推計患者数は血友病Aが約5,600人、血友病Bが約1,200人と報告されています2。
BASIS試験について
BASIS試験は、成人および青年(男性、12歳以上75歳未満、体重35kg以上)の血液凝固第VIII因子の活性が1%未満または血液凝固第IX因子の活性が2%以下であるインヒビター非保有の血友病A(先天性血液凝固第VIII因子欠乏)または血友病B(先天性血液凝固第IX因子欠乏)患者を対象とした一方向クロスオーバー、非盲検、多施設共同試験です。
前治療として凝固因子出血時補充療法を受けた患者では、6ヵ月間の観察期間に凝固因子出血時補充療法を行った後に、12ヵ月間の投与期間にマルスタシマブを週1回投与し、観察期間と投与期間の年間出血率等のデータを比較しました。
前治療として凝固因子定期補充療法を受けた患者では、6ヵ月間の観察期間に凝固因子定期補充療法を行った後に、12ヵ月間の投与期間にマルスタシマブを週1回投与し、観察期間と投与期間の年間出血率等のデータを比較しました。
ファイザーはサイエンスとグローバルなリソースを活用し、人々が健康で長生きし、生活を大きく改善するための治療法をお届けしています。私たちは、革新的な医薬品やワクチンを含むヘルスケア製品の探索・開発・製造における品質・安全性・価値の基準を確立するよう努めています。ファイザーの社員は、生命や生活を脅かす疾患に対するより良い予防法や治療法を提供することで、日々、世界中の人々の健康に貢献しています。世界有数の革新的医薬品企業の責務として、信頼できる医療に誰もが容易にアクセスできるように、世界中の医療従事者、政府、地域社会と協力しています。人々の期待に応えるため、私たちは170年以上にわたり前進し続けてきました。詳細はホームページ、公式SNSをご覧ください。
(米ファイザー本社)www.pfizer.com
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1 Centers for Disease Control and Prevention. Inhibitors and hemophilia. Last reviewed: February 2024. https://www.cdc.gov/ncbddd/hemophilia/inhibitors.html.
2 World Federation of Hemophilia. Report on the Annual Global Survey 2021. October 2022.
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