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Pfizer co.jp ホーム ファイザー日本法人最新の取り組み見て・聴いて・触れるサイエンスアート展、開催見て・聴いて・触れるサイエンスアート展、開催

日本で創立70周年を迎えるファイザーの思い

ファイザー株式会社は、2023年に日本法人創立70周年を迎えます。70周年を記念して、“サイエンスをもっと身近に”感じていただきたいという思いのもと、私たち一人ひとりのからだに秘められた、一番身近で、けれども一番見えにくいサイエンスの世界“セントラルドグマ”を、 見て・聴いて・触れるアートを通じて体験できる「サイエンスアート展」を2023年8月11日(金・祝)~13日(日)の3日間限定で、東京タワーにて開催します。参加する4名のアーティストの一人Kikoh Matsuuraさんに、2023年の新入社員R.Y.(名古屋工場 品質オペレーションズ部)とM.K.(同)がお話を伺いました。展覧会のフライヤー(PDF)はこちら
 

「セントラルドグマ」をテーマに創作

【M.K.】 「サイエンスをもっと身近に」感じられる機会を作ろうと、今回のサイエンスアート展が企画されました。遺伝情報の伝達時の基本原則である「セントラルドグマ」をテーマに選んだ理由は何でしょうか?

また、人の知覚能力では把握できない領域にあるものを、アートや音楽などを通して感覚的に表現することに取り組まれているMatsuuraさんが、今回の作品で表現なさりたいことは何でしょうか?

【Matsuura】 あらたまって「自分も生命だ」などと考える機会はあまりないと思うのですが、どうでしょうか。生命には、その起源から約38億年に渡って続いてきた歴史があります。僕たちもその歩みの末端で生きていて、生命のネットワークに繋がっています。

今回製薬企業のファイザーさんからお話をいただいて、僕たちが生まれ、生きていく過程を支えている原則「セントラルドグマ」をアートを通じて体験していただくことで、生命の奇跡や尊さ、「私たちとは何か」に思いを巡らせる機会を作れたらと考えました。そこから、より豊かな人生を考えるきっかけにもなればと思っています。
 

身近にある「サイエンス」を実感

【R.Y.】 Matsuuraさんにとって「サイエンス」とはどのようなものでしょうか?

【Matsuura】 僕は夕日を見るのが好きなのですが、太陽が沈むのはあたり前のことですし、空がグラデーションに見える理由を知識としてはみんな知っているでしょう。夕日のように自然が描く、吸い込まれるような美しさや壮大さに触れた時、「思えば凄いことだ」と実感して自然の創造性を驚異的に感じます。同時にそこに秩序を垣間見て探究心が芽生え、この世界や自分自身の存在についても考えます。こうしたことが僕にとってサイエンスなのかと思います。おふたりにとってはどうですか?

【M.K.】 空がいつも同じ景色ではないことなど、身近なものが「なぜそうなっているのか」を定量的、定性的に表現する一つの方法がサイエンスだと考えています。そこから「こうなったらいいのに」という願望を叶えられるようになるのだと思います。

【R.Y.】 今存在している事象や物質について学問的に知ることで、普段目にしている物事の見え方が変わり、新しく未来を創っていけるようになるのがサイエンスだと思います。大学の薬学部で、体の構造や薬が体内に届く仕組み、つまり日頃は当然のこととして受けとられている事象を学んできたので、このように考えているのかもしれません。

【M.K.】 Matsuuraさんは音楽活動もなさっているそうですね。

【Matsuura】 学生時代からバンド活動をしていて、その後も音楽フェスティバルに出るなど活動を続けました。作曲家としても、他のアーティストへの楽曲提供、ドラマ、映画、アニメーションの主題歌作曲をしてきました。現在は方向が変わりサウンドアートを制作しています。

【R.Y.】 そこから、自然の美や神秘のアート表現に取り組まれたきっかけがあったのでしょうか。

【Matsuura】 もともと自然や自然科学に興味があったので、プラネタリウムなどに音楽で関われないかと思っていました。自然の美の壮大さ、生命の微細な世界を、「音楽的・アート的な感性」と「サイエンス」を融合して表現する作品を制作するようになりました。
 

「生命の起源」など4テーマをアートに

【R.Y.】 今回の4つの作品はそれぞれ「セントラルドグマ」「生命の起源」「遺伝情報伝達」「染色体」を表現されているそうですね。

【Matsuura】 はい、4作品とも鑑賞者が「考える」のではなく「感じる」工夫を凝らしました。


 INDEX

  1. 没入感のある映像インスタレーション<軌跡>
  2. 鑑賞者も一緒に作り上げるアート<Birth>
  3. 鑑賞者とアーティストが共同で生み出すアート<life activation>
  4. 自らを構成する染色体と対峙するオブジェ<chromosome, ancient>

1: 没入感のある映像インスタレーション<軌跡>

会場内に入ると、複数のディスプレイに僕のゲノムデータを情報処理して生成した「映像」が投影されています。「映像」から生成したミニマルな音楽も流れています。これは「DNAからメッセンジャーRNA(mRNA)への転写」を映像に、「mRNAの情報に基づくタンパク質の合成(翻訳)」を音になぞらえ、セントラルドグマの流れを表しています。

映像と音の融合が絶え間なく続く没入感のある空間で、ゲノムにある膨大なデータが、長い年月に渡って子孫に脈々と伝えられてきた生命、自分もその歴史の末端にある生命であることを感じ、生命の軌跡に思いを巡らせていただきたいです。
 



2: 鑑賞者も一緒に作り上げるアート<Birth>

4種類のアミノ酸、アラニン、アスパラギン酸、グリシン、バリンを模した無数のオブジェで構成された作品です。生命の誕生はこれらが結び付いて始まったとされる仮説を表現しています*1。照明が薄暗くなると、オブジェが生命を宿したかのように青白く光る幻想的な空間になっています。

オブジェは鑑賞者が自由に動かすことができるので、置いたり繋げたり、何かを型作ったり作らなかったり。それもまた「生命誕生」の神秘を表しています。お子さんにも楽しんでもらえる作品です。
 



3: 鑑賞者とアーティストが共同で生み出すアート<life activation>

カメラが捉えた鑑賞者の画像からランダムな文字列を生成し、「遺伝情報」に例えています。この遺伝情報としての文字列が、壁面に投影された「無生物」を模したオブジェクトに入り込むと「細胞」として動き出します。鑑賞者の遺伝情報を持つ細胞を表すオブジェクトが、動いたり、くっついたり、環境要因によって変化したり。

僕たちの体の中で日々起きている「小さく偉大な現象」を、鑑賞者とアーティストが共同で生み出すアートです。
 



4: 自らを構成する染色体と対峙するオブジェ<chromosome, ancient>

僕たちの細胞の中にある遺伝情報を記録する「染色体」をオブジェで表現しました。会場である東京タワーを1つの細胞と見立てています。2m近いオブジェのスケール感に向き合って、自分を構成する基本的要素の不思議さを感じてもらう意図があります。古の遺物のような佇まいの作品から、古さが新しさにつながり、後世に受け継がれること。そして「染色体」と向き合う体験を通じて、僕たちが存在する意味や一人ひとり異なる個性について考えてみる機会になればと思います。
 

他分野の人と関わって得られる好影響

【Matsuura】 おふたりは4つの展示についてどう感じましたか?

【R.Y.】 4つの作品について、なぜそのテーマを選んだか、展示物の設定にどのような意味があるかを理解した上で見ていただくとより楽しめると思いました。

【M.K.】 サイエンスを身近に感じるためにアートという手段があるとわかりました。また、自分の世界に閉じこもるのではなく、他分野の人と協働する大切さを感じました。

【Matsuura】今日は新入社員のおふたりとお会いして、サイエンスやサイエンスアートについて意見を聞くことができ、よい刺激を受けました。

【R.Y.】/【M.K.】 お話を伺う機会をいただき、ありがとうございました。
 

*1  ヒトを構成するアミノ酸は20種類となります。

プロフィール 
Kikoh Matsuura

アーティスト。この世界に潜在する人の知覚能力では把握できない領域にあるものを、アート、音楽、サイエンスを通し科学的また感覚的に表現することで、世界の新たな相貌を探査する。London International Creative Competition 2021 Finalists、Budapest International Foto Awards 2020 Gold plazeなど受賞。
 

関連リンク

■  【メディア掲載:共同通信社】
『セントラルドグマ ~生命(いのち)の根源が描き出すサイエンスアート~』展が取材を受けました
https://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/external-communication/2023-09-06

■ ファイザー日本法人創立70周年記念動画『名もなき挑戦者たち~経験を、未来へつなぐ、伝える~』
https://www.youtube.com/playlist?list=PLQ4_TNdBKYla_4hD4ufahLBEcwjguU-zK 

■ ファイザー 日本法人の歴史
https://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/history-jp

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