報道関係各位
2023年9月27日
ファイザー株式会社
ファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:原田明久)は本日、円形脱毛症の治療薬として、経口JAK3/TECファミリーキナーゼ阻害剤「リットフーロ®カプセル50mg(一般名:リトレシチニブトシル酸塩、以下、リットフーロ)」を発売いたしました。
リットフーロは日本においては2022年8月に製造販売承認申請を行い、2023年6月に承認を取得いたしました。また、海外では米国および欧州連合(EU)において、成人および12歳以上の小児を対象とした重症の円形脱毛症に対する治療薬として承認されています。
ファイザー株式会社 取締役 執行役員 炎症・免疫部門長の宮原京子は次のように述べています。
「リットフーロはJAK3およびTECファミリーキナーゼを阻害するという新しい作用機序の治療薬です。円形脱毛症における新たな治療選択肢のひとつとして、本剤が適応となる12歳から成人の患者さんのQOLを大きく改善することに貢献してまいりたいと考えております。当社は医療機関や関連学会と連携し、本剤の適正使用推進のための情報提供活動を進めてまいります」。
リットフーロ®カプセル50mg 製材写真
リットフーロについて
ATP(アデノシン三リン酸)結合部位の遮断により、JAK(ヤヌスキナーゼ)3および5種類のTECファミリーキナーゼを不可逆的に阻害する共有結合形成型の経口投与可能な低分子製剤です。本剤はJAKファミリーキナーゼのうちJAK3に対する選択性が極めて高く、JAK1、JAK2、TYK(チロシンキナーゼ)2に対する阻害活性はほとんど示しません。円形脱毛症の病態に関与するIL-15、IL-21等の共通γ鎖受容体のシグナル伝達をJAK3阻害により強力に抑制し、CD8陽性T細胞およびNK細胞の細胞溶解能をTECファミリーキナーゼ阻害により抑制することで治療効果を発揮します。
円形脱毛症について
円形脱毛症は斑状の脱毛を特徴とする自己免疫疾患で、免疫細胞が健康な毛包を攻撃することで脱毛症状が起こります。多くの場合、頭皮で脱毛しますが、時には顔(眉毛、まつ毛、ひげ)を含む頭部全体や全身に症状が出ることがあります。平均発症年齢は25~35歳ですが、子供から高齢者まで幅広い年齢層で、性別、人種を問わず発症します。円形脱毛症の治療法は限られており、発症後の管理が難しいことも知られています1, 2。これらのことから、多くの患者さんにおいて健康関連QOLが低下し3、うつ病や不安神経症などの深刻な心理的影響が生じる可能性があります。また、近年では円形脱毛症がおよぼす疾病負荷についての研究がされ、日本において年間1,127億円であったとの推計4があります。
ALLEGRO試験について
ALLEGRO-2b/3試験は、頭部の脱毛面積が50%以上の成人および青少年(12歳以上)の円形脱毛症患者を対象に、リトレシチニブの有効性および安全性を評価した後期第2相/第3相、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、用量設定試験です。
ALLEGRO-LT試験は、成人および青少年(12歳以上)の円形脱毛症患者を対象に、リトレシチニブの安全性および有効性を評価した第3相、非盲検、長期投与試験です。
【製品概要】
リットフーロ®カプセル 50mg |
|
日本名:リトレシチニブトシル酸塩 |
|
円形脱毛症(ただし、脱毛部位が広範囲に及ぶ難治の場合に限る) |
|
通常、成人及び12歳以上の小児には、リトレシチニブとして50mgを1日1回経口投与する。 |
|
2023年6月26日 |
|
2023年8月30日 |
|
発売年月日 |
2023年9月27日 |
ファイザーはサイエンスとグローバルなリソースを活用し、人々が健康で長生きし、生活を大きく改善するための治療法をお届けしています。私たちは、革新的な医薬品やワクチンを含むヘルスケア製品の探索・開発・製造における品質・安全性・価値の基準を確立するよう努めています。ファイザーの社員は、生命や生活を脅かす疾患に対するより良い予防法や治療法を提供することで、日々、世界中の人々の健康に貢献しています。世界有数の革新的医薬品企業の責務として、信頼できる医療に誰もが容易にアクセスできるように、世界中の医療従事者、政府、地域社会と協力しています。人々の期待に応えるため、私たちは170年以上にわたり前進し続けてきました。詳細はホームページ、公式SNSをご覧ください。
(米ファイザー本社)www.pfizer.com
(日本法人)www.pfizer.co.jp、Instagram 、X
1 Pratt CH, King LE Jr, Messenger AG et al. Nat Rev Dis Primers. 2017;3:17011.
2 Fukuyama M, Ito T and Ohyama M, J Dermatol 2022;49(1):19-36.
3 Ito T, Kamei K, Yuasa A et al. J Dermatol. 2022; 49(6):584-593.
4 https://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2023/2023-08-29
関連リンク
会社概要
企業目的・Values & Behaviors・事業概要
米ファイザー本社プレスリリース
ファイザー製品開発品一覧